2009年09月


◆ 新日石が10月から新仕切りを2形態に変更
    
(9月28日付)


   新日本石油は新仕切価格体系を10月から一部変更する。3通りある価格指標から「TOCOM100%連動」を外すというもの。新日石のこれまでの価格指標は①TOCOM100%連動②陸上現物100%連動③両者の50%ずつの合成値―に連動の3通りを基準に、運賃や供給コストなどの経費、ブランド料などを加えたものが卸価格となるフォーミュラを示し、各特約店が選択する仕組みだった。今下期からはTOCOM100%連動を外し、2通りの価格指標となる。
 ある特約店によると「マーケット規模の小さい現状のTOCOMでは価格変動が激しすぎる。指標にすると、他の方式との価格差が拡大することがあり、特約店の間で強い不満があった」と仕切り格差の問題を指摘する声や、「現実にTOCOMを指標として選択しても、下限値が設定され、旨味が少なく採用する特約店が少なかった」と指摘する。一方で、「指標が少なくなればその分計算方式が減るということ。選定する方式による価格ばらつきも少なくなるはず」と、公平な仕切り体系に一歩近づくと評価する声もある。
 また、変更に伴う各特約店への影響に関しては、「ほとんどの特約店は残りの2方式を選択していると聞く。これまでと変わりなく影響もほとんどないだろう」と話す。小売市況への影響も「一部の乱売地区では近隣の安値看板を見て、その価格に追随しているのが現実だ。新仕切価格の定着にはまだほど遠いところも多い」と、新仕切価格の定着はいまだ道半ばとの見方も多く残っている。




◆ 給油所店頭価格表示ガイドライン確定
    
(9月25日付)


   全石連は9月17日の理事会で、経営部会を中心に取りまとめ作業を進めてきた「ガソリンスタンドにおける価格表示の適正化ガイドライン」を承認した。ガイドラインの趣旨は、不明瞭な価格表示を現状のまま放置するとますます増加し、景表法違反につながる事例が再発、さらに給油所店頭の価格表示が他業界のチラシなどと違い、ドライバーが運転走行中にみる特殊なものであることを考えると、複雑な表示に気を取られた事故の発生にもつながりかねないことも考慮し、基本的な考え方として、「価格表示を行う場合は、安全走行の確保にも配慮してドライバーが容易に認識できるよう、店頭の見やすい場所に”簡潔にわかりやすく表示”すること」を掲げた。また、詳細な取引条件別の価格については、ドライバーが静止した状態で見ることができる計量器周辺やセールスルーム内の掲示を求めている。
 今後は、ガイドラインの順守を組合員に周知することで、ドライバーに誤認を与える景表法違反の有利誤認につながるような行為防止や車両の交通安全の確保を未然に図るほか、ガソリン需要の減退や次世代自動車の普及に伴い、給油所の次世代化も見据えて他業界との競合にも負けないよう、ドライバーをはじめとした消費者の好感度が高い業界へと「品格向上」が進むよう取り組んでいく方針。

ガイドラインでは店頭の価格表示は“簡潔にわかりやすく”を求めた



◆ 仕切り透明性が向上
    
(9月18日付)


   石油流通課では9月1~14日にかけて、元売10社を対象に販売担当役員らにヒアリングを実施。今回は2008年10月からの新仕切り導入以降の公正・透明な競争環境の確保に向けた各社の取り組みや、需要減退・エネルギーの多様化を見据えたリテール戦略や次世代給油所のあり方などについて聴取した。
 製品別スポット価格を指標にした新仕切りは、系列取引において定着している社がほとんどで、スポット価格や先物価格を指標にしている点で共通。これにフレートやブランド料、ボリュームインセンティブなどを加味して卸価格を決めているところは5社だった。
 新仕切りの導入で、インセンティブの格差が縮小したことによって、卸価格差も縮小したとする元売がほとんどだった。同一元売・同一県内における仕切り格差は取引全体で08年4月の7.7円から09年4月は7.4円に縮小し、小規模特約店でも昨年7月の14.2円から09年7月には6.4円に縮小した。また、ボリュームインセンティブの違いなどで、子会社の卸価格は一般特約店に比べ低い傾向にあったが、新仕切りでその格差が縮まり、08年の1円から09年7月は0.2円程度に縮小している。
 子会社に対しても一般特約店と同じ仕切り体系を適用しており、子会社への出向者の人件費については各子会社の規程に沿って全額を子会社が支給しているとした。子会社を優遇した場合、必ず外部に情報が漏れ、一般特約店から強く批判されることや、税務当局から贈与との指摘を受けることが必死であることから、優遇できるはずがないとした。
 次世代給油所のあり方については、エネ庁の実証事業などを活用しながら、具体的な検討を進めていくなどとした。
 発券店値付けカードを導入しているところは7社で、各社とも発券枚数を積極的に拡大する意向はないとしながらも、カードの利便性などから発行枚数は合計で約450万枚に上り、08年比で50万枚増加している。



◆ 全石連・新型インフル対策で給油所向けBCP配布
    
(9月14日付)


