2011年10月


 
◆福島・原発事故損害賠償請求説明会開く
 (10月31日付)
 
福島県石油組合(根本一彌理事長)は10月27日、郡山石油研修センターで東京電力福島第一原発事故避難地域外の組合員を対象に損害賠償請求に関する説明会を開催、県内各地から53人の組合員らが出席した。東電からは損害賠償請求担当者ら出席し組合員と質疑応答・個別相談を行った。
 説明会に先立ち根本理事長は「石油製品の素晴らしさが震災で再認識された。消費者のため健全経営で存続していくことが地域社会にとって大切」とあいさつした。今回の説明会は原発事故避難地域外(30km圏外)の原発事故による震災当日の3月11日から8月31日までの風評被害と間接被害に対する損害賠償スキームが示され損害賠償金の支払いが本格化したことから同組合が東電の担当者を招き開催。東電からは福島原子力補償相談室福島補償相談センターの奥村睦副所長ら8人が出席し請求手続きの説明などを行った。個別相談では同組合の菊川洋顧問弁護士が同席して組合員の相談に対応した。
 組合員から業種別に類型化した損害賠償手続きでサービス業としての請求について「我々は石油販売業で、サービス業ではない。売上高は原油価格によって上下するので減少率は意味がない」、「スタンド以外にも事業を行っているので一律の減少率ではわからない」など逸失利益に対する質問が相次いだ。
 東電の今回の請求手続きに関する説明を受けて、今後は売上高など石油販売業の特殊要因を踏まえたフォーマットを検討していく考えである。


具体的な請求方法について質疑応答が行われた福島・原発事故損害賠償説明会

 

 
◆経産省・石油販売向け3次補正を発表
 (10月24日付)
 
経済産業省は10月21日、被災地の復興対策費などを盛り込んだ2011年度第3次補正予算を発表した。このうち災害など緊急時における石油製品流通網の維持・強化に向けて、総額150.9億円を計上。震災により被災したSSなどの燃料供給設備の復旧と、災害に強い燃料供給体制の整備を図る。SSを中心とした石油のサプライチェーンの復旧を支援し被災地の復興を後押ししていく。
 石油流通に係る補正予算の柱は3つ。被災地の復興に不可欠な石油製品の安定供給体制の再構築に向け①被災地域石油製品販売業再建等支援事業に23.5億円を措置。復興工事用重機への燃料供給や冬場の灯油配送に欠かせないローリーの復旧支援や津波浸水地の高台移転など需要変化に対応したSSの再建、津波で被災した地上タンクの復旧を支援していく。
 また、災害時におけるSSの安定供給確保に向け②被災地域災害対応型中核給油所等整備事業で40億円を計上。地方自治体や元売、地元石油販売業者らで地域の中核的な拠点SSを選定し、大型発電整備の設置や地下タンクの大型化、ローリーの追加配備などを支援し、災害対応能力を強化する。これら中核SSを補完する自家発電設備などを備えた災害対応型SSや、小型発電機・手回しポンプなどを常備した周辺SSの支援拠点を整備する。
 このほか③被災地域等地下タンク環境保全対策推進事業として87.4億円を計上した。余震が続く被災地や全国各地で地震発生の危険性が叫ばれる中で、経年地下タンクの漏洩リスクが高まっている。このため、防災・減災の観点から被災地のみならず全国を対象に消防法改正省令で義務付けられたFRP内面ライニング施工や精密油面計の設置などを支援しSSの災害対応を急ぐ。




 

 
◆全石連・民主議員団と懇談 政治の理解と支援求める
 (10月17日付)
 
