2010年6月


 

老朽地下タンク漏洩対策・2月施行、2年間猶予
 (6月30日付)

 

 総務省消防庁は6月28日、50年以上の経年地下タンクへのFRP内面ライニング義務化などを盛り込んだ危険物規制に関する省令改正を2月1日に施行すると発表した。老朽化によって腐食の恐れが高い地下タンクの油流出防止対策の一環として実施するもの。
 省令改正の規制対象となる地下タンクは、1重殻であって地下に直接埋設されているもので、①埋設年数②塗覆装の種類③設計板厚(現在の板厚ではなく、タンク設計時の板厚)の3要素を加味して判別される。②と③については、危険物取扱所設置許可申請書または危険物取扱所変更許可申請書に添付されている「地下タンク貯蔵所構造設備明細書」に記載されている。
 判別の結果、①“腐食の恐れが特に高いタンク”はFRPまたは電気防食を施す②“腐食の恐れが高いタンク”は常時監視装置(高精度油面計など)を設置する―ことが義務付けられる。義務化は施行日から2年間(2013年1月31日まで)の猶予が設けられるもの、40~50年の経年地下タンクを保有する給油所の運営者は、地場の中小販売業者が大勢を占めており、多額の設備改造費を伴う今回の省令改正は、重大な経営存続問題に発展しつつある。


 
        

公取委・優越的地位の濫用ガイドラインで「一方的」明記
(6月28日付)

 

 公正取引委員会は6月23日、「優越的地位の濫用に関する独禁法上の考え方(優越的地位の濫用ガイドライン)」の原案を公表した。1月の改正独禁法施行に伴い、不公正な取引方法の1つである優越的な地位の濫用が新たに課徴金対象となったことを受け、改めて同ガイドラインを示した。従来、優越的地位の濫用は、大規模小売業者による納入業者に対する行為やフランチャイズ業界などで多く発生し、こうした特定業種のガイドラインはあったが今回は業種横断的に一般的な考え方を示した。
 ガイドラインでは、問題になり得る行為として、「取引対価の一方的決定」などが取り上げられている。具体的には、十分な協議を行うなどの決定方法も勘案し総合的に判断されるほか、取引上、正常な商習慣に照らしても不当に不利益を与えることが前提となるが、優越的な事業者が取引相手に対して、一方的に著しく高い対価などでの取引を要請し、その相手が「今後の取引に与える影響を懸念し、その要請を受け入れざるを得ない場合」は優越的地位の濫用として問題になること、また、その他、取引対価以外でも同様に、「一方的に取引条件の設定もしくは変更した場合」なども優越的地位の濫用として問題になりやすいと明記している。
 優越的地位の濫用の基本的な考え方では、①取引依存度②市場における地位③取引先変更の可能性など具体的事実を総合的にみて判断するとしている。ただ、石油業界に関しては、すでにガソリン不当廉売等ガイドラインにおいて「系列特約店は、特定の元売と取引するに際し、その元売に関連する投資を行っているなど、取引先を他の元売などに変更することが経営上、大きな支障をもたらすことが多い。したがって一般に元売は系列特約店に対して優越的な地位にある」という基本的な考え方がされている。
 なお、同ガイドラインに対するパブリックコメントを公正取引委員会事務総局経済取引局取引部企業取引課・優越的地位の濫用ガイドライン担当(yuuetsu@jftc.go.jp)で2010年8月6日まで募集している。


 

       

中大商取・石油市場取引休止へ
 (6月23日付)

 

 中部大阪商品取引所は6月18日、都内で開いた理事会後の記者会見で、2011年1月末までに石油製品市場の取引を休止すると発表した。09年度の全商品取引出来高が04年度実績の5.2%に落ち込み、2~3億円強の単年度赤字が続いたことなどから、①公正な価格形成機能が果たせなくなる②会員の資産保全ができなることを理由に休止決定に踏み切る。貴金属市場も同様に休止を決めたことで同所の上場商品の取引がすべて休止となる。
 石油市場については、10月12日を目途に東京工業品取取引所の新市場が引き継ぐ方向で検討が進んでおり、給油所当業者に定着している同所の取引・受渡し単位(10キロリットル・10キロリットル)、ローリーによる受渡し方法や受渡し場所は新市場にそのまま継承される予定。
 黒岩進理事長は「解散を含め組織のあり方はしかるべき時に臨時総会に諮って決める」とし、「解散以外の選択肢は考えづらい」との見解を示した。また、石油市場を承継する東工取に対して、「中小給油所参加者を生かした石油市場を発展させてほしい。当業者に少しでも利用しやすい市場にしてもらいたい」と要望した。


