2011年6月


 
◆中小企業の官公需受注機会拡大へ契約方針閣議決定
 (6月29日付)
 
 政府は6月28日、国などが発注する官公需について中小企業の受注機会の拡大を図るための契約方針を閣議決定した。毎年この時期に決定しているもので、今年度の官公需総予算額の56.2%(約3兆7,915億円)を中小企業向けの契約目標に掲げた。また、新たに東日本大震災で被災した中小企業の早期の復旧・復興や被災者の雇用の確保が喫緊の課題になっているほか震災の影響が全国の中小企業にも及んでいることから、官公需適格組合の活用などを通じて中小企業の受注機会の増大を図る方針を、中小企業庁を通じて関係方面に促していく。  国や地方自治体では近年、厳しい財政状態を反映して行政経費の削減を図る動きが活発化しており、官公需についても競争入札などを導入するケースが増え地場中小企業の受注機会は年々厳しさを増している。
 一方、行政刷新会議がまとめた「公共サービス改革プログラム」に基づく「競り下げの試行」など新たな調達・契約手法を取り入れる際には、中小企業の受注機会の増大、事業環境への影響などに十分配慮すべきとしているほか、一括調達や共同調達を行う場合も中小企業の受注機会の観点から適切な調達品目の選定、配送エリアの設定などに努めるよう求めている。
 

  

 
◆エネ庁へ漁業用燃料の供給確保に支援要請
 (6月27日付)
 
 東日本大震災の大津波により損壊した宮城県気仙沼市の魚市場が6月23日から再開するなど、東北太平洋沿岸の基幹産業である漁業関連に復興・復旧の動きが出ている。これに伴い漁船への燃料供給の確保が急務の課題となっていることを受け、全石連「東日本大震災復興対策本部」副本部長の河本博隆副会長・専務理事は6月22日、気仙沼商会(気仙沼市)の高橋正樹社長と共に資源エネルギー庁石油流通課を訪問して漁業用燃料供給の現状説明をした上で支援策の強化を求めた。
 エネ庁石油流通課からは戸高秀史課長、下堀友数課長補佐、府川秀樹課長補佐が対応。席上、高橋社長は「気仙沼では例年6月から始まるカツオ漁に合わせ魚市場の復興・復旧に全力を上げている。ただ港の石油タンク群は全壊、バージ船も壊滅的な打撃を受けた。さらに激しい地盤沈下に加え、国・県・市による港開発の方針決定を待たないと石油タンクなどは着工できない状態で、本格的な回復には3~5年の期間は要する可能性が高い」などとしたうえで「しかしながら地域復興を考えると、漁業用燃料の安定供給は不可欠。そのため緊急避難的な措置として、給油船(バージ船)や備蓄タンク代用のタンカー船の確保の2点が急務の課題になっている」と説明するとともに支援を求めた。
 
気仙沼港の状況を聞く戸高石油流通課長(右中央) 

  

 
◆福島・被災組合員へ仲間からの義援金
 (6月20日付)
 
 福島県石油組合(根本一彌理事長)は6月13日から、大震災で被災した組合員に義援金の贈呈を開始した。全石連や全国の石油組合から寄せられた義援金を見舞金として被災組合員に贈呈したもので、総額は2,100万円。
 同日は福島石油会館で根本理事長から大震災発生以降、埼玉県で避難所生活を余儀なくされている吉田俊秀副理事長に義援金が手渡された。被災給油所数は全壊11、一部損壊・半壊254、原発規制区域内50ヵ所。義援金は今月中に被災組合員の口座に振り込まれる。

吉田副理事長(右)に義援金を手渡す根本理事長

  

 
◆新潟・宮城県石油組合へ震災見舞金を贈呈
 (6月17日付)
 
 新潟県石油組合の浜田忠博理事長は6月15日、仙台市の宮城県石油組合(佐藤義信理事長)を訪れ東日本大震災の見舞金を贈呈した。7年前の新潟県中越地震の宮城からの見舞いに対するお返しとして浜田理事長と長井和久常務理事が訪問したもので、浜田理事長から佐藤理事長に100万円が手渡された。
 新潟・浜田理事長は「7年前は高橋前理事長と新潟までお見舞いにきていただいた。新潟も3回大きい地震があったので、少し揺れるとざわっとする」と、今回の大震災発生時の新潟県内の状況などについて話をした。
 宮城・佐藤理事長は感謝の言葉を述べたうえで、「震災で宮城は2割の給油所・事業所が止まっている状態で、経済活動がうまくいっていないため4月の販売数量調査でも全体で2割ぐらい落ちている」と、震災後の宮城県内の厳しい状況などについて説明した。
 
佐藤理事長に見舞金を手渡す浜田理事長(右)

 
 
◆老朽化タンク支援実現で営業継続さらに増加
 (6月15日付)
 
