2010年9月



後絶たぬ給油所荒らし
 (9月29日付)
 
 依然として後を絶たない給油所を狙った盗難・強盗事件。近年では被害額も高額化している。被害を受けた給油所は金銭面のみならず、計量機やつり銭機などを破壊され、営業に支障来たす事例も目立っている。経営を取り巻く環境が厳しさを増すなか、盗難・強盗による損害は給油所の健全経営の大きな足かせとなる。給油所の防犯・損害対策を徹底を図っていくことが求められている。
 盗難事件の多くは、給油所の閉店後、ドアや窓のガラスを破壊して侵入するものだが、近年では建物の外壁に重機で穴を空けて金庫ごと持ち去るなど、手荒い犯行も頻発している。また、多額の売上金を狙って24時間営業のセルフ給油所が襲われる事件も増えている。来店客が少なくなる夜間・早朝の時間帯に給油客を装って来店し、「つり銭機を破壊して中の現金を奪う」「一人が車の点検を依頼するなどして給油所スタッフを事務所から引き離している間に仲間が売上金を持ち去る」「いきなりナイフなどでスタッフを脅して現金を奪い取る」など、事故例は様々で、被害金額は平均で50万円前後、300万円近い現金を奪われた事例も出ている。
 これらの盗難・強盗リスクを完全になくすことは難しいが、「深夜時間帯には精算機内の現金を少なめにする」「多額の現金を店内に置かない」などの対策が、被害額を最小限に食い止めるために有効となる。
 一方、受けた損害を補填できる保険への加入も有効策の1つであり、全石連でも盗難保険「サービスステーションマネーガード」を斡旋している。企業単位での加入であるため、加入者が運営する全ての給油所での現金盗難事故が補償される。2011年度からは給油所が警備会社の防犯警備サービスを利用している場合、保険料が割り引かれる制度が導入される。
 毎年、加入者の約1割が盗難被害の補償を受けており、現金盗難に備える有効な商品となっている。共済事業の担当者も「給油所の営業形態や現金の管理方法などを再点検して、現金盗難のリスク対策の必要性を感じたのであれば、マネーガードに加入することを提案したい」と勧めている。
 マネーガードに関するお問い合わせは、共同事業グループ(03-3593-5844)まで。
 
現金被害のほか、設備の損害が伴う給油所への強盗。有効な対策が必要だ(写真はイメージ)

 

 


老朽タンク対策支援など全国一丸で要望へ
 (9月17日付)
 
 全石連は9月15日の理事会で、2011年度税制改正要望と予算要望の重点項目を絞り込むとともに、その実現に向けて全国組織一丸で要望活動を実施していく方針を決めた。また、政府行政刷新会議の事業仕分けが10月中旬以降予定されていることから、石油販売業界関連の補助制度が中小企業が必要不可欠であることを政府・与党に訴え、理解を得ていく方針を確認した。
 先立って行われた正副会長会議には経済産業省・資源エネルギー庁の安藤久佳資源・燃料部長が、理事会には中村稔石油流通課長が出席し、先月末に財務省に提出した石油関連の概算要求について説明した。
 こうした予算要求をもとに理事会では、地下タンク規制強化に伴う漏えい防止の支援策の創設や地域エネルギー供給拠点整備事業の継続、さらには給油所の次世代化対応支援事業、石油製品流通網維持強化事業の実現に向けて要望していくこととした。 同時に、2010年5月の事業仕分けで廃止とされた石油情報センターの「石油製品市況調査」について、業界はもとより消費者にとっても公正・中立な第三者機関による客観的な価格調査の必要性を訴えていく方針を決めた。
 税制改正要望では、今後、議論が活発化する「地球温暖化対策税」の導入に反対していくとともに、ガソリン税と軽油引取税の特例上乗せ課税(旧暫定税率の上乗せ課税分)の廃止を訴えていく。同時に、ガソリン税と消費税のタックス・オン・タックスの廃止も訴えることを確認した。
 
正副会長会議であいさつする安藤部長(中央)

 

 


経営部会・卸体系検討へワーキンググループ設置
 (9月13日付)
 
 全石連経営部会は9月10日の会合で、卸価格体系のあり方について検討する経営政策検討ワーキンググループを設置することを決めた。
 元売各社が卸価格体系の再修正を繰り返す中、市場メカニズムを反映した卸価格制度について、販売業界の視点に立って集中議論をすることにしたもの。今年4月以降、ブランド料などの加算額が引上げられ、小売市場において、業転格差が発生し、系列SSがプライベートブランドに対して劣勢になるケースが増え、業界内で不満が高まっていることなどが背景にある。
 また会合ではSS店頭における適正な表示のあり方について依然として不明瞭なものが多いことから議論が起こり、特に一部元売が発行する最新クレジットカードについて「値引き表示の大きさに対し適用条件の表示が著しく小さい」など問題視する意見が相次いだ。

 

 


政策・環境部会「老朽タンク支援予算要求」実現へ運動活発化
 (9月10日付)
 
