2011年4月


 
震災復旧へ給油所向け関連111億円を1次補正予算で措置
 (4月25日付)
 
政府は4月22日の閣議で東日本大震災の復旧費用を盛り込んだ2011年度1次補正予算案の概要を決定した。石油などエネルギー供給施設の復旧支援には166億円、このうちSS向けには111億円を措置する。今回の1次補正では被災地SSの早期復旧や資金繰り対策が中心となっており、被災地SSの早期立ち上げを促していくことで石油製品の安定供給を確保し被災地の復興を後押しする。1次補正予算は28日に国会に提出、大型連休明け前の早期成立を目指す。
 具体的には地震や津波によって営業不能になったSSが復旧するまでの間、仮営業のためのポータブル計量器の設置など簡易SSを設置する予算として5億円を計上したほか、被災地SSの早期復旧を目指し損壊したタンクなどの補修(約500ヵ所)や全壊したSSの撤去、再開時の安全点検(約1,500ヵ所)を支援する費用として46億円を措置した。
 また、被災し経営存続が困難になっている石油販売業者の金融支援として51億円を計上。運転資金について信用保証(100%)枠を創設し資金繰りに万全を期す。
 一方、国の要請に基づき通常の信用取引が困難な被災地域にあるSSに元売各社が石油製品供給を行うことによる貸し倒れリスクを補完するため、9億円を措置する。 このほか、地震・津波で被災地への石油製品供給の重要拠点となっている元売各社の油槽所機能の早期復旧を図るための予算として20億円も盛り込んだ。
 

  

 
ガソリン高騰時の「トリガー条項」凍結を閣議決定
 (4月22日付)
 
政府は4月19日、ガソリン価格が高騰した場合にガソリン税の旧暫定上乗せ分25.1円と軽油引取税の同17.1円を引き下げる「トリガー条項」について、大震災の復旧及び復興の財源確保と被災地における燃料供給の混乱回避などを理由に一時凍結する法案を閣議決定し、同日、国会に提出した。同法案については野党である自民党も廃止などを求めており成立する見通しだ。
 同条項は、ガソリン価格の全国平均が連続3ヵ月にわたり1リットルあたり160円を超えた場合に、ガソリン税・軽油引取税の「当分の間」税率の旧暫定上乗せ分の適用が停止され、本則税率(ガソリン28.7円、軽油引取税15円)になり、その後、連続3ヵ月にわたり130円を下回った場合は、元の「当分の間」税率に戻るという制度で、全石連と油政連はSS在庫に係る税の還付、店頭での混乱防止策を求めていた。
 政府税制調査会によると、震災で一部製油所が操業を停止し、SSなども全壊や一部損壊などしたことから被災地でのガソリン需給が逼迫、ガソリン価格も高くなっていることから「トリガー条項が発動されると、さらに全国的に燃料需給を逼迫させる」としている。 また、このトリガー条項が発動されると月当たり1,300~1,500億円ほどの税収減となることから、現在の厳しい財政事情の中で、復興のための財源確保の観点からも凍結は必要と判断したという。適用停止の期間は「東日本大震災復旧及び復興の状況等を勘案し別に法律で定める日までの間」としている。
 

  

 
エネ研・エネルギー政策レポート
 (4月20日付)
 
