2011年8月


 
◆元売カード研究WGが初会合
 (8月29日付)
 
全石連経営部会(中村彰一郎部会長)は8月25日、元売クレジットカード研究ワーキンググループ(以下=WG、三角清一委員長)の初会合を開催した。同WGはクレジットカードの普及率が高まっていることを踏まえ、元売発行カードから一般提携カードまで幅広く現状を調査、分析。その結果から販売業界としての要望を取りまとめる。
 初会合ではカード会社から担当者を招き、クレジットカードの発行から決済までのシステムについて説明を受けた。さらにSSが依然、極端な低マージンを強いられている一方、原油上昇による高価格化が定着しており、SSマージンに対してカードの手数料負担が大きくなっていることなどについて問題視する意見があった。
 その結果、こうした状況に対する元売各社の対応などについて意見交換し、今後さらに実態把握を進めたうえで一般提携カードの手数料低減などSS負担の軽減に向けた取り組みを検討することで一致した。


カード手数料のSS負担軽減に向け、経営部会のWGが稼働を開始した



 
 
◆エネ庁・愛知など4ヵ所でSS過疎地供給対策の実証スタート
 (8月26日付)
 
資源エネルギー庁石油流通課は石油製品の安定供給に支障を来たすSS過疎地における安定供給対策の検証に向けて、①愛知県豊根村富山地区②岐阜県白川町蘇原・佐見地区③広島県安芸高田市美土里町生桑地域④高知県四万十市西土佐大宮地区の4ヵ所で「燃料供給不安地域対策事業」をスタートすることを発表した。石油販売業界・自治体・地域住民による三位一体の取り組みを通じて、SS機能の分離・縮小、あるいは集約・複合化などの石油製品安定供給対策を具体的なモデルSS事業として年内にスタートし、今年度末まで実証を行う。
 石油流通課では、年々“SS過疎地”問題が深刻化していることを踏まえ、今年度の石油流通対策予算で新たに「燃料供給不安地域対策事業」を立ち上げ、4地区のSS過疎地における石油製品安定供給モデルを支援していく。
 ①富山地区では現在、村がSSを所有し運営をモカル富山に委託している富山SSが1ヵ所あるが、別の地場商系SSが高齢化により事業縮小が伝えられるなど地域の安定供給に不安が生じていることから、富山SSと商系SSにJAを加えた3SSで、冬場における灯油の共同配送体制を構築し効率配送とコスト削減を検証する。
 ②蘇原・佐見地区では、両地区の地元の高齢者が日々集まるデイサービスセンターに消防法の規制対象外となる灯油のポータブル計量器1基を設置するサテライト型エネルギー拠点の実証を行う。デイサービスの送迎バスを活用し高齢者の送迎時にポリ缶による灯油の給油・配送も行うという試み。
 ③生桑地域では、JAがSSの老朽化を理由に来年2月での閉鎖を決定したことからそのSSを引き継ぐ形で住民自治組織によるSSの所有・運営に取り組む。地域住民らの需要動向などを見据え、SS設備の縮小や最適立地を検証したうえで新SSを建設。住民ニーズを踏まえて、新SSには食料品店や福祉サービス拠点機能などを併設した複合経営を行う。
 ④西土佐大宮地区では、現在、住民出資によって日用品販売店などを併設した複合型SSを運営しているが、SSの経営安定化に向けて地域住民の利便性向上に向けた営業時間拡大の実証や灯油の宅配事業を実施していくほか、農機具などに使用する混合ガソリン給油設備の設置、ポイントカード対応のPOSの導入による顧客管理の実証などを行う。




 
 
◆被災SS支援1次補正事業実績・9県1,528SSが利用
 (8月19日付)
 
