2011月3月


 
民主党合同部門会議で被災地での供給努力訴え
 (3月25日付)
 

 民主党は3月22日、経済産業・国土交通合同部門会議を開き、11日に発生した東日本大震災後の石油製品の需給などについて、全石連(関正夫会長)や石油連盟(天坊昭彦会長)にヒアリングを行った。関会長は「この10日間、我々小売業者は一生懸命に努力してきた」と、地震やその後の津波で多くのSSが被災する中で、石油製品の安定供給に懸命に取り組んできたことを強調。そのうえ、福島県の原発事故などで風評被害が出ており、SSでの石油製品供給に支障が出ていると問題提起した。天坊会長は、関東地区の製油所が再稼働し、東北地方の一部油槽所でも出荷を再開するなど、「東北地区への出荷状況は大幅に改善している」と強調、引き続き「石油製品供給に最大限の努力をしていく」と述べた。
 関会長は冒頭、「このたびの大地震で被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げたい」と、被災地や被災者に対して哀悼の意を表した。また、「小売業としてのあり方を十分に考え直す時期にあると強く感じている。消費者・住民の方々との信頼関係を作っていくことが大切だと思っている。この10日間、我々小売業者は一生懸命に努力してきた」と、被災地などへの安定供給に昼夜問わず尽力していることを訴えた。一方で、風評被害で石油製品供給に支障が出ていると指摘した。
 また、河本博隆副会長・専務理事は「約3,000SSが地震や津波で被災した」と、SSの被害状況を説明。その中で、「被災者が被災者のために頑張っている」と、自らが被災であるSS従業員が、避難所への供給に懸命に取り組んでいる仙台市の厳しい現状や、原発事故による風評被害が出ている福島県の事例などを説明した。さらに、今後、被災地の復興に重要な役割を果たしていくSSの政策支援として、①資金繰り対策の強化・拡充、②被災したSSの復旧支援、③消防法タンク規制に係る猶予期間の延長、④SSなど販売段階における物流機能の強化、⑤石油の復権に向けたエネルギー政策の見直し―を要望した。
 出席議員からは、「栃木の石油組合のみなさんに、透析患者さんを迎えに行く車の燃料供給に対しご協力いただいた。この場をお借りしてお礼を申し上げたい」と述べた一方で、便乗値上げと疑われるような事例が出てきていることに疑問が呈された。また、「一般市民への供給が不足している」、「緊急車両に給油することが、新たないさかいのもとになってきている。スムーズなシステム作りが必要」など、被災地などへの一刻も早い供給体制の構築を求めた。
 便乗値上げが疑われる事例があることに対し、関会長は「我々は正直に商売していくことが重要と考えている」と訴え、河本副会長・専務理事は「渋滞が発生するために、従業員やアルバイト、警備員まで出さなくてはならなくなっている。さらに洗車などの収益がなくなりガソリンだけ。ほとんどのSSが赤字。決して儲けようとしているわけではない」と、多くのSSが厳しい経営状態で営業を続けていることを訴えた。

 

民主党部門会議で石油供給についてヒアリング

 

 
東日本大震災発生で過去最大の被害
 (3月14日付)
 
 3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による石油関連への被害は、沿岸地域を中心に、東北、関東の全域に及んでいる模様で、地震規模と同様に、過去最大の被災規模となることが確実な情勢だ。震度6弱以上の市区町村に所在するSSは、震度7を記録した宮城県栗原市の44ヵ所をはじめ、8県103市区町村の2,853SSに達し、停電による営業支障に加えて、SSの直接被害も相当数に及ぶものと見られる。製油所でも火災が発生したJX・仙台、コスモ・千葉を含め、全国の精製能力の約50%に相当する11製油所(精製能力日量約240万バレル)が、出荷を含めた影響を受けた。油槽所の多くも陸上出荷を見合わせ、12日まで津波警報の影響で、海上出荷がほぼ全停止状態となった。
 震度6以上の地域に属するSSは、岩手は7市町村の236ヵ所(登録数の35.4%)、宮城は27市区町村の621ヵ所(76.1%)、福島は30市町村の639ヵ所(60.9%)、茨城は32町村の867ヵ所(56.3%)、栃木は9市町の378ヵ所(38.9%)、千葉は2市の73ヵ所(4.4%)、埼玉は1町の3ヵ所(0.2%)、群馬は1市の36ヵ所(2.3%)。宮城では4分の3、福島、茨城では過半数を超える。
 対策本部を設けた全石連には、11日夕刻から被災自治体から「医療機関の発電機用A重油が底を着いている」との供給要請が届くなど、公共設備の給湯・発電用A重油や軽油を求める要請が寄せられたほか、福島県内SSからは在庫切れの報が相次ぎ、資源エネルギー庁石油流通課と情報を共有するなどした。
 

  

 
自宅外の充電拠点としてSSに期待感
   ~JX・EV急速充電サービス関連事業実証結果
 (3月4日付)
 

 JX日鉱日石エネルギーはこのほど、SSでの電気自動車(EV)充電サービスを核に、太陽光発電による電力供給、カーシェアリングサービスの提供、カーナビを活用した充電器設置情報・充電空き情報の提供といった急速充電サービス関連事業に関する実証結果をまとめた。それによると、個人モニターにEVを無償貸与し、充電利用状況を検証したところ、家庭での充電が6割以上を占めたものの、自宅外の充電拠点としてSSに対する期待が高いことがわかった。また、SSでのEVカーシェアリング事業も、「有人拠点」「車の専門家」という強みを活かし、新たなビジネス展開の可能性があるとした。
 資源エネルギー庁の電気自動車普及環境整備実証事業の委託事業の一環として実施したもので、22SS(東京9、神奈川10、青森・岡山・福岡各1)に急速充電器を設置。主婦層を中心に個人モニターを募り、20台のEVを無償貸与し、料金体系のあり方や充電中のカーケアサービスの評価・検証を行った。また、SSの近隣から募ったユーザーにEVを無償で貸し出し、EVカーシェアリングの利用意向などについて調査した。
 モニター調査によると、家庭での充電が6割以上を占めたが、「家庭充電は不便」、「時間的ロスがある」、「遠出の際に出先での急速充電は必要」などとし、自宅外の有力な充電拠点としてSSに対する期待が大きいことがわかった(グラフ参照)。また、充電サービス拠点については、EVの航続距離の短さから、「10km圏内に1ヵ所よりも高い密度で配置する」ことで、ユーザーにとってより安心感、利便性を提供できるとした。
 一方、急速充電サービスに対する課金形態としては、月額固定制がユーザーにとって受け入れやすいものとして今後の有力な選択肢であるとした。料金レベルとして現在のガソリン代(全国平均7,800円)よりも高くない、5,000円程度が受け入れ可能なレベルとして示された。
 このほか、EV関連の付加サービスとして、「カーナビなどによる急速充電器の位置情報・充電空き情報の提供」や「充電の待ち時間を有効活用できる機能の提供」など、多様な付加サービスをパッケージ化することで新しいビジネスモデルが構築できる可能性があると結論付けた。