   全石連は9月9日、全国の47都道府県組合に対して、新型インフルエンザ対策で給油所向けの基本モデルとして策定した給油所事業継続計画(SS・BCP)を配布した。
 SS・BCPは、新型インフルエンザが蔓延した緊急時において生活必需品であるガソリン、灯・軽油が安定的に供給されることを目的に、職場の感染防止対策や企業内役割分担などを明確化し、給油所のリスク低減を図ることが基本方針。強毒性鳥インフルエンザなど致死率の高いものに適用され、今年度発生の弱毒性インフルエンザでは準用される。今後はこのBCP基本モデルを参考に、組合員事業者が自社用のBCPを策定、運用することを促す方針。
 SS・BCPは、SS経営者および従業員が対象で、①石油製品の販売継続②事業継続上、最大の支障となる要因不足への対応③顧客および従業員などの感染防止策(うがい、手洗いの励行など)の徹底④SSの事業継続を統括する「新型インフルエンザ対策会議」の設置などを要点としている。緊急時には、新型インフルエンザ対策会議を設置して、緊急時の指揮命令系統や営業体制を明確に定めることが必要としているほか、事前準備として管理者、乙4資格者の欠員時を想定して代行者を準備するなど人員体制の整備、調達困難になる可能性がある備蓄品リストのとりまとめ、近隣他店との人的支援の可能性についての協議、医療機関での通常インフルエンザの予防接種の奨励などを行うことを明記している。
 また、経営責任者は国・自治体の情報を注視し、新型インフルエンザの国内発生早期が宣言された場合は、「緊急時営業体制」への移行を決定し、感染拡大防止のための消費者周知、仕入先との連携強化、営業制限の検討などを行うことの必要性を示している。



◆ 次世代給油所像研究がスタート
    
(9月11日付)


   全石連は9月10日に「次世代自動車対応SSの将来像を考える研究会」の初会合を開催した。研究会には学識者と元売・総合商社などエネルギー関連団体のほか、自動車、総合電機、金融、ゼネコンが参加、次世代自動車を取り巻く広範かつ有力なステークホールダーが委員に就任した。座長に久留島守広東洋大学国際地域学部国際地域学科教授、副座長に河本博隆全石連副会長・専務理事を選任、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などの次世代自動車の普及が加速する中で、より現実的に今後の見通しを確立したうえで、ガソリン販売を中心とした従来型のSSビジネスモデルに代わる「次世代SS像」の研究をスタートさせた。
 議事ではまず①次世代自動車の普及見通し②石油需要見通しが事務局から説明された。続いて「充電インフラの発展シナリオについて」(大谷明NTTデータ企画担当部長)をテーマにプレゼンテーションが行われ、永田雅久トヨタ自動車東京技術部長、大道正夫三菱自動車工業執行役員・社長補佐、姉川尚史東京電力技術開発研究所電動推進グループグループマネージャーの3委員からも各見地からプレゼンテーションが行われた。

関東一円から傍聴者であふれた会場にはテレビカメラも入った



◆ 品確法違反の業者に事業停止命令
    
(9月9日付)


   資源エネルギー庁は9月7日、未登録・未分析でガソリン販売を継続していたマグナの岡谷給油所(長野県岡谷市)について、揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)違反で30日間(14日~10月13日)の事業停止命令処分を下した。同給油所は1992年7月から09年6月までの間、品確法に基づく変更登録を行わず、未登録でガソリンの販売を行い、また、ガソリンの分析を行わず販売を継続していた。
 エネ庁では、5月に近畿地区などで未分析・未登録事案が相次いだことから、各経産局を通じて、未分析・未登録給油所に係る一斉点検に取り組んでいるほか、品確法の順守に向けて、消防当局をはじめ、石油協会や47都道府県石油組合などとの連携強化を図っている。




◆ 平均年間徴税額・前年度比で初の減少
  (9月2日付)

   2008年度の1給油所当たりの平均的な燃料油関連の年間徴税額は9,802万円となり、4月の暫定税率期限切れの影響で前年度比では減少に転じた。給油所関連3油種、ガソリン・灯油・軽油の販売量、平均単価、給油所数などの各統計データをベースに本会機関紙「ぜんせき」が試算した。08年4月は暫定税率期限切れでガソリン税53.3円が28.7円、軽油引取税32.1円が15円に徴税額が縮小したことで、前年度比で269万円減少したが、暫定税率が維持されていたと仮定した場合の試算では、徴税額は1億205万円に上ることから、失効期間の1ヵ月間で1給油所当たり403万円相当の暫定税率期限切れに絡む税金が消費者に還元された。
 税別に見ると、ガソリン税は前年度比209.2万円減の7,003.5万円、軽油引取税が69.5万円減の1,174万円、石油石炭税が0.6万円減の399.2万円。3油種の小売価格に課せられる消費税は原油価格高騰による平均小売価格の上昇から9.9万円増の1,224.6万円に増加した。このうちガソリン税のタックス・オン・タックス分は10.4万円減の350.2万円。
 暫定税率が維持されていたと仮定した場合の試算ではガソリン税が7,346万円、軽油引取税が1,234万円、石油石炭税が399万円、消費税が1,225万円となり、1給油所当たりの徴税額は、給油所数の減少の影響で前年度比134万円増加して1億205万円にのぼることになる。
 なお、1給油所当たりの月間販売量はガソリンが113.8キロリットル(前年度比2.1キロリットル増)、軽油が32キロリットル(0.3キロリットル減)、灯油が17.2キロリットル(2.1キロリットル減)。