2008年07月


◆ 政府の漁業支援決まる
    
(7月30日付)


   政府・与党は7月28日、燃料油高騰によって経営に苦しむ漁業者に対し燃料費の増加分の9割を国が補てんするなどの緊急対策実施を決めた。省エネ実施を条件にしているが漁業者に対する事実上の直接補てんであり、政府の原油高騰対策としても異例の措置が講じられることになった。補てんに充てる予算額は80億円だが、同日行われた自民党水産合同部会では「これではとても足りない」という声が早くも出ており、今後、補正予算などで追加投入することになりそうだ。  5人以上の漁業者のグループが操業の合理化によって、燃料油の消費量を10%以上削減した場合、2007年12月以降の価格上昇分の9割を国が負担する。
 事業の実施期間は1年間としているが、最大2年まで延長可能。




◆ 多重価格表示で公取委の見解得る
  (7月25日付)

   全石連の西尾恒太(経営部会長)、河本博隆(専務理事)の両副会長は7月23日、公正取引委員会の中島秀夫取引部長を訪ね、給油所における価格表示の適正化に関する公取委の見解を聞いた。
 全石連は「販売不振が元凶と見られる」給油所店頭看板の多重価格表示が増えている実態を重視、消費者とのトラブル防止の観点から、表示の際の注意点などを聞いたもので、応対した中島部長、神宮寺史彦取引企画課長は、「価格高騰によって消費者の価格と表示に関する意識は高まっている。消費者に誤認されないよう、給油所側が細心の注意を払うことが必要」などと総括した。





◆ 今村農水副大臣に支援要請
  (7月18日付)

   全石連の関正夫会長と巻田廣吉農林漁業部会長、河本博隆副会長・専務理事は7月16日、若林正俊農林水産大臣と今村雅弘同副大臣に対し、「原油高騰によって農林漁業者が厳しい経営を強いられている」として一層の経営安定化対策の実施を求める要望書を提出した。対応した今村副大臣は「即効性のある対策の実施が必要だ。政治として補填などの思い切った支援を実現したい」と話した。
 燃料代がコストの多くを占める農林漁業ではA重油価格が5年前の3倍に上昇し、水産業で休漁などを余儀なくされている。こうした影響から農林漁業向けA重油の販売量も5年前に比べて約3割減少、これらの燃料を販売の主力としている販売業者の経営に深刻な影響を及ぼしている。巻田部会長は「農林漁業用燃料の需要維持を図る観点から、農林漁業者の経営安定化を図る一層の施策を講じられたい」と強く要望し、関会長も「農林水産業も大変だが、我々も大変な状態。ぜひとも効果のある対策を」と訴えた。
 設立当初からのガソリンスタンドを考える議員の会メンバーでもある今村副大臣は「原油高騰の影響が石油販売業にも影響を及ぼしていることは十分理解した。思い切った政治判断が必要」と話した。

今村副大臣(正面左)に実情を説明する関会長ら




◆ 西尾経営部会長がエネ庁にカード問題で要請文書
  (7月18日付)

   全石連の西尾恒太経営部会長は7月16日、資源エネルギー庁の岸敬也石油流通課長に対して、「元売指定クレジットカードの手数料率引下げ」および「発券店値付カードの手数料システムの改定」を求める行動を推進するうえでの積極的な支援を要請(要請文書は別掲)した。
 今回の要請は、ガソリンなどの小売価格が高水準となる中、給油所経営はさらなる低マージン状態に陥っているにも関わらず、指定クレジットカードの手数料率が高止まりし、一方で発券店値付カードの手数料が、低率・低額のまま据え置かれ、給油所経営を圧迫している現状を改善するため、経営部会長として率先行動を行ったもの。
 具体的には、元売指定クレジットカードについては現在、2.3%前後とされる平均料率を「2%」レベルまで引き下げること、発券店値付カードの給油代行手数料については現在のガソリン5~7円、軽油4~5円という金額を定めるのではなく、販売価格の「10%」水準を目途とする新しいシステムに改定することを求めていく。

岸課長に要請文書を渡す西尾経営部会長(右)




◆ 提携カード手数料が給油所経営に大重圧
  (7月16日付)

