2009年06月


◆ 政府・中小配慮型の官公需
    
(6月29日付)


   政府はこのほど、官公需についての中小企業の受注機会の増大を図るための方針を閣議決定した。需要の急激な冷え込みなどによる経済危機に瀕する中小企業を支援するのが目的で、2009年度の中小企業向け官公需契約目標額を前年度契約実績額から1兆円以上積み増して約5.2兆円に拡大する。官公需総額に占める割合は過去最高の52.4%に上昇する見込み。
 現下の厳しい経済情勢の中で、景気悪化の影響を受けている中小企業の受注機会の増大を図り、経営基盤の強化を促す。また、地方公共団体に対しても、国の契約方針を参考に、地域の実情に応じて、地場中小企業の受注拡大に向けた措置を講じるよう求めていく。
 国は中小企業の受注機会の増大に向けた具体的な措置として、①地域の中小企業の適切な評価と積極的な活用に努めるとともに、需給状況や原材料価格の実情、消費税の負担などを勘案し、適正な価格での発注に配慮する②国や地方公共団体の発注情報を一括検索できる「官公需ポータルサイト」を構築し、中小企業が発注情報を入手しやすくする③中小企業が受注機会を把握しやすくするため、各省のみならず、大学や病院などをはじめとした全192の独立行政法人ごとの契約目標及び実績を公表する。
 中小販売業者が大勢を占める石油販売業界では、昨年秋以降の景気悪化で、ガソリンなど自動車燃料の減販に加え、中間留分を中心とした産業用燃料の急激な需要収縮が拡大し、深刻な経営不振に陥っている。このため、官公需に対する期待が例年になく高まっており、今回の国の方針を受けて、受注拡大に弾みがつきそうで、受注獲得に向けた取り組みが活発化しそうだ。




◆ 公正・適正取引実現目指し総会開催
  (6月22日付)

   全石連と全国石油協会は6月19日に福岡市で通常総会を開催した。「組合活動を通じて経営を改革しよう」のメインスローガンのもと、需要変化に対応できる給油所経営の確立、公正で透明な適正取引の実現、環境重視・省エネ型給油所への転換、安心・安全・信頼の給油所ネットワーク展開など6項目の具体的な2009年度の活動方針を決めた。特に公正で透明な適正取引の実現については、改正独占禁止法に沿ってさらに踏み込んだ「ガソリン不当廉売等ガイドライン」の早期改定や不当表示に対する自主ガイドラインの策定に取り組む。また、電気自動車の市場投入など、次世代自動車の普及拡大を精緻に見据えたうえで、関正夫会長は、「未来を見据え行政も元売も全石連も、そして組合員個々がそれぞれ努力することを約束しよう」と関係者と全国組合員に呼びかけた。

公正で透明な競争環境の確立を目指すとした全石連総会




◆ エネ庁が未分析・未登録問題で給油所一斉点検を指示
  (6月17日付)

   資源エネルギー庁石油流通課は6月12日、経済産業省で各地方経済産業局の資源エネルギー環境部長などを集めて会合を開いた。「揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)」の違反問題などについて意見交換するとともに、全国の地方経産局に対し、未分析・未登録給油所に係る一斉点検を指示した。
 品確法違反となる未分析・未登録事案が相次いでいることから、迅速かつ集中的に点検し、実態把握を進めていくとともに、未分析、未登録などの品確法違反が発覚した場合には、事業停止命令処分を行うなど、法令に則り厳正に対処する方針を改めて確認した。
 会議では、これら違反事案が相次いだことから、未分析・未登録給油所の迅速かつ確実な把握に向けて、各経産局において、全国石油協会を含む4つの登録分析機関から委託分析契約データなどの情報提供を求め、登録データとの照合作業を進め、未分析の疑いのある給油所のリスト作成を急ぐ方針を確認した。
 また、未登録給油所の把握に向けては、①エネ庁からの要請に基づいて、消防当局に既設の設置許可データや新規設置許可申請給油所の情報提供を求めるなど、消防当局との連携を強化・拡充する(詳細な取り組みや手続きなどは現在消防当局との間で協議中)②石油協会が実施する試買事業の機会を活用し未登録情報の提供を求めるなど、石油協会との連携強化③47都道府県の石油組合や石油販売業者からの情報提供④インターネットなどの公開情報―などを活用した情報収集を行っていく。




◆ 給油所での油漏洩事故が多発
  (6月10日付)

   消防庁は先ごろ、2008年に発生した危険物に係る事故状況をまとめた。それによると危険物施設における事故発生件数は、火災が8件増の177件、流出が49件減の563件となった。また、火災や流出を伴わない破損事故などは87件減の141件に減少した。このうち、給油取扱所における火災事故は前年と同数の27件となった。発生件数は一般取扱所(117件)に次いで2番目に多く、過去5年間でも製造所を加えた3施設が発生件数の上位を占めている。給油取扱所の1件当たりの損害額も1,103万円にのぼる。また、発生原因を見ると、「操作未実施」が6件、「維持管理不十分」が4件など、人的要因が15件を占めた。
 一方、油漏洩などを含む流出事故では、発生件数が前年に比べて減少している中で、給油取扱所は7件増の84件に増加した。給油取扱所での危険物施設1万施設当たりの事故件数は12件で、過去5年間で最も高く、移送取扱所(58件)、製造所(34件)、一般取扱所(13件)に次いで発生リスクも高くなっている。1件当たりの損害額も106万円にのぼっている。また、タンクローリーを含む移動タンク貯蔵所の事故も6件増の62件に増えた。
 発生原因では、「腐食等劣化」が29件と最も多く、前年比7件増となっており、施設の老朽化などがさらに深刻になっていることが浮き彫りになった。次いで、「監視不十分」が14件となっており、人的要因も目立っている。
 破損事故については計141件中、109件が給油取扱所で、事故原因は交通事故が34件で最も多かった。





◆ 大阪が車両販売から買取・競売までを事業化
  (6月8日付)

   大阪府石油組合は2009年度から「カーライフサポート事業」を開始する。同事業は全国石油協会の経営高度化・実現化事業を活用し、新車・中古車販売、不用車引取、オートオークション代行までを独自のネットワーク網を構築し行うことで、組合員給油所に新たな収益力を提供するもの。組織によるスケールメリットを活かし車両販売、買取までを事業化するのは全国初。
 燃料油全般の低マージン化、需要減退に伴い、給油所の再活性化を目指すために行う同事業は、新規事業化に伴う事務処理や投資リスクなどの不安を解消し、新車、中古車を問わず車両販売事業を組合員なら誰でも行えるということを前提に進められる。同時に昨年度不用車買取とオートオークション代行の可能性を調査、好実績を収めた不用車買取リサーチ事業も付加し、給油所を燃料供給の場から自動車関連のトータルサポート拠点とするのが目的。消費者に「給油所が車の買取から販売、オークション出品」までを行えることになる。
 事業化を円滑に進めるため自動車販売全般の専門企業と提携、ネットワーク網構築、査定、物販業務に必要なソフトの研究・開発に着手している。また、在庫共有メニューが活用されれば、給油所機器のリサイクルなどにも応用可能なことから、コスト削減にもつながることが期待される。