2011年11月


 
◆与党幹事長にタックス・オン・タックスの廃止など要望
 (11月30日付)
 

全石連の関正夫会長と河本博隆副会長・専務理事は11月25日、国会内で民主党の輿石東幹事長宛ての業界要望書を手渡した。今後政府与党内で行われる税制抜本改革における消費税率の引き上げに向けた議論において、ガソリン税と消費税のタックス・オン・タックスの廃止を要望。また、大震災を教訓に全石連が提案している「緊急時石油流通円滑化法」について法制化の実現を求めた。これらの要望に対し樋高剛総括副幹事長は「幹事長室としてしっかりバックアップしていく」と答えた。
 この全石連による幹事長室への要望には三輪信昭幹事長補佐、高松和夫、石井章衆議院議員が同席した。
 関会長は「地場のSSが燃料供給を支えている。今回の大震災でそれが明確になったが、地元の公共機関などがよそから買うのはいかがなものか」と発言し石油流通円滑化法の実現を求めた。
 河本副会長は長年にわたる業界の要望であるタックス・オン・タックス問題に関し「まずは年内に取りまとめるとされている税制抜本改革の大綱に、タックス・オン・タックスの廃止をはじめとする石油諸税の見直しを明記していただきたい」と求めた。
 樋高総括副幹事長は「被災地で地場のSSがいかに頑張っていただいたかよく理解している。共助共生こそが政治の目的であり、地場SSの方々が報われることが必要だ」と述べ、高松議員も「地方の中小企業が生きていけるようにするためにはこの流通円滑化法のような法律が是非とも必要だ」と発言。両要望について民主党幹事長室としてバックアップしていく考えを示した。


関会長(右)は国会内で樋高総括副幹事長(左)らに業界の重点要望項目を説明、実現を求めた




 
◆エネ有識者会「カードとセルフ緊急時は弊害も」
 (11月25日付)
 
資源エネルギー庁は11月22日、東日本大震災を踏まえた今後の石油製品の安定供給確保策について石油業界関係者や防災の専門家・消費者代表などから意見を聴く「資源・燃料政策に関する有識者との意見交換会」の第2回会合を開催した。震災における燃料供給体制のあり方について岩手県宮古市の山本正徳市長が被災地の立場から意見を述べたほか、東洋大学の関谷直也准教授が震災直後からの供給支障によるガソリン不足などの課題に対し消費者心理を踏まえた的確な情報発信の必要性を、一橋大学の根本敏則教授が災害時の石油安定供給に向けて情報通信技術を活用したサプライチェーンの“見える化”などをプレゼンテーションした。
 山本市長は「ドラム缶から燃料を移すことを行っていなかったためにどのSSでも電動ポンプがなく手動ポンプで移さざるをえず時間がかかった」、「支援の形態がさまざまであったために支援を受けるたびに対応策を考える必要があった」など供給混乱が発生したことを指摘し、今回の震災を教訓に「支援する側・受ける側双方で燃料供給システムを構築する必要がある」と提言した。
 関正夫全石連会長は、被災地や首都圏で震災直後から発生した給油待ちの大行列発生の要因としてクレジットカードやセルフサービスの問題点をあげ「自分のお得意様など大切にしなければならないお客様以外の車がたくさん来るので混乱が起こったということもある。簡便になったクレジットカードやセルフがすべてダメだと言うわけではないが、緊急の時にはマイナスに作用するということもご理解いただきたい」と述べた。
 一方、石油連盟の新井純副会長はSSに給油待ちの大行列ができる“ガソリンパニック”の解消に向けて「テレビなど広く瞬時に情報を伝えることができる方々と連携して必要不可欠なエネルギーの供給については的確にニュースを出していくことが必要ある」と指摘した。





  
◆被災地中小企業の官公需受注増大を要請
 (11月25日付)
 
経済産業省は11月21日、平成23年度第3次補正予算の成立を受けて各府省をはじめ地方公共団体(各都道府県、人口10万人以上の市及び東京特別区)宛てに今後の被災地などにおける復旧事業など官公需に関して被災地域の中小企業の受注機会の増大に努めるよう要請文書を出した。災害時供給協定などを通じて継続的な供給体制を構築している場合には官公需適格組合を含む中小企業の積極的な活用を促している。
 一方、総務省宛てには地方公共団体が独自で復旧・復興事業などを行う場合には「地方公共団体に対し被災地域などの中小企業者の受注機会の増大に努めるよう」指導方を要請した。
 また中小企業が受注しやすい発注方法として官公需適格組合の活用を提示。①官公需適格組合をはじめとする事業協同組合などの受注機会の増大、②官公需適格組合の競争契約参加資格審査に係る特例の活用③各府省などは中小企業庁と協力しつつ発注機関に対し、同制度の周知に努める―としている。
 全石連では、東日本大震災発生直後からの石油製品の供給支障に対し緊急車両への給油や病院・避難所などへの石油製品の調達・配送などに最も尽力したのが地場の組合員SSであり、その斡旋・手配を行ったのが石油組合だったことから、政府・国などに対しこうした緊急時に備えて平時から官公需適格組合制度の活用を強く訴えている。



