2009年03月


◆ 苦しかった灯油商戦
    
(3月30日付)


   今シーズンの灯油商戦は記録的な暖冬の影響で販売量は大幅な減少に見舞われた。夏場以降の原油価格の暴落で灯油価格も昨シーズンの100円/リットルを突破する異常な高値水準からは3~4割程度まで価格水準が値下がりしたものの、需要拡大にはつながらず、石油販売業界にとっては苦しい商戦となった。過当競争による値下げ合戦で収益悪化が著しいガソリン販売をカバーしようという販売業者の思惑が強く働き、収益面では底堅く推移したものと見られる。
 北海道では、小売価格は1月初旬から底堅く推移していたものの、販売量の落ち込みを安値で回復しようとする戦略に転じたコープさっぽろが2月後半以降3回の値下げを断行。最安値の札幌地区で55円/リットル、最高値の稚内地区で59円となり、60円台はなくなった。それでも札幌の平均市況は60円前後を維持しているが、約4年ぶりの安値水準となっている。
 東北では、昨シーズンに比べて「2割程度は減少した」(販売店)という声に代表されるように、暖冬により販売量は全般的に昨年を下回る結果となった。小売価格は11月に比べて、3月には東北地区の平均価格(石油情報センター調べ)は約28円値下がりし、店頭では58円となった。ホームセンターでは50円を切る49円台の表示も見受けられる。しかし数量的には減少したものの、ガソリンの利益が圧縮される中で、灯油は価格面で「適正利益を確保できたようだ」とする声も聞かれる。
 関東では、ガソリンとともに灯油価格でも大きな影響力を及ぼしているジョイフル本田は現行49円まで下落。周辺部でも50~55円が散見される。店頭の顧客はホームセンターやセルフなどの安値店に奪われているが、掛売や配達が中心の給油所では「例年並みの利益は確保できた」とする声が多かった。
 また、中部・近畿地区でも1月に各地とも需要増があったものの、11~12月の需要減が響き、全体的には不調のシーズン。価格は1,200円/18リットル前後の店頭価格が主流のシーズンであった。




◆ 三重・鈴鹿の安値2給油所に「注意」
  (3月18日付)

   2009年2月、鈴鹿市内に新規出店、オープンキャンぺーンでレギュラー91円という破格値を打ち出していたカーコンステーション鈴鹿店と、同じ商圏内で同値で販売をしていた三重タイヤ商事・クイックピット白子店の2給油所についての不当廉売申告に対し、公正取引委員会はこのほど、当該業者に、独占禁止法上の措置はとらなかったものの、同法違反につながる恐れがある行為であったとして、「注意」を行った。
 両給油所は、同商圏内フルサービスが107円、セルフで104円水準という市場環境において、91円でレギュラーを販売、周辺業者の間には困惑が募っていた。
 今回の注意措置に対して、「クロ判定というのは、いったいどれくらいの水準なのだろうか」などの声が、販売業者の間からは聞かれた。




◆ 熊本・OCR導入で事務処理を大幅に省力化
  (3月16日付)

   熊本県石油組合は4月から県庁燃料券の仕分け作業を大幅に省力化できる自動読み取り装置(OCR)を導入するのに併せ、官公需向け事務処理ソフトを本格稼働する。2008年4月に県警向け請求事務処理を省力化したのに続き、ソフト開発の東京アイシーエス(東京都)と共同で独自の会計システムを構築した。
 組合員給油所で給油した車両用伝票を毎月末に締め、組合事務局に集めて仕分け作業を行い、各部署(27ヵ所)に請求書を発送する。仕分け作業をOCR化することでこれまでほぼ1ヵ月かかっていた作業(約5,000枚)が実働3~4時間で済み、大幅に省力化できる。さらに煩雑な元帳、売掛・買掛金管理台帳、入金チェックリストなどの作成も自動化でき、官公需用事務作業が大幅に短縮できるという。事務局では「来年度は熊本市向け燃料券の事務処理もOCR化したい」(松坂勇事務局長)としている。




◆ PECが石油統計ウェブ提供開始
  (3月9日付)