全石連が実施した1970年以前に組合加入の石油販売業者対象の「埋設後40年以上の経年地下タンクに係る漏洩防止対策義務化への対応策」のアンケート調査結果によると、法規制に対応し約7割の販売業者が営業継続の意志を示した。調査対象から全国47組合各20社を選定、526社(1,276給油所、地下タンク数5,524基)から回答を得た。タンクの種類は「一重殻・直接埋設」タンクが約8割を占め、「二重殻」は18%。埋設年数は、規制対象となる可能性の高い40~50年未満が28%、50年以上は3.3%となった。
 昨年4月調査では、該当タンク保有者の約6割が「該当する給油所の営業をやめる」、「わからない」と、対応に苦慮していることが浮き彫りになっていたが、同年9月調査で11年度予算で規制対応の補助金が認められた場合は「法規制に対応し営業を続ける」が65%を占め、営業を続ける意思を示した。さらに今回の調査では「FRPライニング等を実施し営業を続ける」が65%、「新しいタンクに入換え営業を続ける」が5%と、約7割が営業継続の意思を示し、9月調査比5%、4月調査比では27%増加した。対処法はFRP52%、電気防食10%、高精度油面計26%。

 

 

 
石油販売業界復興を期す全石連総会
 (6月10日付)
 
 全石連は6月9日に東京・石油会館で通常総会を開催、「被災組合員の復旧・復興を支援しよう」を前面に掲げ、組合活動を通じて経営を改革しよう」をメインスローガンにした事業計画を承認、確定させた。すでに開始されている第1次補正予算に盛り込まれた被災石油販売業者への支援策の加え、引き続き被災組合員の復旧・復興を全力で支援する。さらに、地域社会を支える重要なエネルギー供給拠点である給油所のネットワーク強化を推進するために、公正で透明な取引環境の実現を図り、災害対応・安心安全な給油所ネットワークの強化を推し進める一方、機関紙ぜんせき・共同事業を利用した経営基盤の強化など、組合員へのサポート機能をさらに強化し経営改革を後押しする事業をスタートさせる。
 東日本大震災による影響で開催地を東京に変更して開催された総会は、開幕前に出席者全員で、この1年間で死去された関係者、さらに大震災で亡くなられた組合員に黙祷をささげた。
 冒頭、関正夫会長が壇上に立ち、震災後初めて全国組合員が一同に介するこの全石連総会を「維新、敗戦に次ぐ大きな変化について全国と地方がともに手を携えて真剣に考える契機としたい」と述べ、被災地における石油販売業者と県組織の昼夜を問わない活躍に言及し、補正予算の獲得や原発賠償問題など被災地の組合員に対して最大限の支援を獲得することに全力を注ぐ旨を表明した。さらに行政と政治に対して、エネルギーにおける石油と地域密着型給油所の再評価を促すことに全力を注ぐ考えを示し、そのために地方と中央の一体的な組織活動展開を訴え全国47都道府県組合代表者からの賛同を得た。
 今年度は「被災組合員の復旧・復興を支援しよう」を前面に掲げ、「組合活動を通じて経営を改革しよう」をメインスローガンに①需要変化に対応した給油所経営に取り組もう②公正で透明な取引環境の実現を目指そう③災害対応・安心安全の給油所ネットワークを強化しよう④機関紙・共同事業を利用し経営基盤を強化しよう―の4項目を柱とする事業計画の承認を得た。
 これにより、公正・透明な取引の実現、各種の税制改正要望などの諸活動とともに、大震災により、石油販売業と給油所が地域社会を支える重要なエネルギーインフラであることが再認識されたことを踏まえ、その復権に向けた中央と地方が一体となった組織活動が始まることとなった。


被災した組合員支援に加えて、国政と行政に「石油」「地域SS(=給油所)」の再評価を積極的に働きかける組織活動の起点となる全石連総会

 

 
給油取扱所事故主因「老朽化」・「人的要因」
 (6月8日付)
 
 消防庁は先ごろ、2010年中(1~12月)に発生した危険物事故状況をまとめた。ガソリンスタンドを含む給油取扱所での火災は前年比べ1件減の29件、流出(油漏洩など)が2件減の69件となったものの、給油取扱所での火災・流出件数は依然高い水準にあることがわかった。万が一の火災・流出事故の発生は会社経営や社会的信用に多大なダメージを与えるほか、2月1日施行の消防法改正省令によって、経年地下タンクの漏洩防止対策が喫緊の課題となっており、事故の未然防止に向けた迅速な対応が求められている。
 給油取扱所における火災事故は29件。一般取扱所(103件)、製造所(40件)での発生件数増加で、給油取扱所の事故発生の危険性は低くなったものの、過去4年間でも30件前後で推移するなど高い水準を示している。1件あたりの損害額は112万円と比較的軽微で、幸いにも損害額の増大は免れた格好だ。発生原因を見ると「操作確認不十分」が6件で最も多く、次いで「維持管理不十分」が5件など、人的ミスによる原因が19件を占める。
 一方、油漏洩などを含む流出事故では、一般取扱所が102件で最も多く、次いで給油取扱所が69件と上位に位置する。また、タンクローリーなどを含む移動タンク貯蔵所も42件と高い水準にある。給油取扱所における1件あたりの損害額は16万円と、他の貯蔵所・取扱所に比べ比較的軽微だった。
 発生原因を見ると、給油取扱所では「腐食疲労等劣化」が20件と最も多い。前年比で発生件数が2件増加するなど、施設の老朽化が深刻な状況にあることが浮き彫りになった。次いで「操作確認不十分」が10件と人的要因も目立っている。一方、移動タンク貯蔵所では、「交通事故」が10件のほか、「操作確認不十分」が9件など人的要因が上位を占めている。 このほか、火災や危険物の流出を伴わない破損や交通事故といった事故は161件発生しているが、そのうち給油取扱所が122件と圧倒的に多くなっている。
 