 

        

全石連横浜総会・次世代へ「地方と中央」一体化
 (6月18日付)

 

 全石連は6月17日に横浜市で通常総会を開催し、再選された関正夫会長のもとで新執行体制を発足させた。全国47都道府県の代表500人が参集し、「組合活動を通じて経営を改革しよう」のメイン・スローガンのもと、地方と中央組織が一体となって、法規制や環境対応などで必要な資金手当てを含む「次世代を見据えた活動」を展開する。
 会長あいさつで関正夫会長が、需要減など今後の見通しを踏まえたうえで「経営を維持するために、これからの石油販売業は、どうあるべきかについて、行政、元売、そして我々が真剣に議論する」方針を示し、石油販売業が直面する困難な諸問題を、むしろ積極的、前向きに捉え、地方と中央の一体的な活動を呼びかけ、全国参加者からの賛同を得た。
 総会には増子輝彦経済産業副大臣、民主党の吉田治副幹事長(経済産業省担当)、林文子横浜市長、天坊昭彦石油連盟会長、元売各社社長など、多数の来賓が出席、各観点からの問題意識と石油販売業界への期待を込めた各あいさつを述べた。
 議事は森洋議長(関東支部長)に加えて根本一彌(東北支部長)、山内章正(四国支部長)副議長のもとで進行され、「需要変化を踏まえたSS経営に取り組もう」、「公正で透明な取引環境の実現を目指そう」、「機関紙『ぜんせき』で経営・組織基盤を強化しよう」、「共同購買・共済事業の利用拡大を図ろう」の個別スローガンを具体化した事業計画と予算が承認された。さらに役員改選では、関会長が再選、副会長は中村彰一郎氏(兵庫理事長)が新任、5副会長が再任され新執行体制が発足した。 困難な時代背景を踏まえながら、いよいよ組合員の経営再生を主軸に据えた諸活動が展開されることとなる。 

地方と中央の双方が結束して、石油販売業の収益浮上を下支えする決意を固めた全石連横浜総会  

 

       

石油協会・給油所過疎地向け支援事業の受付開始
 (6月9日付)

 

 全国石油協会は6月16日から、地下タンクの撤去費用や給油所過疎地でのタンク入換工事などを補助する「地域エネルギー供給拠点整備事業」の申請受付を開始する。
 石油製品の安全かつ効率的な安定供給体制の確保に向けて、給油所の廃業・撤退による地下タンクの放置防止や、給油所過疎地に象徴される石油製品の供給不安地域における給油所事業継続に向けた支援を新規に行っていく事業で、予算総額は20.5億円。給油所閉鎖に伴う地下タンクの撤去にかかる工事費用の一部1,000万円を上限に3分の2を補助する。
 また、石油製品の供給不安地域において、安定供給確保に向けて事業継続する給油所の安全対策として、埋設後35年以上のタンクの入換や、FRP(繊維強化プラスチック)による内面補強、電気防食による外面腐食防止の工事費用の一部を補助する。補助率は埋設後35年以上50年未満が4分の1、埋設後50年以上が3分の1となる。補助対象経費の上限額はタンク入換が2,000万円、FRP内面補強及び電気防食による外面腐食防止は上限なし。
 供給不安地域の規定は、①100平方キロメートル当たりの給油所が8ヵ所以下の690市区町村②工事実施給油所を基点に、最短道路距離で5キロメートル四方以内に他の給油所が1つ以下の地域―のいずれかに該当する地域となる。
 事業期間は9月30日まで。申請受付期間は6月16日~7月2日、7月15~30日、8月16~31日、9月15~30日までの計4回を予定している。ただし、予算を消化した場合、次回以降の受付は行わない。10~3月期については国庫債務負担として2011年度同額程度の予算が確保される見通し。


