2008年10月


◆ 総合エネ調政策小委・「エネルギー高度化利用促進法」を提言
    
(10月31日付)


   資源エネルギー庁は29日、総合資源エネルギー調査会総合部会第2回政策小委員会を開催し、エネルギー供給構造の高度化に向けた事業者による取り組み状況と今後の方向性についてヒアリングした。石油業界から石油依存度低減や今後の石油の高度利用に向けた取り組みについて報告。2030年においても石油は一次エネルギーの約4割を占めることから、基幹エネルギーとして位置付けるべきと強調した。また、「代エネ法」を廃止し、新エネルギーの革新技術、石油など化石燃料の高度化利用技術の開発・普及などを主眼に置いた「エネルギー高度化利用促進法(仮称)」の制定を提言した。

石油などの事業者ヒアリングを行った政策小委




◆ 中小企業向けの緊急保証制度が拡充
  (10月24日付)

   政府が「安心実現のための緊急総合対策」の一環として決定していた中小企業向けの緊急保証制度の拡充内容が10月21日までに固まり、31日から利用可能になった。石油販売業者は10月1日から中小企業信用保険法に基づく特定業種になっていたが、今回、この特定業種の指定要件緩和によって185業種から545業種に拡大、個別企業に関しても認定要件のハードルが低くなった。
 緊急保証制度は原油・原材料の高騰や仕入価格の高騰の影響を強く受けている中小企業者を対象に、民間金融機関からの融資を受ける際に信用保証協会が保証するもの。
 信用保証協会の保証付き融資制度には一般保証(普通保証2億円、無担保保証8,000万円)があるが、今回の緊急保証では一般保証とは「別枠」で保証(普通保証2億円、無担保保証8,000万円)が可能となる。
 この緊急保証を受ける事業者の認定要件も、過去3ヵ月平均の売上高または販売数量の減少率が平均5%以上、直近月は7%以上だったが、緊急保証では平均3%以上、直近月5%以上となった。
 保証の申請に当ってはこうした売上減少や転嫁困難について市町村長の認定を受けることが必要で、金融機関に借入申込みを行う際には別途、保証協会の審査を受けることになる。
 また、従来制度では3ヵ月ごとの指定見直しのため石油販売業は12月末に指定期限が切れる可能性があったが、今回の拡充で2010年3月末まで指定が大幅延長された。





◆ 近畿・新仕切りが招く競争激化
  (10月22日付)

   10月に入って急速に石油製品価格が値下がりしていることに、近畿各地の中小業者に不安が募っている。「3日ごとに2円程度は価格を引き下げる給油所と競争になるのか」と底なしの市場軟化を危ぶむ業者にとって、「経営判断をなにに求めるべきか」との戸惑いが生じている。
 新仕切り体系への移行に伴い、急速に石油製品価格が下方修正され、近畿圏の激戦地では140円台のガソリン価格が散見されている。前週まで150円台、月初には160円だったことから、ほぼ毎週大幅な値下がりが続いていることになり、1給油所オーナーは「これが週決め方式なのか」と脅威を感じている。
 新日石系業者も「毎週自社の仕切りが事前に把握できるという点で確かにわかりやすくなったが、それを先取りして値下げに動く給油所もあるようだ」と指摘する。実際、市場では月曜日に価格改定を行う給油所よりも、週末や週半ばから価格を引き下げる給油所が多く、競争激化の要因ともなっている。
 業者は「少なくとも元売子会社給油所は新仕切りによる価格改定を実行してもらいたい。それすらできなければ週決め方式は意味がない」と販社のモラルが市場に必要と訴える。
 EM系業者も「我々は長く週決め方式を続けてきた経験があるが、それでここまで市場価格が急速に下降することはなかった」とし、市場性の変容に疑問を投げかけている。




◆ 新仕切り方式に不満大
  (10月17日付)

   新日本石油と出光興産が新仕切り方式を導入して半月が経過した。そこで、この新方式やマーケットへの影響について、両元売系列とその他系列販売業者にその評価を聞いた。公正・透明な市場構築との説明付きで始まった新仕切り方式導入について、「市場格差の是正を期待する」「これで不透明さが払拭されれば」などの期待の声の一方で「定着するまでまだ時間がかかるのでは」など評価はこれからとの見方もある。新日石の現物業転と先物連動を軸にしたフォーミュラについて「ギャンブルのようなもの」「選択次第で価格が大幅に違う。これでは安いほうを基準にした市場競争になってしまう」などの不満の声があるものの、出光の場合は「新日石に比べ透明性が低い」という見方も。導入タイミングの悪さや指標価格の乖離などの要因もあり、取材したほとんどの事業者が評価に戸惑い、すでに不満を持ち始めているのが実情だ。




