2011月2月


 
ガソリン税「トリガー発動」は原油130ドル超目安
 (2月25日付)
 

原油が100ドルを超えさらに上昇する中、ガソリン価格の異常な高騰時に適用する「課税停止制度」=いわゆるトリガー条項の発動がちらつき始めた。本紙の試算(表参照)によると、3ヵ月連続してガソリンが1リットルあたり160円を超える「発動」に関しては、現為替及びコスト粗利構造を前提にすると、原油130ドルが「発動」の目安となる。
 トリガー条項に関するガソリン小売価格ベースの総務省81都市調査の近況は1月時点で136.7円(消費税込み)。このベースとなった原油は中東産9ドルであり、現在の105ドルでのガソリン小売価格の理論値は145円となるが、実勢は6~7円、原油見合いでロス(精製元売卸粗利の悪化、SSの小売粗利悪化の総合計)している。
 これらを回収したうえで、160円小売価格が出現するのは132~3ドルという試算となり、130ドル超えに対応したガソリン小売価格が3ヵ月連続すると、25.1円の本則税率を上回る部分の課税措置が停止される。ぎりぎり160円だった場合は、理論値134円に下落、この状態で130円を3ヵ月連続で下回ると「停止」され、129円の場合の理論値156円台に上昇する。
 こうした局面の事前にロス回収を完全完了することが、元売、SSの経営を左右する。

 

 

 

 
関東支部・品質確保の"砦"千葉試験センターを視察
 (2月23日付け)
 

全石連関東支部(森洋支部長)は2月18日、千葉県千葉市の品質試験室・千葉試験センターの視察を行い、全国石油協会が実施する石油製品の末端流通段階での品質管理体制の重要性を改めて強く認識した。
 視察には1都10県の石油組合の理事長らが参加し、石油製品の品質確保の"砦"である同試験室・センターの品質管理事業の実態をつぶさに視察したほか、具体的な試験方法などについて詳しく説明を受けた。品質試験の実態を間近で初めて見るという役員も多く、協会の高度な品質分析手法に強い関心を示すとともに、その信頼性を確認した。
 石油協会では、年間約27万本にも及ぶ石油製品サンプルを迅速かつ正確に分析していくために、従来からある試験方法では膨大な時間とばく大なコストがかかることから、世界初のスクリーニング(選別、振り分け)手法を確立し、試験手法の合理化・効率化に取り組んでいることを説明した。
 視察した役員の間からは、「石油製品の品質確保に向けて、様々な角度から詳細な分析を行っていることに対して、認識を新たにした」(森支部長、神奈川県石油組合理事長)、「非常に高度な試験設備を使い、詳細な分析を行っていることに驚いた」(宇田川雅明副支部長、茨城県石油組合理事長)、「品質分析事業の現状について、いろいろな説明を聞いて、その重要性を理解した。粗悪品の流通を抑止する効果もあるだろう」(浜田忠博副支部長、新潟県石油組合理事長)と、流通段階での品質分析の重要性を指摘した。
 こうした試験センター視察の動きが、今後、他の支部でも広がっていくことが望まれている。
 

高度な品質試験手法に関心を示す関東支部役員

 

 

 
公取委幹部に差別対価など不公正取引の実態解明求める
 (2月11日付け)
 

全石連の西尾恒太副会長・政策環境部会長、中村彰一郎副会長・経営部会長、河本博隆副会長・専務理事、亀井喜久雄政策環境副部会長、油政連の森洋会長は2月9日に公正取引委員会を訪問、野口文雄取引部長、山田弘取引企画課長ら幹部に公正競争の実現を改めて要望した。全石連からは、昨今の市場で著しい業転格差が発生し、業界の大勢を占める系列中小石油販売業は窮地に陥っており、背景には元売による不当な差別対価や優越的な地位の濫用などの不公正取引があると指摘し、実態解明を求めた。不当廉売に関してもクロ、シロの判断基準を明確化するため標準原価基準の設定などを訴えた。これに対し公取委は業界実態に理解は示したうえで、「継続協議したい」と回答した。
 昨年の改正独占禁止法で不当廉売、差別対価、優越的地位の濫用などの不公正取引に関して課徴金制度が導入されたが、業界実態は改善しないどころか、業転格差の拡大などを背景に混乱が増している状態。今回はこうした実態を公取委幹部に直接説明し、問題解消に向け協力要請したもの。
 全石連は「新仕切り体系後、透明化が進み、業転も他社の系列仕切りも概ねわかるようになった。それを踏まえ原価割れの疑いがあるとして申告したが、効果が上がらず業界として落胆している」とし、不当廉売申告への厳格な対処を求める一方、"注意"以下の判定しか出ない背景には、不当な差別対価や優越的な地位の濫用などの要因が複雑に絡まっている可能性があるとし、実態解明の必要があるとした。 さらに「かつて系列卸はコスト連動だったが、現在は業転と系列とも市場連動で決まり、恒常的に大きな価格差(差別対価)が発生し、系列SSは著しい劣勢にある。一方、元売はここ数年で販売子会社のシェアを高め、我々が市場から排除されても、十分な受け皿機能を有してきており、交渉の余地がない」、「大手異業種SSは系列仕切り以下で小売販売し、同一市場において競争にならない。いわゆるブランド料の問題もあって業転格差は4~8円に達する。小売口銭が10円レベルで推移する中、負担は過重。現状の系列仕切りは優越的な地位にある元売が小売市場の情勢は鑑みず一方的に通知しており問題」、「独禁法に中小企業を含めた弱者保護という視点はないのか見解を聞きたい。中小零例の弱者にしわ寄せが大きい」などと訴えた。


