2010年8月


環境省・温暖化対策税骨子で「全化石燃料に課税」求める
 (8月27日付)
 
 環境省は8月25日の民主党環境部門会議で「地球温暖化対策のための税」の骨子を公表した。24日に経済産業省が示した石油石炭税の課税強化案と同様に、石油製品や天然ガス、石炭など、すべての化石燃料に幅広く負担を求める案で、経産省と環境省が共管してエネルギー起源のCO2排出抑制対策に充てる方針。税率などは年末までに決め、2011年度から実施する。また、ガソリン税に上乗せされている特例税率は現行の水準を維持し、地球温暖化対策に優先的に充てるよう求める。
 課税対象は原油、ガソリン、軽油、重油、灯油、航空機燃料、天然ガス、LPG、石炭など全ての化石燃料で、これらの輸入者、採取者の段階で課税する。現行の石油石炭税で免税となっている製品原料としてのナフサ、鉄鋼製造用の石炭・コークス、セメント製造用石炭、農林漁業用A重油などは、課税強化後も免税する。
 税率はCO2排出量に応じた負担を求めるが、具体的な税率水準については排出抑制効果、各化石燃料の担税力、国際的なバランスを勘案し、年末までに設定する方針。使途は、エネルギー起源のCO2排出抑制対策に全額を充当するもので、現在、両省が共同で管理しているエネルギー対策特別会計を活用する。名称や歳出の具体的内容なども年末までに決める。
 ガソリン税の暫定税率は廃止されたものの、「当分の間」として上乗せされている特例税率分については、現在の抑制効果を最低限維持する観点から税率をそのまま維持し、名称も変更する考えだ。使途は温暖化対策の歳出・減税に優先的に充てるが、特定財源とはしない方針。 
 
地球温暖化対策税の骨子を示した環境部門会議
 
 
 
民主党・「給油所基盤強化」予算を了承
 (8月25日付)
 

民主党は8月24日、党政策調査会に設置した経済産業部門会議を開き、経産省の来年度概算要求案と税制改正要望案について協議した。石油関係の予算要求では「給油所の経営基盤強化などによる国内石油サプライチェーン維持・強化」を盛り込んだほか、地球温暖化対策のための化石燃料課税の強化に向けた検討を明記。部門会議として基本了承した。両案は30日の同部門会議、経産省産業構造審議会を経て財務省に提出する。
 概算要求では「環境・エネルギー大国戦略」の一環として資源開発の上流部門から石油精製・流通などの中下流部門まで、各段階で取り組みを強化する方針。その中に石油コンビナートの連携や給油所の経営基盤強を明記し、これらの「資源確保・安定供給強化への総合的取組」として2,220億円を要求。今後、個別予算額について固める方針だ。
 一方、税制改正要望では初めて石油石炭税の強化を盛り込んだ。CO2排出抑制対策のうち追加的な財政需要に対応するため石油石炭税の実質増税を要望した。
 そのほか法人税率の実効税率の引き下げをはじめ、石化製品製造用ナフサや鉄鋼、セメントなどの製造用石炭など原料用途免税の恒久化なども求める。
 出席議員からは「09年の事業仕分けで廃止や削減とされたものが、かけ替えで行われているケースがある」との指摘があったが、出席した増子輝彦副大臣は「事業仕分けが行われた事業であっても、国民の安全や安心を考えるとどうしても必要なものがあり、政務三役の責任の下で対応したものもある。ご理解いただきたい」と話した。  

経産省の来年度概算要求などを議論した部門会議 

 

 
エネ庁・次世代モデルの研究着手
 (8月23日付)
 