全石連と全国石油協会はこのほど、東日本大震災による被災SSの復旧・復興を支援する平成23年度第1次補正予算関連補助事業の実績をまとめた。被災SS向けの補正予算事業は主に、被災SSの早期立ち上げなどを支援する「被災地域石油製品販売業早期復旧等支援事業(SS設備補修・撤去事業)」と被災地域簡易給油所設置支援事業(簡易SS設置)」、「給油設備安全点検事業(給油設備点検)」(給油設備点検のみ全石連が実施)に加え、被災した石油販売業者の資金繰りを支援する「災害特別保証制度」の4つ。被災地の復旧・復興に欠かせない石油製品の安定供給確保に向けて、地震や津波で壊滅的な被害を受けた被災SSの早期立ち上げや資金繰り対策などで石油販売業者を支援し、被災地の復旧・復興を後押ししていく。
 SS設備補修・撤去事業のうち設備補修は消防法上SSとして機能するために必要な設備やタンクローリー、バージ船の補修に対し補助する。SS撤去は全壊したSSや地上タンクなどの撤去費用を補助する。5月25日から7月29日までの第3回受付までに設備補修が772件、撤去が76件の計848件(約29億円)に及ぶ申請があり、多くの被災SSの早期復旧を後押ししている。8月8日からは第4回申請受付を行っている(締め切りは8月26日)。
 補修・撤去件数を県別に見ると、茨城の225件を筆頭に、福島が224件、宮城が199件、岩手が98件など。工事の内訳を見ると、防火塀補修が40%、土間補修が31%、地下タンク・配管補修・交換14%、計量機補修・交換が10%。
 簡易SS設置は、営業不能になったSSが復旧するまでの間緊急避難的に燃料を供給するためのポータブル計量機や中古計量機などを対象に補助するもの。第3回受付までに15件、約3千万円の申請があり、県別には岩手が10件、宮城が3件、福島が1件、茨城が1件。
 また給油設備点検は、震災によって地下タンク・配管などの破損による油流出などの2次災害を防止することを目的に気密漏洩検査による安全点検を補助するもの。交付決定件数は、福島の155件を筆頭に、岩手147件、茨城125件、宮城122件など、7県で計643件の実績となっている。
 一方災害保証は、被災地の復興に向けて石油販売業者の運転資金の円滑な調達を後押ししていく制度で、従来の保証制度とは別枠で無担保無保証(法人は代表者の保証必要)、銀行への保証割合も100%とし、保証料も0.4%と低く抑え資金繰り支援を強化・拡充した。大震災で壊滅的な被害を受けた被災地で引き続きエネルギー供給拠点としての社会的責務を全うしていこうという石油販売業者を金融面で強力にサポートしている。
 実施期間は2年間(2011年6月10日~13年6月9日)で、運転資金が対象。利用資格は、出捐者または出捐者の利用承諾を受けた者。借入限度額は1企業4千万円、1SS 2千万円だが、月商の2倍が上限となる。保証期間は7年以内(据置2年を承認)。これまでの保証件数は22件、保証金額は4億6千万円となっている。


 

 
◆福島・原発被害者相談会を開催 未収売掛など切実な声相次ぐ
 (8月12日付)
 
福島県石油組合(根本一彌理事長)は8月9日、郡山市で第1回「福島第一原発事故被害者ヒアリング・相談会」を開催した。被災した組合員と根本理事長、河本博隆全石連副会長・専務理事、顧問弁護士の萩原克虎氏らが出席し、原子力損害紛争審査会が公表した原子力損害賠償に係わる「中間指針」の説明や、被災SSの被害状況・営業状況などについてのヒアリングを行った。ヒアリングでは被災SSの経営者からは売掛金の請求、在庫などの今後の損害賠償に関する質問が相次いだ。続いて被災SS経営者と弁護士との個別相談会が行われた。
 今回のヒアリング、相談会は「被災地域石油製品流通情報・あっせん事業」の一環として実施した。原発事故による県内SSの損害規模などをより正確に把握するため日本法律事務所の弁護士と顧問契約し調査事業を行うとともに、被災組合員が抱える課題に法的なアドバイスを行う。ヒアリングには31人の被災組合員らが出席した。
 根本理事長はあいさつで「原発事故に伴う被害の賠償について関係機関に精力的に働きかけを行ってきた結果仮払い補償などようやく行われた。この度、経済産業省、資源エネルギー庁の支援を受け損害賠償を適切に行っていくため専門家による被害実態調査、相談事業が行われることになった。本日の相談会を有効に活用してほしい」と述べた。
 河本副会長・専務理事は「中間指針のポイントを聞いていただきこのようなことができるのだというイメージを持ってもらい、いろんな悩みを聞かせていただきたい」とあいさつ、続いて国の紛争審査会における全石連のこれまでの対応、損害賠償に係わる中間指針の概要などについての説明を行った。
 萩原弁護士は「現地で皆さんが悩んでいることを聞いて、悩みの解消に一役できればと思っている。原発事故の収束期間はわからないが、それぞれの生活環境を具体的にメモしておいてもらい我々に教えてもらいたい」と述べ、組合員のさまざまな相談にきめ細かに対応していく方針。
 菊川洋弁護士は今回の中間指針について「東電に請求する時に中間指針を根拠にすればスムーズに話し合いができるということでつくられた」としたうえで、「損害がどの項目に位置付けられるか、位置付けることができれば請求の対象に入ってくる。指針に載っていないからといって対象とならないわけではない。現時点で想定される損害が載っているのであきらめないことが大事。SSはサービス業として風評被害適用の可能性も考えられる。間接被害については販売先が避難したり事業停止した場合は対象になる」などの考えを示した。
 ヒアリングでは「売掛金が回収できない」、「在庫はメーカーに返品できるのか」、「廃業を決めたSSの補償はどうなるのか」などの賠償請求に関する質問が相次いだ。
 