日本エネルギー経済研究所は、3月11日の東日本大震災をきっかけに「動揺するエネルギー政策と今後の選択肢」をテーマに緊急レポートをまとめた。福島第1原子力発電所の事故を受けて、世界各国で「原発が逆風にさらされている」とし、原発を補完する代替エネルギーとして、CO2排出量の少ない天然ガスや再生可能エネルギーの導入に期待がかかるとした。
 福島原発の事故を受けて、ドイツでは旧型7基の稼働を一時的に停止。スイスも新設計画の凍結やイタリアも再開計画を1年間凍結するなどと発表した。アメリカやフランスなど原発導入方針を堅持する国でも、政権内の不協和音や大規模な反対デモが起きるなど、「原発が逆風にさらされている」とし、「今度の原子力導入政策が予定通り進むとは考えにくく、世界全体として代替エネルギーを手当てする必要に迫られる」と指摘した。原発を代替する化石燃料として、CO2排出量の少ない天然ガスと、再生可能エネルギーの利用拡大に期待を寄せた。
 天然ガスの中でも特に「シェールガス」の生産拡大の可能性を示唆。「CO2排出量が石炭の6割程度に止まるシェールガスの供給量は大幅に増える」とし、「原子力の停滞分をガスで補完し、さらに石炭・石油だきの発電設備をガスに置き換えるところまで踏み込めば、CO2排出削減に貢献できる」と提言した。
 シェールガスは岩の層に閉じ込められているガスで、アメリカなどでは膨大な量が埋蔵していたが、掘削が難しく放置されていた。ところが最近の掘削技術の発達で、商業生産の拡大が期待されている。 一方、再生可能エネルギーについては、利用拡大に期待がかかるものの、天然ガスと比べて、コスト面や技術面での制約が多く、長期的に競争力ある、自立したエネルギーに育てるには「志半ば」。導入に拍車をかけるには、総花的な政策ではなく、低コストの技術を優先的に選択するなどの工夫が必要とした。とりわけ日本においては、水力や地熱などの技術開発の必要性をあげた。
 
 

  

 
全石連・復興対策本部が初会合
 (4月15日付)
 
全石連(関正夫会長)は4月13日、関会長を本部長とする東日本大震災復興対策本部会議を石油会館で開催した。関会長は「同業者の復旧・復興に向けてしっかり取り組んでいかなければならない」と述べ、「被災石油販売業者の支援を今年度の最重要課題として、全石連を中心に組織一丸となって推進していく」方針を打ち出した。東日本全域に未曾有の被害をもたらした今回の大震災によって、電気や都市ガスなどが寸断される中で、石油や給油所が災害に強いことが改めて証明されたことから、ライフラインの“最後の砦”として機能した給油所の復旧・復興に向けた政策支援の強化・拡充や、石油をエネルギー政策の基盤に据えることを政府・与党などに強く求めていくことを決めた。
 関会長は会議に先立ち、正副会長・支部長・部会長とともに東日本大震災の犠牲者に哀悼の意を表し、黙祷を捧げた。
 続いて、河本博隆副本部長(副会長・専務理事)が最新の被災状況と支援要望について説明。①被災された石油販売業者の資金繰り対策②被災給油所の復旧・復興支援③消防法タンク規制に係る猶予措置の延長④販売段階における物流機能の強化⑤エネルギー政策の見直し(石油の復権)―の5項目を中心に政府与党・関係省庁などに要望していると述べ、元売各社に対しても被災給油所への代金支払延期措置などを申し入れたことを明らかにした。また、「実際に福島県の被災地に入り、その被害の大きさを目の当たりにして、復旧・復興の考え方が大きく変わった」と述べ、今後も迅速かつ的確に支援要望を行っていく考えを強調した。
 根本一彌副本部長(東北支部長、福島理事長)、佐藤義信委員(宮城理事長)、宮田謙委員(岩手理事長)、宇田川雅明委員(茨城理事長)が被災地の現況について報告。根本副本部長は「石油ほど素晴らしい資源はない。なぜ安売りして販売する必要があるのか」と、石油の重要性を指摘。「40年も経つ原発を壊して新設することやスーパー堤防がムダなどと言ういまの政治家には、危機管理が全くない」と政府の災害対応を強く非難した。
 佐藤委員は「国としてのグランドデザインがない中で、(給油所の復旧・復興などに)予算を組み込んでも意味がないのでは。国の補助金で災害対応型にしながら、営業していなかった給油所もあった」など、支援措置のあり方を問題提起した。
 宮田委員は「残留危険物が復興の妨げになる可能性がある。(地域の復興に向けて)事前申請では間に合わないことがある。事後申請でも支援措置が受けられるようにしてほしい」と、二次災害を防ぐため、漏洩した油や地下タンク内に残る石油製品の適切な処理に向けた補助や、支援措置の柔軟な対応を求めた。
 宇田川委員は「県なども最近では安いところから買うという流れになってきているが、いざ震災で供給に支障が出てくると地場業者を頼ってくる。国や県の要請で我々は優先的に緊急車両向けに供給しなければならず、一般のお客様にご迷惑をおかけした。緊急車両向けのタンクやインフラ整備を県や国も考えてほしい」と訴えた。
 さらに、関会長も「物流体制に余裕がなくなったために、供給に支障を来たした」と指摘、そのほか「いざという時のために地場SSでの供給を担保していく必要がある」、「自らも被災したSSスタッフが不眠不休で手に血豆を作りながら、ライフラインを守った」など、緊急時を想定した石油供給インフラ体制を整備していくことが必要と提言した。
 
