2010年12月


全石連・灯油復権へ専門委新設
 (12月8日付)
 

 全石連は12月3日に経営部会(中村彰一郎部会長)を開き、灯油拡販対策をテーマとする講演などを交え、灯油販売の現状と課題などについて意見交換し検討の必要性を確認、新たに専門委員会「灯油増販PT・仮称」を設立することにした。
 講演会では、JX日鉱日石エネルギーの河西隆英ホームエネルギー部長が、給湯器市場における現状について、電気給湯器(エコキュート)を軸にオール電化の大々的なPR活動を展開する電気業界と、そのオール電化の攻勢に対し、ガス給湯機器(エコジョーズなど)に太陽光発電を絡めた対抗策を打ちながら、灯油からガスへの燃料転換を促す活発なセールス活動対策を講じるガス業界の活動を紹介。こうした両業界の給湯器需要争奪へ向けた積極的な動きにより、09年度の石油給湯器の市場シェア12%が、15年度には9%に落ち込む一方、電気は8%から15%へと倍増する見通しを示した。
 「灯油内需のピークは02年度の3,000万㌔㍑。これが09年度には2,000万㌔㍑まで減少。現状のまま推移すると、15年度には1,400万㌔㍑と13年間で需要が半減。給湯器にはホームタンクが関係するため、給湯器がなくなることは、それとともに暖房需要の喪失も伴う。その場合、給湯需要360万㌔に加え、暖房需要の140万㌔の計約500万㌔㍑の需要が失われる」と、先行きの灯油需要の喪失に懸念を示した。
 こうした状況を踏まえ、灯油需要を守るためには、電気・ガス販売業者が、燃料を売るために機器販売に注力しているように、石油販売業者も機器販売に乗り出す必要性を強調。灯油のコスト、二酸化炭素排出係数における電気、ガスとの比較優位性を打ち出し、高効率石油給湯器(エコフィール)など石油機器の販売促進に元売、関係団体が連携、灯油復権へ向けたPR活動などに取り組む必要性を呼びかけた。
 委員の間からは、「メーカーはもっと宣伝をしてほしい」、「地方では行政側から、高齢者世帯への配達を依頼されるケースもある」などの声も出され、これを受け部会としても、新たに「灯油増販PT」を立ち上げる方向で検討することにし、委員長には、長野の渡邊一正理事長が就任することになった。同PTの初会合は16日にも行われる予定。

灯油需要や販売の現状などについて講演を交えながら、意見交換した全石連・経営部会

 

 
エネ庁・過疎地研が始動
 (12月3日付)
 

 資源エネルギー庁石油流通課は11月30日に開いた「石油製品供給不安地域におけるリスク評価分析等に関する研究会」の初会合を開き、石油製品の安定供給に支障を来たすSS過疎地の要因とリスク分析手法の確立に着手した。過去のSSの撤退要因や撤退による地域経済・住民への影響を調査・分析し、将来的な安定供給モデル案の策定を目指す。会合に先立ち中村稔課長は、「(SS過疎地問題は)“総力戦”で立ち向かっていかなければならない」と、供給不安要因の解消に向けて、国・自治体、石油業界、地域住民の三位一体の取り組みが不可欠と訴えた。
 今回の調査では、過去の事例からSSの撤退要因について調査するとともに、SSの撤退によって、地域に発生する石油製品の安定供給へのリスクを分析し、リスク解消に向けた安定供給モデル案の策定につなげていく。
 会合では、SSが撤退に至る要因のほか、地域に与えるリスクが農村地域や寒冷地などの地域特性や、「高齢者世帯が多い」、「自動車保有率が高い」などといった地域事情によっても大きく異なってくると指摘。それによって、対応策も異なってくるため、きめ細かな調査分析手法の確立が必要との認識で一致した。
 また、SS過疎化による供給不安の解消に向けては、国・自治体、石油業界、地域住民など、地域ぐるみで問題意識を共有し、課題解決に取り組んでいくことが必要と指摘した。 

石油製品の安定供給に支障を来たすSS過疎地の要因とリスク分析手法の確立に着手する「石油製品供給不安地域におけるリスク評価分析等に関する研究会」