被災SS経営者から賠償請求内容についての質問が相次いだヒアリング


 

 
◆秋田・青年部が岩手へ「復興支援うちわ」を贈呈
 (8月5日付)
 
秋田県石油組合(國安教善理事長)青年部(佐々木雅洋部長)は8月2日、大震災被災地のSSを支援するため作成した「復興支援うちわ」を岩手県石油組合(宮田謙理事長)に贈呈した。佐々木部長が岩手県石油組合を訪れ、宮田理事長に支援うちわ3,500本を贈呈した。
 宮田理事長は「早速、被災地に届けて最大の利用をさせていただきたい。いま一番必要な時期なので、被災地の避難所などで不便な生活を続けている方々に届けたい」とお礼を述べた。佐々木部長は「よろしくお願いします」と被災地への配布を託した。
 支援うちわは岩手、宮城、福島の東北3県の被災SSを支援するため作成したもので、各県を通して各支部から被災地SSに配布する。宮城、福島にはすでに配送・贈呈している。
 

宮田理事長(左)に復興支援うちわを贈呈する佐々木部長


 

 
◆エネ研・短期エネルギー見通し ガ今年度4.1%減に
 (8月3日付)
 
日本エネルギー経済研究所は7月28日、大震災の発生と原発事故を踏まえた短期エネルギー需給見通しをまとめた。現在停止中の原発が9月以降に順次再稼働する①「9月再稼働ケース」と、再稼働しない②「再稼働なしケース」で各エネルギー需給の変化を予測。2011年度は荷動きの落ち込みなどにより、ガソリンが前年度比4.1%減、軽油が4%減に減少するが、12年度は景気回復に伴って、それぞれ11年度比1%増の微増を見込んだ。燃料油計は原発の想定によって大きく変化。①ケースで11年度が1.2%減、12年度が0.8%減に落ち込むが、②ケースでは石油火力や自家発電向けの増加で2.2%増、4.7%増と需要増を予測する。
 11年度の燃料油販売は火力発電や工場自家発電の稼働増が見込まれるが、震災による生産の落ち込みに伴う需要減、前年度の猛暑の反動による自動車用燃料の減少も予測されるため、①では1.2%減の1億9,353万klに減少する。②では電力用C重油が大きく伸長し、2.2%増の2億19万klと予測。
 ガソリンは燃費の改善、走行距離の短縮化などによって減少基調をたどるほか、前年度の反動や1,000円高速の終了などによって4.1%減の5,581万klを見込む。軽油は運送需要の落ち込みなどで4.3%減の3,147万kl。灯油は電力、都市ガスなどへの転換が進むことに加え、前年度の反動減や震災影響で4%減の1,951万kl。
 12年度燃料油販売は、①で0.8%減の1億9,191万kl、②は4.7%増の2億968万kl。ガソリンは1%増の5,636万kl、軽油も1%増の3,180万klを見込む。灯油は0.6%減の1,939万klと連続減少する。


 

 
◆税制ヒアリングでさらなる徴税負担増への反対訴え
 (8月1日付)
 