◆ 新仕切りでSOSの声
  (10月15日付)

   「16円もの格差は許容し難い。これでは透明・公正どころではない」― 10月から導入された週決め新仕切りについて、批判の声が急拡大している。特に業転現物と先物連動を軸としたフォーミュラ提示を行った新日石指標で大幅な価格差が生じたことから、「担当から現物連動を勧められたが、これでは話にならない」などの声が強まっているもので、「先物連動に急きょ切り替えた」特約店も出ている。
 原油価格が急降下するなど、新仕切りを取り巻く相場は異常な局面だったが、「陸上現物が不当に高過ぎる。なんらかの恣意性を感じる」と受けとめる特約店が多く、現物相場に対する疑義の声が急浮上している。




◆ ジャパンエナジーも11月から新仕切り方式
  (10月10日付)

   ジャパンエナジーは11月1日から、石油製品の卸価格体系の公平・透明性を高めるため、大手調査会社の卸価格情報を基本に、ブランド料や物流経費などを加えたマーケット連動型の週決め・新価格体系に移行することにした。前週水曜日~火曜日の平均値を水曜日に通知し、土曜日~翌週金曜日に適用する。先物指標は利用しない。ボリュームインセンティブや販売店向け卸格差なども設ける。
 特約店の合意を得て新価格体系に変更する覚書を締結、当面は2009年3月末まで適用するが、基本的には4月以降も継続していく考えだ。卸価格情報は従来通りで非公表。




◆ 青森の量販店・柿本石油が破産
  (10月8日付)

   青森県の柿本石油は10月6日から全給油所(25ヵ所)の営業を停止した。従業員は同日、全員解雇し、今後は破産手続きを進める方針。県内最大手給油所の突然の営業休止だけにプリペイドカードなどを購入していた地域の消費者にショックを与えている。
 同社給油所は5日午後から店を閉める動きが見られ、ガソリン在庫切れなどの掲示が出されて6日に休止が表面化した。給油所は県内にフル給油所3ヵ所(JOMO系)と、「カキモト」のプラーベートブランド(PB)のセルフ(21ヵ所)と岩手県二戸市のセルフ1ヵ所を運営している。PBのセルフは4年前から出店を加速させており、昨年だけでも7給油所、今年に入ってからは2給油所を県内に開所している。価格はフリー価格、現金会員価格に加えて、プリカ(3種類)による割引価格を店頭表示し、消費者に安値販売をアピールしていた。新規給油所は他社給油所近くに開設するなど、各地で過当競争に拍車をかけていた。今回の営業停止はこれらの店舗拡大と安値販売により、資金繰りが困難になったためと見られている。
 これから本格的な灯油需要期を迎えるが、業界関係者は「供給については問題ないが、配達体制が心配」と見ている。プリカや灯油前売券は販売金額が不明だが、購入している消費者も多く、営業休止が表面化した6日から県消費生活センターに問い合わせが相次いでいる。
 プリカについて未使用残高が1,000万円以上の場合は、その2分の1以上を発行保証金として法務局に供託(3月末と9月末)する必要がある。倒産などで支払いが不可能となった場合は、この供託金を原資として額面金額の一部について払い戻しを受けることができる。東北財務局によると同社の場合は3月末時点の供託は行っているが、9月末時点については行われておらず、3月末時点の供託金だけが原資となる。




◆ 公取委・発券店値付けカード問題で処理公表
  (10月6日付)

   公正取引委員会は10月3日、新日本石油による発券店値付けカードに係る独占禁止法違反被疑事件の処理について発表した。この中で、①新日石の他の販売先に対する販売価格に比して著しく低い販売価格でガソリンを販売している疑い(差別対価)②販売業者が希望しないにも関わらず同カード所有のユーザーに給油することを余儀なくさせ、不当に不利益を与えている疑い(優越的地位の濫用)で審査を行った結果、①の差別対価については独禁法違反の事実は認められないとした。②の優越的地位の濫用については、同社が一括加入方式を変更し、販売業者が同カードの取り扱いを自由に選択できるようにすると申し出たことから審査を終了。引き続き、同社のカードに係る制度及び運用の状況を注視していくとしている。
 新日石では「十分な説明期間を設けたうえ、規約を変更し、来年度からの変更を予定している」とコメントした。