2009年08月


◆ 総合エネ調・中期目標の達成への試算
  (8月28日付)

 
 総合資源エネルギー調査会需給部会が8月25日に開かれ、5日に取りまとめた温暖化ガスの排出を2020年までに05年比15%減らす中期目標の達成に向けた「長期エネルギー需給見通し」の具体的な新エネルギー・省エネルギー対策をまとめた。目標達成には2億トンのCO2削減が必要とし、省エネビル・住宅で3,800万トン、次世代自動車による燃費向上で2,100万トン、太陽光発電で1,500万トンなど、詳細な削減対策を示した。すべての対策を一般家庭で導入した場合、追加負担は500万円に達すると試算した。
 今回の需給見通しは、政府が今年6月に温暖化効果ガスの2020年度までの削減目標(中期目標)を決めたのを受けて、同省が昨年4月に取りまとめた需給見通しを最近の経済指標などを考慮して再計算したもの。
 20年に新車販売に占める次世代自動車(普通乗用車だけでなく、バス・トラック・軽自動車を含む)の割合を50%にまで拡大を図り、保有台数ベースでも20%(約1,500万台)に高める。また、高効率石油給湯器・エコフィールなど、家庭用高効率給湯器については、2,800万台まで普及させる。一方、バイオマスについては、食料との競合や安定調達などの課題をクリアしながら、原油換算で07年実績の470万キロリットルから750万キロリットルまで高めるとした。
 石油連盟の山浦紘一専務理事は、20年に向けた主要な省エネ対策の実現には「想像を絶する努力、取り組みが必要になってくる」との認識を示したうえで、国による政策的支援の拡充を訴えた。一方、バイオの導入に向けては、供給安定性の確保や温室効果ガス削減効果の検証などを踏まえ、「導入時期、量については慎重に決めてほしい」と要請した。




◆ 経産省・低炭素社会施策を拡充
  (8月24日付)

 
 経済産業省の産業構造審議会は8月20日、総会を開き、2010年度の重点政策を了承した。国民生活と産業活動の礎である資源の確保が最重要課題であると位置付けるとともに、資源価格の乱高下が経済成長の妨げになるとの認識を改めて示した。そのうえで、①経済危機後を見据えた「低炭素社会」の実現に向け、技術と施策を集中投入し「新しい需要」の創出を目指していくほか、②「くらしの安心」、「中小企業・地域社会の安心」を守る足元の危機への対策に取り組んでいく。
 具体的には、①低炭素社会の実現による新需要創出に向け、石油など化石エネルギーの安定供給確保、環境への適合、市場原理の活用を基本方針に、資源外交の強化や需給環境の整備を図る。
 低炭素社会の実現に向けては、次世代のエネルギー供給網・自動車・住宅を集約した「日本型低炭素社会システム」の実証を行う。また、電気自動車・プラグインハイブリッド車などの次世代自動車の普及を支援していくとともに、次世代自動車・省エネ家電のキーテクノロジーである電池の技術革新を推し進めていく。
 一方、日本経済の足元は底打ち傾向にあるものの、中小企業を取り巻く経営状況は極めて厳しい状況にあると認識。②「中小企業・地域社会の安心」実現に向けて、緊急保証・セーフティネット貸付など資金繰り対策を通じた金融政策を滞りなく続けていくほか、中小企業にとって重要な経営資源である「人材」の確保・育成を支援していく。

新たな経済対策の重要性を訴える二階俊博大臣(中央)、
右が御手洗冨士夫産構審会長




◆ 2010年度概算要求・石油流通予算10.4億円増
  (8月21日付)

 
 資源エネルギー庁は20日、2010年度の概算要求額を明らかにした。需要減に伴う石油石炭税収の大幅減などで厳しい予算編成が避けられない中、石油流通支援は09年度予算比10.4億円増の128.2億円を要求する。短期的な課題・問題への支援策として、土壌汚染検知検査事業を中心とした環境対策支援を強化・拡充するほか、中長期的な課題への取り組みとして、クリーンエネルギー自動車の普及を見据えた次世代給油所への転換を後押しする構造改善支援などの拡充を目指す。
 具体的には、環境対策支援として、給油所からの油漏洩による土壌汚染未然防止の観点から、老朽化により漏洩の危険性が高い地下タンク及び地下配管の撤去・入換を引き続き支援していく。10年度においては特に、埋設40年以上のタンクについて、FRPライニングと電気防食システム設置工事の補助率を2分の1から3分の2に引き上げ、既設タンクの漏洩対策を強化する。
 また、石油販売業者の経営革新や経営改善努力を支援していく経営高度化調査・実現化事業を1億円増の6億円に増額し、クリーンエネルギー自動車の普及を見据えた次世代給油所への展開などを進める高度化事業を重点的に補助していく。
 一方、安全確保・環境保全に向けた石油製品流通を堅持していく観点から、品質確保事業を0.5億円増の17.5億円に増額し、給油所店頭で販売されている石油製品の品質モニタリングを強化していく。
 さらに、災害時に給油所が地域の防災拠点として機能するよう設備設置を支援する災害対応型給油所普及事業も引き続き実施していく方針で、10年度は灯油やLPガスなどを燃料源とした定置用燃料電池を新規メニューに追加し、2分の1を補助していく方針。
 このほか、離島地区のタンク、ローリーの共同化など、流通合理化に向けた設備投資への補助なども引き続き行っていく。