経済産業省は7月29日、所管団体などからの平成24年度税制改正要望に関するヒアリングの第2回目を行い、全石連の関正夫会長らが復興財源としての石油諸税の増税や地球温暖化対策税の負担増など、中小零細企業であるSS業界にさらなる徴税負担を強いる税制の抜本的な見直しを訴えた。
 ヒアリングには関会長、河本博隆副会長・専務理事、入谷孝裕政策・環境部会委員(静岡理事長)が参加。関会長が販売業界を代表して、「全国のSS数は4万弱であり、石油諸税は4兆4,000億円で1SS平均1億1万円もの徴税を行っている。復興財源としての石油諸税の増税や地球温暖化対策税のさらなる負担増など、これ以上負担が大きくなることについては反対せざるを得ない」と訴えた。また、一般財源化された旧暫定税率の廃止やガソリン税に係る消費税のタックス・オン・タックスの速やかな廃止を求めた。
 松下忠洋経済産業副大臣は復興財源のあり方を指摘したが、河本副会長・専務理事は「東北地方の復興には車が欠かせない。これ以上石油の価格が上ると被災地には大変なことになる」と、石油への増税は復興の足かせになると反対した。
 一方、増子輝彦議員は「脱化石燃料ということに惑わされることなく、災害に強いSSを造り上げていくことをしっかりと打ち出していただきたい」と提言。関会長は「東北の同業者の(震災対応に対する)心意気は我々が抱いているものとは大きく違うということをひしひしと感じた。今後もご指導賜ればありがたい」と支援を求めた。
 また、木村たけつか議員は「SSを建て替えするには大きなコストがかかり、次の継承者に引き継げないという話を聞いた」と述べ、入谷理事長が「我々は地域密着を標榜しており、なんとかしなければならないと考えている。身銭を切ってでも残したいと考えているがそれにも限界がある」と、政策支援の必要性を訴えた。
 吉田おさむ議員は「精販一体となって、震災時の対応を考えてほしい」と要望。さらに、「4兆円も集めていただいているところはない。ガソリン業界を邪険にするような財政だとか産業政策では税金が入ってこなくなる。徴税をしていただいている方々については自由化の中でも適正利潤を確保してしっかりと税金を納めていただくことが必要」と指摘した。
 関会長は「都市ガスや電気の価格の大元は、為替と原油・LNG。それはSS業界も同じ。しかし、我々は中小零細企業であるばかりに最終の消費者に手渡すときに過当競争が発生し倒産したり自殺者が出たりしている。零細企業であるからこそ考えていただかなければならない」と、中小企業の立場を強く訴えた。
 このほか、山本剛正議員は「来年度、沖縄復帰特別措置が切れる。これを守るのはたいへんな戦いになる。民主党はこれ以上沖縄県にご迷惑をおかけするわけにはいかない」と述べた。



徴税負担の軽減を訴える全石連(右から関会長、河本副会長・専務理事、入谷理事長)

 

 
◆2010年度末セルフSS数・四半期で15県減少
 (8月1日付)
 
石油情報センターがまとめた2010年度末の全国セルフSSは前年度比153ヵ所の純増となったが、第4四半期(11年1~3月)では前期比3ヵ所減と、四半期ベースで初めて前期を下回るなどセルフ淘汰が顕在化している。10年12月比でセルフ数が減少したところは関東、中国を中心に15県にのぼる。横ばいは18県、増加は14県になった。
 09年度比で減少したのは千葉(4ヵ所)、三重(1ヵ所)、山口(2ヵ所)、香川(1ヵ所)、宮崎(1ヵ所)の5県。増加は静岡(17ヵ所)を筆頭に、北海道(12ヵ所)、山形(9ヵ所)など、地方都市を中心に増加が目立っている。
 都道府県別で多い順に①愛知543②北海道457③埼玉451④神奈川408⑤千葉406ヵ所。前年度比では、埼玉が②から③へ、千葉が④から⑤に順位を落とし、セルフ出店が急速に拡大した地域がここに来て過当競争激化などからセルフ間競争による淘汰が進んでいる状況が垣間見える。
 全国平均のセルフ率(登録3万8,777SS)は、セルフ数が8,449ヵ所で21.8%に達した。全国的なSS数の減少を背景にその比率を年々高まっており、地域市場での存在感は高まり続けている。都道府県別では、①神奈川33.8%②埼玉32.5%③石川32%④香川31.1%⑤愛知・兵庫・奈良30% ―の7県が3割超えとなった。