   石油産業活性化センター(PEC)はこのほど、ウェブサイトで石油関連の統計情報を提供するPEC統計Navi「石油統計データ提供システム」を3月1日より運用を開始した(http://toukei.pecj.or.jp/kaiseki/PECJ0010.aspx)。同様のデータは経済産業省の統計サイトなどで検索が可能となっているが、長期にわたる時系列データは存在せず、過去の年報を図書館などで検索しなければならないなどの不便が生じるため、石油関連情報をウェブサイトを通じて提供していくことにした。
 同システムはPECのホームページにアクセスすれば誰でも利用可能で、経済産業省の資源・エネルギー統計年報などを出典にした原油・石油製品需給統計などを中心に公開。月次や四半期、年および年度といった4種類の時系列の数値データ提供するほか、表やグラフの作成機能を備えるなど、石油統計利用者の利便性を高める内容となっている。




◆ 関東支部が元売に公正市場確立訴え
  (3月6日付)

   全石連関東支部は3月4~5日にかけて、キグナス、新日石、ジャパンエナジー、出光、コスモ、エクソンモービルの元売6社を訪問し、子会社の経営健全化に向けた取り組みや消費者に誤認を与える多重価格表示の是正を訴えた。2月上旬にも主要元売を訪問し、公正競争市場の確立を強く訴えたが、一部地域での市況混乱収拾の見通しが全く立たないことから、改めて各社に公正な透明な卸価格体系の着実な実行と健全経営に向けた指導の徹底を要請した。
 今回の訪問には森洋支部長(神奈川)、飯田金廣(東京)、宇田川雅明(茨城)副支部長のほか、埼玉・星野進、千葉・堀江亮介理事長らが参加。出光には全石連経営部会の西尾恒太部会長(大阪)も同行した。
 子会社の販売政策について、キグナスの酒井久男常務取締役は「赤字では経営している意味はない」、新日石の中村雅仁取締役常務執行役員小売販売本部長は、「子会社から非効率な給油所を減らし、効率を上げていく。この1年で約70ヵ所を削減した」と、効率化による健全化を強調。また、「販売数量が減少している分、適正なマージンを確保していくしかない」(Jエナジー・宮川雅夫専務執行役員)、「元売としてどう付加価値をつけていくかが問われている」(出光・福永青磁取締役販売部長)と、質の追求が必要との認識を示した。また、多重価格表示問題に対しては、各社とも1枚看板などによるシンプルな価格表示の必要性を指摘。「消費者への我々の販売姿勢が問われている」(コスモ・小林久志常務執行役員販売統括部長)などと述べた。

子会社などの経営健全化などを要請した関東支部(写真は出光)




◆ 新日石と新日鉱Hの経営統合が延期に
  (3月2日付)

   新日本石油と新日鉱ホールディングスは2月27日、経営統合スケジュールを延期することを明らかにした。米国当局に提出する財務諸表の作成、原油・天然ガス埋蔵量の評価などに必要となる期間を勘案したもの。
 主なスケジュール変更点は、「経営統合に関する本契約」を3月から10月へ、「統合持株会社の設立」を10月から2010年4月へ、「中核事業会社の設立」を10年4月から7月へ延期する。




◆ 独禁法改正案が閣議決定
  (3月2日付)

   公正・透明な競争環境の整備に向けて、石油販売業界が強く改正を求めていた「独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律) の一部を改正する法律案」が2月27日の閣議で決定し、今国会に提出される。
 廉売業者のやり得となる現行の独禁法では、不当廉売や差別対価、優越的地位の濫用といった不公正な取引方法が横行し、公正競争市場の確立を阻害する元凶になっている。全石連並びに油政連では石油市場の安定化と石油販売業界の持続的な発展に向けて、一木会やガソリンスタンドを考える議員の会(GS議連)ら国会議員の支援を受けて、資源エネルギー庁をはじめ、公正取引委員会など関係機関に独禁法の改正を強く求めてきた。
 こうした運動の結果、独禁法改正案が2008年の通常国会に提出されたが、審判制度に異議を唱える野党との協議が難航し成立せず廃案となった。しかし、公取委では早期の実現を図るため、同法案を一部修正し今回の独禁法改正案を取りまとめた。
 改正案では不公正取引への抑止力を高めるため、課徴金の適用範囲を、競合他社を市場から締め出す「排除型私的独占」や、不当廉売、差別対価、優越的地位の濫用にまで拡大したほか、差止訴訟における文書提出命令を導入する。
 一方で、談合・カルテルに対しても課徴金を減免する企業数をこれまでの3社から5グループ(子会社を含めグループ会社を1社とする)に増やすほか、「主犯格」企業への課徴金は5割増しにする。罰則も懲役3年から5年に引き上げる。