被災地のSS復興に全力を尽くすことを確認した

  

 
石油ストーブ販売、2年連続で前年上回る
 (4月11日付)
 
経済産業省が先ごろ発表した生産動態統計によると2010年(1~12月)の石油ストーブの販売台数は前年比3.5%増(16万台増)の431万台となった。昨シーズンの灯油商戦終盤となる1~2月に販売台数が増えたほか、今シーズン需要期に入る10~11月にも増加した。年間を通じて堅調に推移し09年から2年連続で前年実績を上回るなど今後の灯油需要の盛り上がりに期待が集まる結果となった。また、停電の際にも暖が採れる石油ストーブは山陰豪雪や東日本大震災により煮炊き・湯沸しもできるなど再評価されてきており、「灯油復権・石油ストーブ復権」につながる期待も出ている。
 過去10年間の推移を見ると01年には741万台を記録したがその後は減少、05年には強い寒波の襲来によって一時的に盛り返したが右肩下がりで減少し続けた。特に、08年7月にWTIが147ドルの最高値を記録し07~08年は原油急騰によって灯油の小売価格が急上昇、石油ストーブの大きなメリットである電気やガスなど他エネルギーに比べた『低廉なエネルギーコスト』が失われ販売台数を大幅に後退させる要因となった。その後の原油急落で小売価格も大幅に値下がりし、石油ストーブの販売も2年連続で前年を上回るなど復調の兆しを見せ始めている。現在、上昇局面にある原油価格動向が気にかかるところだ。 ここ2年間の販売台数増は優れた暖房性能や低廉なエネルギーコストなど暖房機器としての優位性が徐々に見直され始めている兆候とも言え、“灯油復権”に向けた石油業界を挙げた普及活動の強化に期待が集まっている。一方で10年程度をサイクルとした買い替え需要を考慮するとこの2年間の販売台数の伸びは小さく、この10年間で310万台あまりの機器需要が消失した格好となっている。電気やガスなど他エネルギーへの転換もじわじわと進んでいる。
 
 
 

  

 
長野・岡谷諏訪支部が福島・いわき支部に“義援灯油”
 (4月11日付)
 
長野県石油組合岡谷諏訪支部(朝倉祐一支部長)は4月7日、被災した福島県いわき市に、「被災地のために」と支部組合員から寄贈された“義援灯油”13klを送り届けた。同支部が掲げた「まけるな東北、がんばれ関東、こころはひとつ」の合言葉を胸に、支部代表の14人が現地に向かい、避難施設を含む4ヵ所に直接灯油を配送・寄贈した。支部所属の31組合員の被災地復興を願う気持ちが「一つのかたちになった」。
 同支部では3月14日に“いま被災地の人たちに我々ができることはなにか”をテーマに緊急役員会を開催、「我々には灯油、ローリー、危険物取扱責任者の3要素がそろっている。被災地では寒さに凍え身を寄せ合っている姿が伝えられている。今できることの最優先は灯油を届けること」との結論に達し、被災地に灯油を届ける意向を長野県石油組合(渡邉一正理事長)に伝えた。
 その後、石油組合事務局を通じ「福島県石油組合いわき支部に届けてほしい」との連絡が入る。納入先が決まったことで支部組合員に意向調査を実施し、提供できる灯油の量やローリーを出せるかどうかなどを確認。灯油13kl、ローリー4台を確保し、車両前後に「支援物資輸送中」のステッカーを貼り7日早朝には現地に出発。いわき支部の2販売業者のほか、原発事故により避難している楢葉町災害対策本部のある小学校、津波被害者が避難する高校にそれぞれ灯油を届けた。
 この“義援灯油”に、避難を続ける楢葉町職員は、「このところ日中は暖かくなってきたが朝晩はまだ冷え込む。当面の灯油が確保できたのでとても助かった」と感謝の言葉を述べた。
 また、現地で納入先への道案内を務めた福島県石油組合いわき支部の松原行一支部長も「燃料の供給もこの2~3日前にようやく改善してきたところ。避難所に直接納入できたのでとても助かった。個々の組合員が少しずつ分けてくれたと聞きとても驚いている。我々の支部が同じことをできるかどうかわからない。ありがたいし頭が下がる思い」と感謝していた。