全石連は10月12日、与党民主党の経済産業関係議員と懇談会を開き、国内石油製品市場の需給ギャップやそれに伴う業転格差の存在、さらには精販の収益構造の「歪み」について説明し、その市場問題の解決に向けて政治の理解と支援を求めた。また、東日本大震災の経験を踏まえて国内の石油製品の円滑供給に向けた法整備の必要性を訴えるとともに、自治体との災害時協力協定の相互の実効性を担保するため平時からの官公需適格組合の活用を求めた。
 懇談会は先ごろ衆議院経済産業委員長に就任した吉田おさむ衆議院議員(大阪4区)の声かけで行われたもので今回で3回目。同会には北神圭朗経産省大臣政務官(京都4区)や福島伸享衆院農林水産委員(茨城1区)、柴橋正直衆院経産委員(岐阜1区)ら石油販売業界の現状に理解を示す議員をはじめ議員秘書が多数出席した。
 吉田議員は冒頭「震災で明らかになったことは電力・ガスなどは公益事業という形で守られているが、自由化の波に洗われてきた石油業界について検証する必要がある。いずれにしてもきちんと石油が末端にまで届くようなシステムを作っていくことが大事」と発言した。
 関正夫会長は「大震災の時には『石油の一滴は血の一滴』との思いで必死に供給に務めたが、2ヵ月も過ぎれば再び過当競争に陥ってしまった」、「需給問題や公正な取引の実現に向けて政治の理解と協力をお願いしたい」と発言。河本博隆副会長・専務理事が災害時の国内の安定供給維持のための「緊急時石油流通円滑化法」(仮称)導入に向けた提言や、地下タンク漏えい防止対策への補助実現を求めた。
 中村彰一郎副会長・経営部会長は資料をもとにブランド料を上乗せされた系列店向け卸価格と業転玉との格差拡大で市場が混乱し、元売と小売の収益構造にも「大きな歪みが生じている」として、「格差是正のためには政治の理解と支援が必要」と要望。早山康之副会長も「元売は本業の燃料販売で利益を上げ、小売には本業以外で生活しろといっている。結果的に小売に1リットルあたり5円のマージンでの経営を強いている元売が、20円近い利益を取っている。政治は中小企業保護の観点からこの業界の歪みを是正すべきだ」と訴えた。
 こうした説明に対し、福島議員は「震災時のガソリンをめぐるトラブルは情報不足が原因。緊急時石油流通円滑化法の考え方は素晴らしい」と評価。北神議員は「官公需の問題は行政指導という形で具体策を考えていく必要がある」「規制緩和の歪みから負担がSS業界に被さっている。緊急時の危機管理の観点から、いかに需要を確保しながら皆さんがライフラインとして存続し得ていくのか体系的に考えていく」と話した。
 柴橋議員も「石油版スマートグリッドはいいネーミング。電気にしろガソリンにしろ的確にきちんと供給する体制作りを支援していきたい」と述べた。
 全石連からは土川保夫、西尾恒太副会長、北海道・伊藤豊、中国・横山洋、四国・山内章正支部長と東北・國安教善副支部長が出席し、それぞれ業界実情を説明した。


全石連正副会長・支部長は、民主党の経産関係の主要議員(奥側)に石油流通業界の抱える各課題を訴えた


 
 
 
◆JX、昭シを訪問し業転格差の是正要望
 (10月14日付)
 
全石連の関正夫会長、早山康之、西尾恒太、中村彰一郎の3副会長、河本博隆副会長・専務理事の執行部は10月12日、JX日鉱日石エネルギー、昭和シェル石油の2社を歴訪した。今回の歴訪は、ガソリン内需減の中、需給ギャップにより系列仕切りと業転の価格格差が拡大し組織の大勢を担う系列中小SSの経営困窮が進んでいることに強い危機感を持ち実施したもの。具体的には業転玉の放出やいわゆる"ブランド料"問題に起因して発生する「業転格差」の是正、販社率先による市場正常化の実現などについて強く訴えた。
 JXエネでは杉森務取締役常務執行役員小売販売本部長が「需給環境を適正化することが必要である。精製、小売の双方にとってこれがプラスの方向である。エネルギー供給構造高度化法が施行されており具体的な設備廃棄が今後進むだろうが、現行で具体化しているのは当社を含めまだ数社である。現状の需給環境は緩く業転市況が収益に与える影響は大きく、精製元売も収益は悪化している。当社はショートポジションだが生産をどうするかは個別判断となる。販売業界も減販と収益低下が重なり苦しいことは理解できる。また、当社はブランド料ではなく販売関連コストという形である。コストは市況動向に関係なくかかり、コスト全体の一部であることもご理解頂きたい。ただ、競争力をあげる努力は継続していく」などと述べ、花谷清小売販売本部販売総括部長は「ガソリン需要は4~5%程度減販している。こうした市場感を石油業界全体がしっかり認識共有する必要がある」と応えた。
 昭和シェルでは新井純社長が「需給ギャップの影響が大きい。東日本大震災では日量130~140万バレルの精製能力が停止したが、日本全体でみると精製能力は足りていた。奇しくも不必要な設備があることを証明した。不必要なリファイナリーを閉鎖する必要がある。そのうえで残ったリファナリーを強くすることが重要な時期になっている。今後5~10年を考えると、さらに需要減が進む一方アジア全体では新規のリファイナリーができる。安定供給のためにも輸入品に負けないよう競争力を高める必要がある。また精販両方が“油”でしっかり利益を上げられるようでないと安定供給はできない」など述べ、亀岡剛常務執行役員は「需給環境をきちんとすることが精製の役目。また、当社は特約店主義であり大震災では日々つながりのある特約店の方々があってこその安定供給であることを再認識した」と応えた。