   ガソリン価格が180円を突破するなど、小売価格が急上昇する中で、クレジットカード手数料負担の増大に給油所の経営危機を訴える声が相次いでいる。ガソリンマージンが一向に改善されない中で、手数料負担が経営の大きな足かせとなってきているためで、「石油業界一体となった手数料の低減運動を実施すべき」との声が高まっている。
 現在、元売カードの手数料が1%前後なのに対し、一般提携カードでは2.3~2.5%にまで跳ね上がる。単価180円とすれば手数料だけで4~4.5円にもなり、「乱売競争の激化で採算確保が厳しい市場ではガソリンマージンそのものが吹き飛んでしまう」(埼玉県・出光系)と悲鳴を上げる。
 また、単価上昇によって、カード利用率も高まってきており、給油所の経営負担もさらに増してきているという。ある販売業者は「ガソリン満タンで約1万円にも達するため、カード利用率が高まっており、約3割にまで膨らんでいる。利用率が高くなればなるほど利益が減っていくという感じだ」(静岡県・EM系)と、戸惑いの色を隠さない。
 一方で手数料の仕組み事態を変えるべきだと主張する声も高まっている。「業界を挙げて手数料低減を運動していくべき。そもそも税金を含めた小売価格に手数料を掛けることが自体がおかしい。少なくともガソリン税を差し引いた本体価格に掛ける仕組みに変えるべきだ」(神奈川県・コスモ系)と強調する。
 さらに、顧客の囲い込み戦略でカード発券に力を入れている元売各社に対しても、「元売カードの手数料もバカにならない。そのうえ、カード値引きまで行っており、利益を吐き出しているだけ。カード戦略そのものを見直すべき」(神奈川県・新日石系)と強く訴える。




◆ 関東支部が元売に需給調整と卸体系是正迫る
  (7月14日付)

   全石連関東支部は7月9日から各社の販売トップに市場正常化に向けた需給調整と不透明・不公平な卸体系の是正、元売子会社の末端市場での率先垂範を強く要請する元売歴訪をスタート、9日にコスモ石油と新日本石油、10日にはジャパンエナジーと出光興産を訪れた。各社販売トップは、需要減退による需要変化や給油所を取り巻く経営環境の悪化など、危機意識を共有していることを強調し、需給調整や新たな卸体系の構築など、販売政策の見直しを進めていく方針を示した。なお、16日に昭和シェル石油とキグナス石油、18日にはエクソン・モービルを訪問する。

関東支部の市場正常化に向けた元売歴訪をスタートした(写真は出光)




◆ 中間3品卸暴騰で軋む販・消関係
  (7月9日付)

   原油高を上回る中間3品の高騰によって、販売業者と需要家との軋轢が高まっている。安定供給をベースに永年の信頼関係で培われてきた関係に、原油高、アジア製品高が大きく立ちふさがっているもので、販売業界からは、相対交渉が主流だった価格決定方式の刷新、再構築を求める声が高まっている。
 原油高が進む過程で、まず2007年末からA重油の需要ひっ迫が発生、さらに08年3月ごろから灯軽油を含む中間3品の卸価格がアジア市況に牽引される形で値を飛ばした。大口の卸価格が連動する国内指標は、現物、先物ともに急騰し、税別ではガソリンが100円/リットル前後であるのに対して、灯油とA重油は119円前後、軽油は124円前後まで上昇している。
 一方の大口納入価格、インタンク物は急上昇しているものの、卸の実勢には追いつかない状況で、販売サイドの利ざやは極小化しているのが現状。ところが需要家サイドからは高値に対する批判が強烈になっており、「交渉不発を売り惜しみと捉えられている」状況も生じている。
 「需要家の経営状況も不安が増している」中で、販売サイドからは「東工取などへのA重油の新規上場、軽油の再上場を研究し、相対型から交渉から、双方が自己責任で納得できる国内市場の再構築が必要」との指摘が聞かれる。具体的には「現在進行しているエネ庁研究会へのトラック事業者などの参加」で、「需要家自身がリスクヘッジできる市場構築を目指す」ことが求められている。






◆ 近畿・「石油製品斡旋」に期待高まる
  (7月2日付)

   高仕切りが続く中、近畿各地の石油販売業者から組織の石油製品斡旋事業に関心が高まっている。業転価格差が広がる中、「少しでも安い玉を手当てしなければ商売は成り立たない」という業者が多く、兵庫、奈良、大阪の各石油組合が行う斡旋事業に期待する声は高い。
 通常仕切りが高騰を続ける中、業転価格との格差は広がるばかり。すでに「10円程度は開いてきたはず。次月値上げでさらに拡大することも考えられる」というのが関係者の見方だ。業者間の仕切り高騰への反応も敏感になり始めており、「大阪府石油組合が石油製品斡旋を開始したのは英断だった」と同石商の取り組みを絶賛する業者もいる。
 商社関係者は「次月仕切り値上げとガソリン在庫状況を考えれば、通常仕切りと業転価格の格差が広がることは十分あり得る。その際の流動性が夏場の需要を決める」と判断しており、石油製品斡旋事業の意義がさらに高まる局面を迎える。