支部組合員の心のこもった“義援灯油”が被災施設に直送された

  

 
全石連復興本部、被災地を視察し情報収集
 (4月8日付)
 
東日本大震災における被災状況を実態把握する目的から、全石連・東日本大震災復興本部(本部長=関正夫全石連会長)の副本部長の河本博隆副会長・専務理事は4月6日、福島県の被災給油所などを視察し情報収集活動を実施した。
 今回の実態把握は、今後、被災した給油所インフラの復旧・復興対策に対する支援措置を政治、行政などに要望するうえで、「現地の声を反映させていくことが重要」という判断で実施したもので、地震・津波に加え原発事故の影響が続く福島県沿岸を皮切りに行った。
 当日は河本副本部長と同じく副本部長の根本一彌福島県石油組合理事長が津波被害の大きかったいわき市を訪問。関彰商事の島田茂東北支店長の同行のもと、被災給油所の経営者から直接話を聞くとともに、油槽所を持ち現地の燃料供給拠点である小名浜石油を訪問し、震災時の状況について意見交換した。この後に福島市の石油会館を訪問し、震災後、公共施設などへの石油製品のあっせん事業などに不眠不休の状態で尽力をする石商事務局を激励し、今後はさらに組合員給油所の復旧・復興に向け全力を上げることを改めて決意した。
 

全石連・復興本部として福島県石油組合を激励した


 

 

 
被災給油所の復旧・復興へ対策本部
 (4月4日付)
 
全石連は東日本大震災で被災された石油販売業者の復旧・復興を支援するため、全石連・組合組織一丸となって取り組む。平成23年度の最重要課題とし、復旧・復興対策を総力体制で推進していくため、関正夫会長を本部長とする「東日本大震災復興対策本部」を設置する。根本一彌副会長・東北支部長と河本博隆副会長・専務理事を副本部長とし、宮城、岩手、茨城(被災地区)の各理事長、全石連副会長、支部長、部会長の16人で構成する。
 復興対策本部の活動方針として、政府・与党などに対して、被災した石油販売業者の復旧・復興支援を要望する。主な要望事項で①被災された石油販売業者の当面の資金繰り対策②被災給油所の復旧・復興のための支援③消防法タンク規制に係る猶予期間の延長④販売段階における物流機能の強化⑤エネルギー政策の見直し(石油の復権)―を早急に推進する。引き続き、被災販売業者の復旧・復興に向けた支援策の検討、政府・与党などに対する支援要請などを適宜行っていく。
 13日に全石連正副会長・支部長・部会長会議と合同開催での初会合を開く。 すでに先行して30日から被災事業者・給油所に対する支払猶予を元売各社に求める歴訪に入っており、今後は組織の総力をあげて要望事項の早期実現を目指す体制で臨む。
 

 

 

 
被災給油所代金支払い猶予など元売訪問で要請
 (4月1日付)
 

東日本大震災に対する緊急対策の一環として、全石連は3月30日から元売歴訪をスタートした。30日は河本博隆副会長・専務理事が歴訪第一弾として、出光興産を訪れ今回の大震災における被災給油所に対する代金支払延期措置など猶予策の実施を要望したほか、被災地における燃料供給体制のあり方について意見交換した。
 河本副会長・専務理事は、「未曾有の大災害であり原発事故も重なり、復旧作業もまだ本格的な段階には、ほど遠い状態で被災地は壊滅的な事態に陥っている」などとして被災した給油所への支援を要請した。
 一方、出光からは中野和久社長、関大輔執行役員需給部長、松井弘志執行役員販売部長が同席し、「被災地では手回しポンプで給油対応する給油所もあり、最前線の現場が精一杯に頑張っていることは認識している。また、被災地への燃料供給体制については、石油連盟と全石連が連絡体制をより緊密化し対応していく必要がある」などと述べた。

 


被災給油所支援で元売歴訪スタート(左側中央が出光・中野社長)