  
◆灯油ストーブ“特需”続く 9年ぶりの高水準
 (11月21日付)
 
経済産業省が発表した生産動態統計によると今年度上期(4~9月)の灯油ストーブの販売台数は前年比68%増の159.2万台と大幅な伸びを示した。2002年度上期(175.2万台)以来9年ぶりの高い水準となっており、東日本大震災による電力・ガスの供給途絶問題から被災地などを中心に、災害に強く、利便性に優れ、エネルギー密度が高く暖かい灯油ストーブへの“回帰”が進んでいることが浮き彫りになった。
 4~9月の状況を見ると、3・11の震災を契機に被災地を中心に販売台数が一気に増え、灯油の需要シーズン終盤で、例年なら販売台数が落ち込む3月も前年比3.1倍増の14.5万台に増加。4月もその流れが続き5.7倍の7.7万台を記録した。5月は6千台に落ち込んだが6月以降は原発事故による電力需給のひっ迫やそれに伴う節電対応の必要性などから本格的な暖房シーズン前に灯油ストーブへの関心が高まった。家電量販店やホームセンターなども早くから灯油ストーブの品揃えを強化するなど6月は1.7倍の9.5万台、厳しい残暑が残る8月も1.9倍の39.8万台、9月も1.7倍の85.6万台と好調に推移している。





  
◆系列SS・年1,000ヵ所純減ペース
 (11月21日付)
 
9月末の元売系列SS数は2万8,430ヵ所となった。11年3月末からの半年間で571ヵ所が減少、このペースから推測すると系列SSは11年度に約1,100ヵ所減少する見通しとなる。減少率は10年度を上回る5.9%となる。
 消防法省令改正による老朽化タンクの規制強化や慢性的な低マージンに加え震災以降のガソリン減販が顕著でSS経営は厳しさを増している。今後、SS減少はさらに加速化する恐れが強い。
 一方、元売社有SSは6,594ヵ所で3月末比97ヵ所が減少した。このペースでの年間減少数は190ヵ所、減少率は4.3%となり、系列全体と比べると、社有SSの減少速度は鈍い。
 3月末比で、SS減少率の高いのが昭和シェル、EM、出光の順。三井のみが横ばいとなっている。社有はキグナス、三井、昭和シェルの順で減少率が高く、キグナスに続いて三井も社有100ヵ所割れが目前。
 系列のセルフSS数は6,965ヵ所。3月末比で30ヵ所増にとどまり、7千台突破目前で、1年9ヵ月も足踏みが続く。社有セルフは3,552ヵ所で3月末比横ばい。系列別では3月末比で出光が10ヵ所減、昭和シェルが1ヵ所減となった一方、JXは22ヵ所増。社有は出光が5ヵ所増となったのが特徴的な動き。





  
◆緊急時の石油安定供給、情報一元管理がカギ
 (11月16日付)
 
資源エネルギー庁は11月15日、東日本大震災を踏まえた今後の石油製品の安定供給確保や資源確保策について石油業界関係者や防災の専門家などから意見を聴く「資源・燃料政策に関する有識者との意見交換会」の初会合を開いた。3・11の震災によって、東北・関東の9製油所のうち6製油所が被災、臨海部を中心に港湾や道路が津波により大きな被害を受けたほか、陸上の物流網も甚大な被害を受けるなど油槽所からSSへの供給体制も困難な状況となり大規模災害などに対するエネルギーの安定供給体制の脆弱性が浮き彫りになった。こうした実態を踏まえ年内に全5回の会合を開き国内外の供給支障問題に対応した、①災害時における石油・ガスの安定供給②世界的な資源需要の高まりや災害などを踏まえた資源開発・確保について各有識者から意見を聴き、資源・燃料政策の見直しに役立てる。
 枝野幸男大臣は「震災から得られた教訓を踏まえ大規模災害を見越した強い供給体制を整備することが必要」と指摘。年内に必要な対策を取りまとめたうえで「予算措置、法制化など必要な措置は来年の通常国会に向けて進めていきたい」との方針を示した。
 意見交換会では、①をテーマに全石連の関正夫会長、河本博隆副会長・専務理事がSSを中心とした安定供給体制の維持・強化の必要性を提言したほか、宮城県の気仙沼商会の高橋正樹社長が震災直後からの状況を報告した。
 関会長は「石油の一滴、血の一滴」と、国民の生命をつなぐ石油の重要性を強調。SSを中心とした安定供給体制の維持・強化に向けた政策支援を訴えた。「販売が大切。乱売競争によって、6万ヵ所あったSSは3万8千ヵ所まで減ってしまった。一戸一戸の農家にまで届けて行く我々の力が大切。その大切なところが赤字で倒産するようではどうしようもない」と国として前向きな政策支援の拡充を訴えた。
 高橋社長は震災直後からの状況を報告。震災・津波によって多くの社員の尊い命が失われたほか、事業所なども壊滅的な被害を受けたが震災翌日からは手回しで計量器を回し続けるなど被災住民への供給に取り組んだ。「病人を病院に連れて行く、亡くなった人を弔うのでさえ油がないとなにもできないということを思い知らされた」と、石油の重要性を強調。「これらの教訓を生かしてほしい」と述べた。
 河本副会長・専務理事は「緊急時石油流通円滑化法」(仮称)の導入を提言。平時から緊急時に備え、製品在庫や流通情報などを共有する緊急時石油供給ネットワーク(石油版スマートグリッド)の構築、情報収集拠点として「石油組合」を位置付けるべきとした。さらに官公需適格組合制度による実効性担保の必要性も指摘した。
 石油連盟の木村康副会長は、石油の緊急時の対応力強化に向け出荷基地の災害対応化や国家製品備蓄の拡充を提言し、輸入・精製・販売に至るサプライチェーンの健全な維持・強化に取り組む必要性を強調した。


