2009年04月


◆ 独禁法改正が国会審議入り
    
(4月24日付)


   4月22日の衆議院経済産業委員会で不当廉売などの不公正な取引方法を課徴金の対象にする独占禁止法改正案の質疑が始まった。自民党の「ガソリンスタンドを考える議員の会」(GS議連)メンバーの牧原秀樹議員(比例北関東・埼玉)がトップバッターとして質問に立ち、「ガソリンスタンドや酒屋など中小小売業者が次々につぶれており、不当廉売などへの課徴金導入はこうした業者の悲願だ」として、実効性のある法改正とその運用を求めた。公正取引委員会からは竹島一彦委員長が出席し個別質問に答えた。
 牧原議員は今回の課徴金導入の最大のポイントは「実効性の確保」として、「注意件数が増えているが、注意くらいはやり得だと考えている事業者がいる。注意にもっと重みを持たせるべき。また、注意を電話などで行うのではなく当該事業者を呼び出して行うべきだ」と求め、さらに「一度、注意されたら次の違反は課徴金の対象になるのか」と質問。
 これに対し竹島委員長は「不当廉売などについてはすでに現行の独禁法でも違法行為であるので排除措置命令を出し、それに至らないものを警告・注意をしており、それなりにワークしていると考えている。しかし、確信犯的な事業者には排除措置命令だけでは不十分なため課徴金を課すことにした」と述べ、課徴金の対象についても「排除措置命令を受けた業者が10年以内に2回目の命令を受けた時に課徴金の対象としている」と説明した。
 また、違反の要件である「ほかの事業者の事業活動を困難にさせるおそれ」について竹島委員長は、「廉売業者がそれなりに大きな事業者で周囲に影響があり、その結果、被害を受ける業者がいて、まともな競争が期待できない場合」などを対象としていると解説した。
 自民党で同じくGS議連メンバーの平将明議員(東京4区)は課徴金の算定基準について質問。これについて竹島委員長は、「仮にやってみて効果がないということであれば、将来的に見直しをする」と明言した。

独禁法改正案審議入りしトップバッターとして質問する牧原議員。
左端が竹島公取委委員長




◆ 関東支部・不当廉売ガイドライン早期改定求める
  (4月20日付)

   全石連関東支部、油政連関東支部は4月17日に合同会議を開き、独禁法改正問題並びに最近の需給情勢について意見交換した。原油価格の上昇による元売各社の仕切りアップが顕在化する中で、北関東や首都圏の一部地域では依然採算度外視のガソリン過当競争が激化しているほか、「元売子会社が採算確保の阻害要因になっている」など、元売の販売政策を強く批判する声が相次ぎ、全石連・油政連と一体となって不当廉売ガイドラインの早期改正を求めていくことで一致した。
 関東市場に大きな影響力を持つジョイフル本田が10日以降、レギュラーガソリン価格を105円に上方修正。周辺地域でもこれに追随しボトム価格は107~8円まで浮上したものの、依然として地場業者の採算ラインからほど遠い状況が続いている。また、連休商戦を控え、「乱売が拡大していく恐れがある」との危機感が広がっている。
 さらに、「元売本体がコストアップを通告しておきながら、その販社は周辺の市況が上がれば上げますよという姿勢」、「販社同士が安値を見合って、一向にコスト転嫁が進んでいない」など、子会社の販売姿勢を強く批判する声が相次いだ。このため、「販社の安売りは不当廉売で積極的に申告していくべき」と、独禁法によって歯止めを掛けていくことが必要との認識で一致した。

市場動向に危機感を訴える声が相次いだ関東支部




◆ 政府追加対策で次世代給油所化へ20億円
  (4月13日付)

   政府は4月10日、深刻な景気悪化に対応する総額15.4兆円に上る経済危機対策の骨子をまとめた。このうち、石油流通関係では次世代給油所の展開に向けた電気自動車(EV)などの充電インフラ整備事業を20億円規模の財政支出で支援する。新たなビジネスモデルの構築や充電システムのあり方などを開発・実証していく“スマートEVチャージプロジェクト”を推進していくもので、緊急保証やセーフティネット貸付など、中小企業の資金繰り支援もさらに拡充する。
 骨子では、今回の経済危機はその深刻さと大きさにおいて“石油危機”を上回る可能性が高く、経済の収縮による悪影響が中小企業や地域経済などにしわ寄せされる形で現れる経済の「底割れ」リスクが急速に高まっていると強調している。その対策として雇用・金融、低炭素革命、地域活性化、税制改正などを総合的に実施する。低炭素革命を中長期的な成長戦略と位置付け、太陽光発電の導入拡大やハイブリッドなどのエコカーへの買い替え促進に向けた新車購入補助や省エネ家電の普及拡大などを進める。
 これに関連して、石油流通分野では「EVのインフラ高度化に向けた技術開発・実証」事業を新たに立ち上げる。
 広範なネットワークを有する給油所のインフラ網を活用し、次世代自動車の普及に向け、充電サービスをビジネスベースで展開するために必要となる充電モデル(電池交換・急速充電など)、認証・課金などシステム基盤の開発・実証を後押ししていく。また、マンションやショッピングセンターなど大規模駐車場における充電インフラ整備などの開発・実証も進める。
 中小企業の資金繰り対策では、中小企業が金融機関から融資を受ける際、信用保証協会が100%債務保証をする緊急保証制度の据置期間(現在1年以内)の延長や普通保証を活用した無担保保証の拡充を行う。政府系金融機関である日本政策金融公庫が資金を貸し付けるセーフティネット貸付についても無担保・無保証貸付、倒産対応貸付、雇用関連貸付の金利を引き下げる計画だ。