◆ 関東支部・元売へ経営指数見直しなど迫る
  (8月14日付)

 
 全石連関東支部は8月12~13日にかけて、出光興産、キグナス石油、新日本石油、コスモ石油、エクソンモービル、昭和シェル石油の6社を歴訪した。森洋支部長は各社の販売トップに対して、「不明瞭な多重価格表示は消費者に誤認を与える可能性が高い。モラルから見ても好ましくない」と述べ、改善への前向きな取り組みを求めた。また、元売各社が提唱する給油所経営指数についても触れ、「現在の指数は右肩上がりの時代の考え方。減販のいまとなっては時代に合わなくなっている。他の指数に置き換えるなどの対応も考えるべきではないか」とした。
 多重表示について、出光の福永青磁常務取締役は「モラルでもあり収支の問題でもある。見直す方向で進めている」、キグナスの酒井久男常務取締役は「我々の販売子会社は少ないが、適切に対処したい」、新日石の矢幡智彦執行役員小売販売副本部長は「多重表示は自分がドライバーとして見たとき、危険だと感じる」と述べた。
 また、給油所経営指数について、コスモの小林久志執行役員販売統括部長は「1つの指数だけを提唱しているわけではないが、時代の変化とともに総合的な指数を追及していく」との考えを示し、多重価格を含め「コンプライアンスを守ることを追求していく」、昭和シェルの亀岡剛常務執行役員は多重表示に関して「実際に消費者から、まぎらわしいと指摘を受けている」と述べた。また、EMの楢原雄一シニアアドバイザーは、「減販傾向により市場環境は変化してきている」と述べた。

元売各社を訪問し価格表示適正化などを要請した関東支部(写真は新日石で)




◆ 関東支部・エネ庁へ公正市場実現を要請
  (8月7日付)

 
 全石連関東支部は8月5日、資源エネルギー庁石油流通課を訪れ、消費者に誤認を与える多重価格表示の是正や元売販売子会社・直営給油所に対する新仕切価格体系連動の徹底など、公正・公平なガソリン市場の早期実現に向けた監視体制の強化・拡充などを要望した。今回の訪問で、森洋支部長、飯田金廣・宇田川雅明副支部長が、中村稔石油流通課長に「公正・公平なガソリン市場の早期実現に関する要望書」を提出。森支部長は「関東支部管内は全国のガソリン販売量の約4割を占める最大のマーケットであるが、規制緩和以降、激しい価格競争にさらされ、精・販ともに低マージンの状況にある。このままでは地場の販売業者だけが撤退に追い込まれ、安定供給に支障を来たしてしまう」と、多くの石油販売業者が深刻な経営危機に瀕している現状を訴えた。
 飯田副支部長は「元売主導で発券されるクレジットカードやプリペイドカードの値引きが5~7円と拡大し、市場混乱の元凶となっている」と訴え、カード問題に係る実態調査、宇田川副支部長は「乱売地域で子会社が低マージンで運営できる背景には、元売による人件費補助や給油所賃貸料の値引きなどがあるのではないか。そうでなければ到底経営は成り立たないはず」と早急な実態解明をそれぞれ求めた。
 中村課長は「公正・公平な競争市場の構築が重要であり、精・販が共倒れになってしまえば、消費者が不利益を被る。これらの問題・課題を念頭に置き、実態把握に努めていきたい」と述べ、今後実施する元売ヒアリングで、実態解明を急ぐ考えを明らかにした。

中村課長(右)に要望書を手渡した関東支部執行部




◆ 経営部会・価格表示ガイドラインを了承
  (8月3日付)

 
 全石連経営部会は7月30日に開いた会合で、公正取引委員会の松尾勝取引部長を招き、2009年6月に成立し、不当廉売などの不公正取引についても課徴金適用が拡大されることになった改正独禁法について説明を受けた。松尾取引部長は「07年1月の施行を目標にしている。関係政令、規則、ガイドラインの整備を進めているが、業種別ガイドラインについては業界からの要望を踏まえ、一層の明確化に向けた見直しを行っている。早い段階で、パブリックコメントを出し、できるだけわかり良いガイドラインを作成したい」と説明した。
 不当廉売などに対する対応については「厳正に対処していく」としたうえで、「廉売による影響の拡大が生じることを早期に防止する観点から、迅速処理スキームで注意を行い対処している。また、大規模店や繰り返し廉売行為を行う事案で周辺への影響が大きいと思われるものについては排除措置命令などを念頭においた厳正処理で詳しく調査している」との考え方を示した。一方、全石連が取りまとめている価格表示ガイドラインについては「不当表示を正すだけではなく、さらに一歩進み、ドライバーにわかりやすい表示を促すという考え方は景品表示法に合致している」と評価した。
 また、会合では給油所店頭において不明瞭な多重価格表示をなくすことを目的に検討を進めてきた『ガソリンスタンドにおける価格表示の適正化ガイドライン』を正式に了承した。同ガイドラインは、09年4月に専門委員会を立ち上げ検討を行い、公取委にも相談し作成を進めてきたもの。今後は9月開催の理事会などに諮り最終決定する。

改正独禁法を説明する松尾部長(左)




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