 資源エネルギー庁石油流通課はこのほど、給油所の経営基盤強化に資する次世代自動車向けの新たなビジネスモデルの策定に向けた調査・研究に着手することを決めた。国内における次世代自動車の普及状況や次世代自動車関連のサービスを展開している国内外の現状を調査する委託先の公募を8月20日から開始。9月中旬にも委託事業者を選定し、調査をスタートさせるとともに、年内にも外部有識者による研究会を立ち上げ、多方面・専門的な視点から給油所の新たなビジネスモデルを提案していく方針だ。2011年2月末を目途に報告書をとりまとめる。
 近年、ハイブリッド自動車(HV)の急速な普及が進む一方、09年7月には電気自動車(EV)の一般販売が始まるなど、次世代自動車の普及に向けた動きが活発化。一方、石油業界では構造的な石油製品の国内需要の減少が見込まれる中で、過当競争の激化などから年間約2千ヵ所もの給油所が淘汰・廃業に追い込まれるなど、市場の安定化とともに、次世代自動車に普及に対応した経営基盤の強化が喫緊の課題となっている。
 09年3月に石油流通課がとりまとめた「次世代給油所のあり方に関する研究会」や今年6月に閣議決定した「エネルギー基本計画」において、給油所を中心とする石油製品販売業は、今後とも「石油のサプライチェーン」の最前線としての役割を担うとともに、次世代自動車の普及などの環境変化にも積極的に対応していく必要性を指摘。こうした現状を踏まえ、給油所が今後、従来の石油製品の供給に加え、次世代自動車向けの燃料供給や付帯サービスを組み合わせた新しいビジネスモデルを構築し、給油所の経営基盤強化を後押ししていくのが狙いだ。
 委託調査では、①国内におけるEVやプラグインハイブリッド自動車(PHV)の2020年までの普及見通し②EV・PHVなどの所有者の給油所の利用状況③次世代自動車関連サービスを展開している給油所の現状―を各調査する。このほか④米国などで展開されているEVを用いたカーシェアリング事業や、スマートグリッド(次世代送電網=ITを駆使して、大規模発電と風力・太陽光の分散型発電など電力供給側と、電力需要側の最適化を図る)とEVの連携など、国内外における次世代自動車を活用した先進的なサービスの現状を調査する。 


 

 
給油所荒らしが急増
 (8月18日付)
 
 警察庁が8月13日まとめた2010年1~7月の全国犯罪統計資料(暫定値)によると、給油所荒らしが09年比で64件増の476件と増えていることがわかった。各地で猛暑が続き、残暑も予想される中、お盆期間が終わり給油所スタッフの夏休み取得も再開されることなどから、運営・管理体制を再チェックして防犯意識の再高揚を図りたい。
 窃盗全体の件数が約8%減った中で、給油所荒らしは逆行した格好。検挙率は窃盗全体の27%に対し、給油所荒らしは30%と若干上回っているが、09年の40%と比べると1割もダウンした。検挙人員数に占める少年比率は窃盗全体、給油所荒らしともに3割弱となっている。 
 

 
 
西日本初 給油所でカーシェア事業
 (8月16日付)
 

 旭油業は8月10日、石油販売業として西日本地域で初のカーシェアリング事業「Sallato(サラッと)」を開始した。「15分130円から利用可能」をセールスポイントに、無駄なく車を使いエコロジーでエコノミーな車社会を給油所が起点となり提案していく。
 カーシェアリングは1台の車を複数の会員が使用することで、維持費などのコストを軽減することを目的にしたもの。スイスが発祥地といわれ、「エコロジーでエコノミーな車社会」を象徴するものとして、都市部消費者などの関心が高い。
 旭油業はカーシェアリングのシステム構築から会員管理までを行うライムオートリース(大阪市)と提携。「サラッと借りてサラッと返す」ことからネーミングされたSallatoで都市部住民や法人にも車の利便性を提供し、新たな需要創出を目指す。システムは会員が携帯電話かパソコンで予約し、発行されるICカードを車両内取付のリーダーにタッチするだけ。24時間使用可能で、給油所がカーシェア事業の起点となることにより、ユーザーはその都度の手続き、駐車料金、燃料給油代、メンテナンスも不要というのが大きな特徴。
 事業展開について西尾淳常務は「7月から大阪市内自社4給油所でカーシェアリングに参加する会員を募集したが、その反響が大きかったことを受け時期を前倒しする形で4給油所を起点としたカーシェア事業を開始した。これにより新規顧客の獲得、他社との新たな連携も可能になる。まず、大阪から新たなビジネスモデルを広げたい」と話している。  

旭油業南森町給油所では隣接する駐車場に車を置き、給油所が車両管理し安心で安全な走行ができることをアピール

 

関東支部・石油流通課へ安値玉の実態解明訴え
 (8月11日付)
 