 

左から関会長、河本副会長専務理事、高橋社長




  
◆2011年6月末セルフSS数・3ヵ月で27ヵ所増
 (11月7日付)
 
石油情報センターがまとめた2011年6月末の全国セルフSS数は、3月末比で27ヵ所純増の8,476ヵ所となった。4~6月の新規出店数は59ヵ所と00年第4四半期(59ヵ所)以来の低水準になった一方で、撤退数は32ヵ所にのぼり、純増数は27ヵ所にとどまった。ただ、過当競争の激化などによって、SS数が3月末で4万ヵ所を割り込むなど、SS淘汰・廃業も顕在化しているため、セルフ率は21.9%と市場での存在感を増している。
 都道府県別に見ると、山梨・長野・滋賀・大阪・広島・熊本の6県が3ヵ所増となるなど、23都府県が純増となったが、愛知と福岡が3ヵ所減となるなど8県は純減となった。セルフ数は①愛知540ヵ所②北海道457ヵ所③埼玉452ヵ所④神奈川407ヵ所⑤千葉405ヵ所――の5県が400ヵ所を超える。少ないのは①山梨59ヵ所②秋田64ヵ所②沖縄64ヵ所④高知65ヵ所⑤島根71ヵ所―の順。





 
◆ガソリン国内販売・今年度5,400kl台
 (11月7日付)
 
今年度の1週間当たりのガソリン出荷量は、31週中の平均が103.1万KLにとどまり、うち14週で100万KLに届かずこのまま推移すると年度5,400万KL前後にとどまり、1997年度以来14年ぶりの5,500万KL割れが視野に入ってきた。特に9月以降の9週は平均100.5万KLに低迷、うち5週は100万KL割れとなっており内需不振が鮮明に出ている。
 石油連盟の週報による10月第5週(23~29日)のガソリン出荷量は前週比1.5%増、前年比4.8%減の95.3万klにとどまり、2週連続で前年割れ、3週連続の100万KL割れとなった。在庫量は生産量が3週ぶりに100万KLを超えたことで前週比0.6万KL増と2週連続で微増となり、ほぼ平年並みの201.5万KLとなった。29日までの10月出荷量は前年比6.2%減にとどまり、内需の8ヵ月連続の前年割れは確実となった。
 灯油出荷量は前週比7.6%減、前年比38.1%減の25.1万KLにとどまった。在庫は前週比6.4万KL増えて340.1万KLになった。軽油出荷量は前年比0.8%増と好調だった。




 
◆出光・徳山製油所の停止を発表
 (11月2日付)
 
出光興産は11月1日、徳山製油所(山口県周南市、日量12万バレル)の原油処理機能を2014年3月に停止することを明らかにした。徳山は西日本の石油製品物流拠点としての機能を強化するとともに化学事業の主力拠点として競争力強化を図る。
 具体的には、入出荷設備を増強し、油槽所機能の強化を図る。また、ナフサの輸入ロットの大型化などを通じて、さらなる競争力強化とコンビナート各社への安定供給を強化していく。
 今回の原油処理機能の停止はエネルギー供給構造高度化法に対応するもの。国は昨年7月、石油など化石燃料の有効利用を促すため、精製元売会社に製油所全体の処理能力に対し、重質油分解装置の能力を一定以上の比率で高めることを義務付けた。経済産業省では同法に基づき、重質油分解装置の装備率の基準を公表。比較的安価な重質油からガソリンなど軽質油を生産する体制を整え、エネルギーコスト削減による国際競争力強化を図るのが狙いだ。精製元売各社は13年度までに重質油分解装置を新増設するか、トッパー能力を削減する必要が出ている。