全石連幹部の実態説明を聞く公取委幹部(左手前から山田課長、野口取引部長)


 


 
◆エネ研・エジプト危機の国際エネルギー情勢への影響を分析
 (2月7日付)
 

日本エネルギー経済研究所はこのほど、エジプトで拡大している反政府デモの拡大が、国際エネルギー情勢に与える影響について、特別速報レポートを発表した。欧州と中東を結ぶ石油輸送路の要所となっているエジプトでの騒乱が、現状では、石油輸送に影響を及ぼす事態には陥っていないものの、将来起こるかもしれない供給懸念への思惑によって、先物市場が反応し、原油価格がさらに上値を目指す展開になる可能性を示唆。「今後の影響を注視していくことが必要」と警鐘を鳴らした。
 エジプトは2009年の石油生産量が日量74万(世界シェア0.9%)、ガス生産量627億立方メートル(同2.1%)と、生産国としての重みは大きくない。しかし、石油通行量が09年で日量180万バレルに上るスエズ運河や、エジプト領内を通過し紅海と地中海をつなぎ、欧州へと110万バレルを輸送するSUMEDパイプラインなど、欧州と中東を結ぶ石油輸送の要所になっていることを指摘。現時点では、この騒乱による石油輸送への影響はないものの、石油価格形成の中心となっている先物市場では、将来起こるかもしれない供給懸念への思惑が影響を及ぼし、「特に欧州市場にとっての供給懸念が市場に発生しやすくなっている」とした。
 また、アラブ最大の人口8,000万人強を有し、中東和平の仲介役にもなってきた同国での騒乱が、今後、中東産油国に飛び火した場合の影響についても示唆。世界の石油供給に占める中東産油国の重要性から、「供給不安という将来への懸念を織り込んで原油価格が動いている」と分析した。1月31日には、WTI原油が前日比2.85ドルの大幅上昇で92.19ドルと08年10月以来の高値を記録したほか、欧州の指標原油ブレントの先物価格が101.01ドルと、100ドルの大台を突破した。「仮に、供給支障が現実化するような動きが出てくれば、原油価格がさらに上値を目指す展開になろう」との予測を示した。
 逆に、「政治的な混乱は続くにせよ、石油供給支障の可能性が小さい、といった見方が広まる場合、上ぶれした価格上昇分が剥がれ落ちる可能性もある」と、価格高騰から一転、急落に転じるなど、「価格変動リスクが高まる」との懸念も示した。 


  

 
◆中東産原油も100ドル再来へ
 (2月4日付)
 
2月3日の東京・中東産原油(ドバイ原油とオマーン原油の平均価格)は、国内向け現物指標となる3月限が1バレルあたり99・50ドル、期先7月限は100.35ドルまで上昇、欧州指標のブレント原油に続いて100ドル原油時代が再来した。
 世界指標とされていた米国WTI原油が90ドル台前半に停滞する中、エジプト情勢など中東情勢を反映して、欧州指標のブレントが2月1日に100ドルを超え、アジア指標のドバイとオマーンも今週は上昇の一途をたどっている。原油高に連動して、製品卸価格の先行指標となる先物も続伸、3日には3月限ガソリンが61円前後(ガソリン税別)、灯油も66円前後と最近の高値を更新した。
 小幅続落で値上がりが小休止した格好の仕切りコストも、「原油高はいずれ反映されるだろう」と先高見通しが強まっている。ただ「荷動きが鈍いガソリンは上昇圧力が弱くなりそう」との見方も出ており、「ガソリンと灯油は在庫が両極端に触れているため、灯油の需給に比重を置けば、ガソリンは減産しにくい情勢」という。
 一方の小売市場は、激戦地を中心に、早くも原油高の転嫁途上で腰折れ症状が出現しており、これらの地域では、さらに転嫁不足が拡大する懸念が出ている。