◆ 給油所倒産件数過去最悪に
  (4月10日付)

   帝国データバンクが4月8日発表した給油所倒産件数によると、3月の倒産件数は12件、負債総額が約130億円に達したことがわかった。2008年度累計の倒産件数は65件、負債総額は約373億円となり、05年度から集計対象を法的整理のみに変更して以降、件数・負債総額とも最大となる。石油販売業界の急激な経営状況の悪化を浮き彫りにする結果となった。
 給油所の単月の負債総額が100億円を突破するのは09年1月以来2回目で、05年度からの集計対象変更以降では最大となる。08年10月に事業停止していた柿本石油(青森市)の破産手続き開始が3月末に決定し、その負債総額が約103億円に達したことが響いた。件数も08年度では最多となり、年度末で「売上低迷」や「仕入れコスト増大」などが顕在化し、資金繰りが一気に悪化したことが影響したものと見られる。
 08年度の推移を見ると、石油販売業界は、暫定税率の失効・復活による急激な需要・価格変化の大混乱に巻き込まれたほか、その後の原油価格の乱高下による小売市場の混乱・過当競争の激化、さらには景気がかつてないほど急速な悪化に見舞われる中で、給油所の主力商品であるガソリンの需要減退が顕在化するなど、給油所経営は急激に疲弊した。07年度に比べ倒産件数は14件増、負債総額は2.3倍にまで膨らんだ。





◆ 茨城・梶山議員に業界の窮状訴え
  (4月8日付)

   茨城県石油組合と県石油政治連盟は4月6日、都内で「ガソリンスタンドを考える議員の会」の梶山弘志衆議院議員(茨城4区)の主催する不当廉売に関する勉強会に出席し、過当競争の激化に苦しむ県内の中小販売業者の窮状を訴えるとともに、不当廉売の実効性確保を強く要望した。
 宇田川雅明理事長は「元売子会社が安値販売を繰り返すため、県内の市況が悪化し、我々の仲間である地場業者が次々に廃業に追い込まれている」と、元売子会社の安値攻勢により、窮地に追い込まれている地場業者の現状を説明。そのうえで、「新仕切り体系で市場価格の変化が早くなっており、公正取引委員会の調査も迅速にしてほしい。また処分も注意や勧告にとどまらず、もっと厳しく対応すれば、市場の安定化に効果を発揮できる」と、不当廉売の実効性確保を訴えた。
 これに対して、梶山議員は「県内で地元の業者が廃業している話はよく聞いている。今日の会議は単なる議論に終わらずに、実りあるものにしたい」と、公正競争市場の確保に取り組んでいく考えを示した。

不当廉売事案への迅速かつ適確な対応を強く要望した茨城県石油組合と
県石油政治連盟



◆ 近畿・独自のクレジットカードで活路模索
  (4月8日付)

   近畿圏の若手経営者から給油所での新たな決済手段として独自のクレジットカードを発券したいという意向が聞かれるようになった。消費者の買い控えなどによる需要の相対的な落ち込みに対し、現金決済での需要が限界に達していること、元売子会社、広域業者が法人顧客向けのクレジットカードを発行し、大口ユーザーの囲い込み競争が熾烈になっていることへの打開策として、「企業単位では困難でも業者間や地域との連携でオリジナルのカード戦略が打ち出せないか」と考える業者が増えているもの。
 元売クレジットカードを使用することについて大阪府内の業者は「商売としての進展がない」と断言する。「ユーザーの財布のひもは固く、現金の支払いよりもクレジットカード決済が進んでいるのはわかるが、顧客が元売に盗られるような気がする」と話す。
 また、元売カードが顧客に浸透することで、独立した経営基盤が損なわれると判断する業者もいる。すでに京都府内の業者は自らオリジナルのクレジットカードをつくり、それを地場産業、商店、他の石油販売業者などと共有し、発行枚数によるスケールメリットの創出に努めている。この業者は「地域との連携で着実に消費者への認知度は浸透している」と自信を見せている。
 関係者も「クレジットカード発行には枚数や手数料などさまざまな壁があるが、それを乗り超えるための方策を研究する時期にはきている。消費者がマイルに代表されるように、カード決済時のポイントなどにも魅力を感じているのは事実であり、決済を元売に任せたくないという意識もある」と話す。