 全石連関東支部は先ごろ、資源エネルギー庁石油流通課を訪れ、北関東地区や首都圏地区などでの恒常的な市場混乱の元凶となっている安値業転玉の流通実態と供給元の解明を強く求めた。中村稔石油流通課長は、公正な競争環境の整備に向けて、全国50地区を対象にガソリン安値価格の定点調査を7月から実施していることを説明するとともに、同調査に連動して全石連が8月から取り組む価格調査対象地区での安値影響調査の積極的な活用を提言。一方で8月下旬からスタートする元売ヒアリングにも可能な限り反映させていく考えを示した。
 石油流通課を訪れたのは、森洋支部長(神奈川理事長)以下、茂木隆・群馬理事長、村上芳弘・栃木理事長、宇田川雅明・茨城理事長、堀江亮介・千葉理事長、星野進・埼玉理事長、飯田金廣・東京理事長の7人。
 森支部長はこの中で、ホームセンターなどが掲出する安値が拡大することによって、周辺地域の地場給油所が淘汰に追い込まれ、「給油所の過疎化が進み、消費者の利便性や災害時の供給拠点が失われてしまう」と、給油所を中心とした安定供給体制の崩壊につながる恐れを指摘。「安値で販売するところが悪いのではなく、安値で供給する元売に問題がある。月間1~2千キロリットルを販売する先のことをわからないはずがない」と、流通経路の実態解明を強く求めた。
 堀江理事長は「安値が県内に広範囲に低い方へと導かれている」、茂木理事長は「子会社に安値で売らせているのはおかしい」と、採算度外視の安値乱売競争が県内全域に拡大している現状に危機感を訴えた。村上理事長は「同じ製油所で精製されたガソリンが、系列にブランド料を課し、系列外の業転玉にブランド料がかからないのは矛盾している」、飯田理事長も「学識経験者を交えた調査・研究で、現在のガソリンに商標権はないに等しいとの結論を得た」と、ブランド料などが生み出す系列玉と業転玉の格差に、系列内の不満や不信感が高まっていることを強調した。また、宇田川理事長は「元売ヒアリングによって、供給元を判明させてほしい」と求め、星野理事長もヒアリングを通じて、「系列給油所が被っている影響を理解・認識しているのかを聞いてほしい」と訴えた。
 

市場混乱の実態を説明する関東支部(写真奥) 

 

経営部会・公正競争環境の整備目指し元売5社訪問
 (8月2日付)
 

 全石連経営部会は7月29日、JX日鉱日石エネルギー、出光興産、コスモ石油、エクソンモービル、昭和シェル石油の元売5社を歴訪し、公正な競争環境の整備を目的に①過剰な石油精製設備の合理化による需給適正化②系列仕切りと業転価格との格差縮小③販社給油所における採算販売の率先垂範という3点を要望した。中村彰一郎部会長は「4~6月の元売収支は改善基調にある様だが、精製・販売の両方が良くなってこそ健全な姿である。エネルギー供給構造高度化法によって実需に対応した過剰設備の問題も改善に向かうことを期待しているが、販売業界の疲弊はひどく、3年間も耐える力がないところも多い。改善策はなるべく早く前倒しでお願いしたい」など訴えた。歴訪には宇佐美三郎副部会長と北海道の四十物祐吉委員が同行した。
 JXでは杉森務取締役常務執行役員小売販売本部長が応対し、「需給適正化は重要であり迅速に対応したい。供給高度化法が実施となればかなりの地殻変動が起こるのではないか。また定修明けの現状の原油処理量をみても適正な水準にあるとみている。今後も販社給油所の採算販売は徹底していく」と応じた。
 出光の関大輔執行役員販売部長は「昨年の収支は非常に厳しく、それを繰り返してはならない。新仕切り導入後、マーケットの透明化が進み系列内格差は縮小したと考える。ブランド料には様々な意見があり議論を重ねることで課題も整理される。業転格差の正常化には先物市場が十分に機能することも大事。また過去において精販のどちらか一方だけが良いかった時代はなかったと認識している」との考え方を示した。
 コスモの森山幸二販売部長は「需給の適正化は進めたい。昨年の学習効果だと思うが足元の需給バランスはとれている。一概にいえないが、ブランドについては価値に見合った機能を提供するということであり、当社はその機能を高めていきたい。また、原油乱高下の中、最低のコストは確保する必要がある。販社給油所の採算経営は継続していく。努力している人は残れるのが正常な市場だと考える」と述べた。
 昭和シェルの亀岡剛石油事業本部常務執行役員は、「需給の適正化は、元売が責任を持って行う最大の課題と認識している。業転格差の問題は需給適正化が進めば解消されるものである。コストから市場連動に移行したことで、需給適正化の認識はより高まったといえる。ただ本来は電力、ガスと同じ収益構造を持つべきであり、現時点では比べるまでもなく低い水準である、また、販社には収益貢献を求めている」との認識を示した。  

元売5社を訪問し、需給適正化と卸格差縮小などを求めた(写真はJXで)