 

 
石油製品不当廉売「注意」大幅減少
 (6月6日付)
 
 公正取引委員会は1日、2010年度の不当廉売注意件数を発表した。石油製品の「注意」は714件で前年比の4分の3に減少した。不当廉売申告の多い家電製品、酒類などを合わせた小売業全体の「注意」件数は2,700件で、2割減となった。また、全体の不当廉売の申告数は8,675件だった。 石油販売業界では昨年1月に施行された改正独占禁止法への期待から、同月から3月にかけて不当廉売申告が急増した結果、09年度の石油製品への「注意」は956件と前年度の2倍に跳ね上がった。しかし、法改正の目玉である課徴金の適用事例もなく、改正への期待が薄れたことから申告件数も減少したとみられる。前年度に1件あった「警告」も、10年度はなかった。
 



 

 
東北支部総会・被災3石油組合に全国からの義援金贈呈
 (6月3日付)
 
 全石連東北支部(根本一彌支部長)は6月1日、山形市で総会を開催した。席上、東日本大震災で甚大な被害を受けた福島、宮城、岩手の3石油組合に対して、全国から全石連に寄せられた義援金の贈呈が行われた。総会には来賓として全石連の関正夫会長、河本博隆副会長・専務理事らが出席、義援金は関会長から3県に手渡された。
 総会に先立ち大震災による物故者と行方不明者10人に対して黙祷を捧げた。根本支部長は大震災の被災状況、各県組合や全石連の災害対応などについて触れ「各県の理事長、役員、組合員の皆様のご苦労に対して敬意を表し改めて感謝します」とあいさつ。給油所、石油の重要性の再認識について「石油、ガソリンスタンドは国民性生活に直結したもので、地域社会に欠かせないことが証明された。これを機会に地方自治体、国の中小企業対策、エネルギー対策、防災対策などさまざまな点で次世代の給油所を地域社会といっしょに作り上げるための努力が必要」と述べた。
 関会長はあいさつで「太陽光や燃料電池まで開発するようになってきており、自動車のハイブリッド車だけでもガソリン需要が減るだろう。3・11大震災後、日本は本当に変わっていかなければならないといわれている。世の中の変化で我々の石油業界はどう変わっていくのかを全石連も東北の皆さんも考えながらの明日の姿が必要」と述べた。
 議事では今年度の支部賦課金について、大震災で多くの給油所が被災し、各県の組合財政への影響が必至のため、通常の2分の1に減額することを了承した。
 
被災した福島の根本理事長(左)に義援金を手渡す関会長

 

 
震災復興補助「遡及」適用へ
 (6月3日付)
 
 東日本大震災の復興費用を盛り込んだ今年度1次補正予算で措置された被災給油所の補修や撤去、安全点検などの補助事業について、すでに実施した事業についても遡って適用されることになった。緊急避難的に行われた給油所の設備補修の工事などが震災直後から被災地における石油製品の安定供給の確保に必要不可欠であったことから、例外的な取扱として認められることになったもの。
 具体的には、被災した給油所設備の補修費用を補助する「給油所設備補修等事業」、損壊した給油所などの撤去費用を補助する「損壊給油所撤去事業」、気密漏えい検査の安全点検を補助する「給油設備安全点検支援事業」の3事業については3月11日以降にまで遡って適用される。ポータブル計量器やタンクコンテナなどを用いた簡易給油所の設置を支援する「被災地域簡易給油所設置支援補助事業」については、4月15日以降にまで遡って適用される。
 国の補助事業として、すでに実施した補修工事などを対象とすることについては、一般的には遡及適用が難しいと指摘されていた。しかし、3月11日の震災発生直後から、東北地方を中心とした被災地では、供給支障によって、石油製品不足に陥ったため、国や自治体、消防などからの要請で、緊急避難的に補修工事を行うなどして、多くの給油所が安定供給に懸命に取り組んだ。 全石連ではこうした実態を踏まえて、関正夫会長のほか河本博隆副会長・専務理事、宮城・佐藤義信理事長らが先月末、櫻井充財務副大臣を訪ね遡及適用を要望したほか、民主党の増子輝彦中小企業政策推進議連会長や吉田おさむ衆議院災害対策特別委員長らにも要望活動を行った。