 全石連は9月8日の政策・環境部会で、経済産業省が2011年度の概算要求項目に盛り込んだ地下タンク規制強化に対する支援措置などの実現に向けて、要望運動を活発化する方針を固めた。また、税制改正についても地球温暖化対策税の導入に反対していくなど重点項目を確認した。
 消防法の省令改正によって給油所の地下タンクの埋設年数などに応じて漏えい防止対策を講じることが義務付けられる。これに対して資源エネルギー庁は、「地下タンク漏えい防止規制対応推進事業」の来年度導入に向けて予算要求しており、全石連として全国組織をあげて、その制度実現を要望していく。これらの方針は来週の理事会に提案する。
 同じく概算要求に盛り込まれた過疎地域における給油所ネットワークの維持に向けた支援制度や、次世代給油所に対応するための人材育成支援制度などの実現も訴えていく。
 また、10年5月の事業仕分けによって「廃止」とされた石油製品市況調査事業(石油情報センターが実施)について、「公立・中立な第三者機関による石油製品調査事業は、便乗値上げや不当廉売など独禁法違反行為を未然に防止するなど、消費者利益の保護に資する」として継続実施を強く求めていくことにした。
 税制改正関係では、新たに地球温暖化対策のための税の導入が持ち上がっていることに対し、「すでに石油諸税総額は今年度税収予算ベースで4兆3,000億円にも達しており、消費者にこれ以上の過重な税負担を求めることには反対」との考え方を固めた。
 また、09年、暫定税率は廃止されたものの、税率維持の方針によって特例上乗せされている課税分についても廃止を求めるほか、この特例上乗せ分の環境税化にも反対する方針を確認した。 
 

 

 


価格サイトの安値上位は子会社、商社系
 (9月6日付)
 

 元売各社の相次ぐ仕切り値下げで、市況下落によるマージン悪化を懸念する声が高まりつつある中で、インターネットのガソリン価格サイトで元売販売子会社給油所や商社系給油所が恒常的に安値上位を占めることが多くなっていたが、9月入りとともに、子会社安値が大きく減少している。ところが価格条件では、プリペイドカードや元売クレジットカードが安値の尖兵と化しており、「過当競争で給油所そのものが生き残れなくなっているのに、元売子会社は依然として安値競争を仕掛けているし、元売政策も給油所粗利を削り取るような商法が幅を利かせている」といった批判が根強い。
 インターネットのガソリン価格比較サイト「gogo.gs」に投稿されている8月23~29日(8月末)、26日~9月2日(9月初旬)までの各1週間の価格表示を元売8社ごとに、安値上位10給油所に再集計した。
 8系列の安値給油所合計80ヵ所のうち、独立系が最多で月末=32給油所、初旬=42給油所でいずれも最多となり、安値給油所における占有率が大きく上昇する一方で、元売子会社は30給油所から19給油所へと大きく減少した。商社は12給油所のまま、フリート6給油所から7給油所へと増えた。9月入りとともに元売子会社給油所の販売姿勢が、相対的に収益指向が強まった傾向がみられる。 元売別での子会社給油所では、JXは3給油所から4給油所へ、コスモも4給油所のままで、この2系列は従前の安値ランキング傾向が続いた状況だが、EMが1給油所からゼロへ、昭和シェルが3給油所から1給油所へ、太陽が7給油所から3給油所へ、三井も8給油所から4給油所へと各減少した。出光は月末、初旬ともにゼロとなっている。
 支払い条件(複数形態あり)では、会員は25給油所、プリカも20給油所のままで、ともに変化なし。現金は26給油所から22給油所へ減少、元売カードは17給油所から18給油所へ増加した。元売別では、プリカはEM、太陽、キグナスの割合が高く、元売カードはコスモ、JX、出光、三井が多い。
 こうした現状に対し、首都圏の特約店幹部からは「過当競争で給油所業界そのものが赤字で生き残れなくなっているのに、元売販社は依然として安値競争を仕掛けている、という感覚が強い。いつになれば“量”から“質”への転換が進むのか。いまのままだと全員が崖の上から突き飛ばされてしまう」と、過当競争の激化に危機感を訴える。

 
 

 

 

 
10月からJX仕切り方式変更
 (9月3日付)
 

 JX日鉱日石エネルギーは10月1日出荷分からガソリンなど4油種の仕切価格体系を変更する。
 今回の変更では、6月から実施していた「後決め」を「先決め」方式に変え、独自の「JX先行指標価格」制度を新たに導入する。この指標は原油、内外製品市況などを勘案して決めるもので、従来の民間機関の現物指標に連動する方式ではないことが特徴。木曜までの直近実勢を踏まえ、適用日直前の金曜に通知することなどは変わらない。また、当面は従来の価格指標連動の後決め方式を併用するが、「将来的にこうした方式は採用しない方向」とされる。取引数量において基本数量に対して設定していた上限・下限の枠は撤廃される。なお、販売関連コストの変更はない。
 最大手JXがこれまでの透明性、検証性、予見性を最大限に重視した仕切り制度からの離脱する可能性が出たことで、2008年10月からスタートした新仕切り体系は大きな転換点を迎える。