全石連執行部による元売歴訪がスタート(写真上はJX、下は昭和シェル)

 

 
◆内閣府検討会で河本副会長、SS災害対応機能強化を提言
 (10月12日付)
 
内閣府が開いた「東日本大震災における災害応急対策に関する検討会」に全石連の河本博隆副会長・専務理事(写真)が出席し、震災発生直後からの石油販売業界の対応と今度の課題について説明、検討会でも官公需制度や情報一元化の必要性について理解を示す発言があった。
 河本副会長・専務理事は、被災地のSSでは、震災直後の混乱や停電など電気やガスなどエネルギー需給がひっ迫する中で自家発電設備を備えるSSが分散型エネルギー供給拠点としていち早く立ち直り、地域の石油製品供給に懸命に取り組んだと強調。しかし、一方で被災地域への製品供給不足によって供給したくてもできないSSが多数存在したことを明らかにした。
 このため、新たなエネルギー政策の見直しに向けては①石油製品の緊急時必需品としての特性を再評価するとともに②分散型エネルギー拠点としてSSを評価することや③生産・流通・在庫・配送に係る情報集約化の必要性を訴えた。
 また「エネルギー安定供給の確立」をエネルギー政策の最優先課題に位置付け、従来の「資源の量的確保」に加え、「国内におけるエネルギーの安定供給確保」の2本柱にすべきとした。さらに安定供給確保に向けたSSの災害対応機能の強化やSSネットワークの維持・強化の重要性を指摘。これまでの行き過ぎた規制緩和政策を是正し、平時から緊急時に備え石油製品の在庫や流通情報などを共有する緊急時石油供給ネットワーク(石油版スマートグリッド)の構築、情報収集拠点として「石油組合」を位置付けるべきと訴えた。
 こうした石油組合の役割を踏まえ地方自治体との災害時供給協定の見直しや新たな締結を促進する一方、官公需適格組合制度による一定割合以上の随意契約を協定に盛り込むなど実効性担保の必要性を強調した。
 同検討会は今後、震災直後から政府が実施した物資調達や輸送、災害医療などの災害応急対策を検証し、さらなる充実を図るのが目的で年内にも検討結果を取りまとめる。



 

 
◆北神・柳澤両政務官に官公需適格組合活用への理解と支援要望
 (10月12日付)
 
全石連の関会長らは先ごろ、枝野幸男経済産業大臣をはじめ与党民主党の輿石東幹事長など幹部を訪問し地域の安定供給網維持に向けた官公需適格組合制度の活用について要望書を手渡したが、それに続いて経産省の北神圭朗大臣政務官、柳澤光美大臣政務官をそれぞれ訪ね同要望に対する理解と支援を求めた。
 北神政務官には関会長と河本博隆副会長・専務理事が訪問し「震災で自治体が石油組合や地元業者に供給を依頼し我々もこれに応えたが、喉もと過ぎればではないがその後は価格優先の入札になった。非常に残念だ」と訴えた。
 要望には衆議院経済産業委員会委員の民主党の高松和夫議員が同行し「地元の事業者にとってこれではたまったものではない」と経産省として特段の配慮を求めた。
 北神政務官は「わたしも被災地に行って、石油販売業界が頑張ってくれたという声を多く聞いた」「官公需適格組合制度については我々としても自治体に働きかける」「普段から学校などで石油を使うことが危機管理上必要で、その方向で検討していく」と述べた。
 一方、柳澤大臣政務官に対しては、全石連の河本副会長と議員の出身地である長野・平林一修専務理事がともに訪問し同様の要望を行った。
 同政務官は「災害時に燃料がどうしても必要だということが明確になった」として、地域での燃料確保などに取り組んでいく考え方を示した。

北神政務官(右から2人目)に要望する関会長ら(右は高松議員)  

柳澤政務官(左)に要望する河本副会長と長野・平林専務理事(右)

 

 
◆輿石民主党幹事長に安定供給体制の維持・強化の必要性訴え
 (10月7日付)
 