 

        

老朽地下タンク対策で2重投資に要注意
 (6月2日付)

 

 総務省消防庁では現在、老朽化し腐食の恐れが高い地下タンクからの油流出防止対策として、50年以上の経年地下タンクへのFRP内面ライニング義務化などを盛り込んだ危険物規制に関する省令改正を12月1日を目途に進めている。
 今回の省令改正で流出事故防止対策の対象となるタンク(別表参照)は、1重殻であって地下に直接埋設されているもの。このうち、①埋設年数②塗覆装の種類③設計板厚(現在の板厚ではなく、タンク設計時の板厚)の3要素を加味して判別される。②と③については、危険物取扱所設置許可申請書または危険物取扱所変更許可申請書に添付されている「地下タンク貯蔵所構造設備明細書」に記載されている。
 この判別の結果、①“腐食の恐れが特に高いタンク”はFRPまたは電気防食を施す②“腐食の恐れが高いタンク”は常時監視装置(高精度油面計など)を設置する-ことが義務付けられる。義務化は施行日から2年の猶予が設けられるものの、該当するタンクを使用する販売業者にとっては、多額の設備改造費を伴う重大な経営存続問題となる。
 また、義務化に伴い、今後懸念されるのが、“二重投資”の問題だ。設置年数・46年、塗覆装の種類・アスファルト、設計板厚・6ミリメートルのタンクの場合、改正省令施行後は“腐食の恐れが高いタンク”に分類され、高精度油面計の設置が義務付けられる。設置年数48年を迎えるこの2年間の猶予期間内に高精度油面計を設置しても、さらに2年後には設置後50年となり、“腐食の恐れが特に高いタンク”に分類され、FRP化を施さなければならなくなる二重投資に陥る危険性が出てくる。
 経年地下タンクを保有する給油所は、設置年数やタンクの状況を見極めながら、設備改修計画を慎重に進めていくことが重要になってくる。

 
       

不当廉売・石油の「注意」2倍
 (6月9日付)

 

 公正取引委員会は先ごろ、2009年度における独占禁止法違反事件の処理状況についてまとめた。このうち、石油製品の不当廉売について「警告」は1件、不当廉売につながる恐れのある「注意」は956件にのぼった。05年度から5年間の推移を見ると、右肩上がりで注意件数が増えており、不当廉売すれすれの廉売行為が各地にまん延していることが浮き彫りになった。
 不当廉売の総注意件数は前年度比429件減の3,225件となったが、石油製品は430件から倍増以上の956件と、総注意件数の約3割を占めるまでに急増した。また、4~12月までが618件だったのに対し、1~3月は338件に急増、1月の改正独禁法施行以降、申告件数が増加し、注意件数も増えた。


        

政務三役に支援事業改善と市況調査継続求める
 (6月2日付)

 

 全石連は6月1日、直嶋正行経済産業大臣をはじめとする政務三役に対し、行政事業レビューで「廃止を含む抜本的改善」とされた経営高度化調査・実現化事業と災害対応型給油所普及事業の抜本的改善を要望するとともに、消費者利益の確保や給油所の経営力強化などに向けた予算措置を求めた。また、行政刷新会議の事業仕分けで「廃止」となった石油製品市況調査について、公的な価格指標として活用されており需要家・販売業者にとって不可欠として、同調査の継続を求めた。
 要望書は、政務三役の中で行政事業レビューの取りまとめ役を務めた増子輝彦副大臣と高橋千秋大臣政務官に、河本博隆副会長・専務理事が直接手渡し説明した。
 増子副大臣に対し河本副会長は、経営高度化では灯油の共同配送などのモデル事業が各地に広がり「流通合理化に寄与している」と強調。さらに、発電設備や緊急用ポンプなど設備実績を示して「災害時におけるライフラインとしての機能が強化されている」とその事業成果を説明した。
 また、自動車ユーザーの利便性向上や安全確保に向けてEV充電設備の設置や従業員研修などが必要となっていることや、サプライチェーンの維持など過疎地対策が急務となっていることなどを訴え、理解を求めた。

増子副大臣(左)に事業の必要性や実績を説明した河本副会長