関会長は民主党の輿石東幹事長とも面談。「昔は石油の一滴、血の一滴と言われましたが、震災でそのことが証明された」と、緊急時におけるSSを中心とした安定供給体制の維持・強化の必要性を訴えた。
 河本副会長・専務理事は「各地でSSが減っている。震災時には一生懸命に供給しながら平時は競争入札でやってくださいというのは大変困難な状況にある」と強調。「各地方自治体の首長さんのご判断で1割でも2割でも随意契約し、最低限の需要を確保していただければいざというときに供給できる」と官公需適格組合制度の利用促進を訴えた。また、高松和夫衆議院議員も「震災時は地元業者に依存しながら(震災後は)競争入札で大手と契約している」とし、「これは(地方自治体などへの)行政指導という形ではないか」と指摘した。
 輿石幹事長は「油の問題は被災地では深刻な問題だった。幹事長室や各地の議員の方々もいるので力を合わせて取り組んでいきたい」と述べた。面談には民主党の企業団体対策委員長の池口修次参議院議員、副幹事長の石関貴史衆議院議員、総括副幹事長の樋高剛衆議院議員、木内孝胤衆議院議員らも同席した。
 
 
緊急時安定供給体制の構築を輿石幹事長(中央左)に要望した関会長(中央右)

 

 
枝野大臣に官公需促進など業界の提言を説明
 (10月7日付)
 
全石連の関正夫会長は10月6日、経済産業省の枝野幸男大臣と面談し大規模災害など緊急時に備えた平時からのSSを中心とした安定供給体制の強化・拡充と、SSによる供給体制を維持していく官公需適格組合制度について、関係自治体などによる利用促進を強く要望した。
 関会長は枝野大臣に対して「油の一滴、血の一滴という言葉があるように、震災後の1ヵ月間だけはこれまでまじめに商売してきてことが実ったなぁと思ったのもつかの間、すぐ過当競争に陥ってしまった」と指摘。「官公需適格組合制度があるのに震災時は自治体の方々なども“あなたたちのおかげだ”と言っていただいたのに、熱が冷めるとすぐに競争入札が始まってしまった」と、病院や緊急車両への給油などSSの震災対応が全く評価されていないことに苦言を呈した。
 また、河本博隆副会長・専務理事はエネルギー政策の見直しに係る石油販売業界の提言を説明した。石油製品の緊急時必需品としての特性を勘案し、「平時から対応・措置していくことが必要」と指摘。精製元売・販売業者の情報をエネ庁に集中し緊急時にはその情報をもとに石油製品を被災地に適正配分していく仕組み(石油版スマートグリッド)が必要と訴えた。その際の情報収集拠点として石油組合を位置付けるべきと提言した。
 さらに、地方自治体との災害時供給協定の内容の見直しや新たな締結を促進し、一定以上の官公需を随意契約として協定に盛り込むことなどを訴え、国から地方自治体への働きかけを要請した。
 一方で震災時に果たした石油の重要性を消費者に理解してもらうため、JR東日本に灯油ストーブを寄贈する計画を説明し「灯油の温かみを感じていただくと同時に、灯油の復権を図っていきたい」と述べた。
 これに対して、枝野大臣は「石油のサプライチェーンを維持することは危機管理のうえからも重要」と強調。「全石連、石油連盟、経産省・エネ庁とで、しっかりとした供給体制を造っていかなければならない」とした。また「駅や避難所などではエアコンやガスでの暖房でなく、普段から暖房に石油ストーブにするというのはかなり促せると思う」と述べた。
 官公需適格組合制度の活用については「自由競争の建前と危機管理対応の相矛盾することの整合性を図るのは難しい」と述べ「そもそも入札時に緊急時の責任というのを入れるということができないのか」と工夫の必要性を指摘した。


要望書を枝野大臣(右)に手渡す関会長(中央)

 

 
◆総合エネ調が初会合 エネルギー基本計画抜本見直しに着手
 (10月5日付)
 
経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会の初会合が10月3日開かれ、福島第1原発事故を受けて国のエネルギー政策の抜本的な見直しに着手した。来年夏を目途に新たなエネルギー基本計画案をまとめる。
 現行のエネルギー基本計画は昨年6月に閣議決定。原子力の総発電量を現在の30%から2030年に50%に引き上げることを柱にしていたが、原発事故を受けて3年に1度の策定を前倒しして新たなエネルギー政策の土台となる計画の策定を目指す。
 枝野幸男大臣は冒頭のあいさつで、原発事故によって「原子力の安全性に対する国民の信頼が大きく損なわれエネルギーシステムの脆弱性が明らかになった」と指摘。現行のエネルギー基本計画を「ゼロベースで見直し再構築を図る必要がある」と述べる一方、「10年・20年でない、50年・100年、200年の歩む道、歩んでいく道を探っていく」と長期的な視野に立った計画の実現を強調した。
 続いて委員として出席した学識経験者や企業経営者、消費者・労働団体代表者らが意見を述べた。この中で「原子力発電に頼らない。できるだけ早くゼロにする」、「原発をすぐに止めるとコストがかかるというが、原発を止めるベネフィット(利益)のほうが大きい」など脱原発を進めるべきという意見が出された一方、「原子力の技術を進化させて世界に貢献し続ける」、「福島の教訓と経験を活かし科学技術力を活かして原発の安全性を高める、進化させる。それを世界に示していくことが日本の責務」など原子力政策の意義を強調する意見が出された。
 また「脱原発・原発推進の二項対立の議論を行うべきでなない」、「産業や雇用への影響に十分配慮しながら安定的なエネルギー供給体制を構築していくことが必要」といった意見や「化石エネルギーの高度利用や再生可能エネルギーの推進、分散型エネルギーの開発などに取り組んでいくべき」との提言もあった。


 

 
◆エネルギー関連予算・災害時供給体制の抜本強化で要求
 (10月3日付)
 
経済産業省が9月29日発表した2012年度予算概算要求は今年度当初予算比12.5%増の1兆762億円を要求。このうち野田佳彦首相の主導で重点分野に予算を振り向ける「日本再生重点化措置」枠で1,313億円を盛り込んだ。枝野幸男大臣は会見で「地震・津波被害を受けて、石油は残念ながら消費者に数日間は十分に行き渡らなかった。危機管理対応としてどういった形で備えておくかが課題」と災害時に向けた安定供給体制の維持・強化の必要性を強調した。
 こうした状況を踏まえて資源・エネルギー関連予算では、災害時における石油供給体制の抜本的な改善に向けて各地域で石油の供給拠点となる石油基地を選定し、防水対策や緊急用発電機の設置などによって災害対応能力を強化。新規に104億円を要求する。また石油製品備蓄を積み増すなど国家石油備蓄の効率的な運用に向けて919億円を計上したほか、製油所を中心としたコンビナート域内の連携強化や、石油精製機能の集約強化への取り組みを支援するため87億円を措置する。このほか電気自動車・充電設備整備、民生用燃料電池の導入支援など、環境性能に優れた製品の普及拡大に向けて今年度当初予算比192億円増の592億円を要望する。


 

 
◆ぜんせきweb9月アンケート結果・仕切体系99%が「不満」
 (10月3日付)
 
ぜんせきwebアンケートの結果、現行の仕切価格体系については「不満がある」が99%で圧倒的な数を占めた。10月以降も現行の仕切体系が継続することは確定しており、系列SSの不満感はさらに高まると予測される。不満要因の1番手は「業転格差」の26%。次いで「一方的な通知」の19%、「信頼できる指標がない」の13%と続く。
 さらに「許容できる格差はいくらか」と具体的な数値を聞いたところ、「1円超~2円以内」が48%で最多、次いで「2円超~3円以内」が24%となり、「業転格差は3円以内」が全体の72%に達し大勢となった。
 業転格差の問題点については「毎月150KLの販売量だが、非系列玉(業転玉)と5~6円も仕切格差があり、毎月70~80万円の収益差が出る。現在の構造はおかし過ぎる」、「需給ギャップがある限り業転玉はなくならない。いっそ政府が元売による系列取引の縛りをなくせば価格はフラット化する」に加え、「ブランド料は4円から3円に下げ卸格差や特約店規模格差を縮小調整すれば、元売のマージンは大きく変化しない。早く仕切改定しないと、一般特約店・販売店SSは淘汰されてしまう」など厳しい見方も多い。
 一方、卸価格決定のベースとなる理想的な価格指標について聞いたところ「原油CIF連動」が31%、「現物卸指標連動」が26%、かつてのEMゾーンプライスのような「小売市況連動」が20%の順となった。個別では「原油連動で価格決定が透明なもの」、「現物価格指標と原油CIFの併用」という指摘から「小売業として仕切公開する理由もない。月決めの価格決定が一般的」まで幅広い意見があることが改めてわかった。(ぜんせきweb詳細掲載)