2008年03月


◆ 公取委見解「根拠なき率先値下げは不当廉売」
    
(3月28日付)


   自民党の「ガソリンスタンドを考える議員の会」(GS議連)は3月27日の役員会で、暫定税率問題に関して、石油販売業界の代表から給油所現場で想定される混乱について実情を聴取した。議連幹部らは、期限切れまで4日となっている中、税率維持に向けて最後の努力をしていると説明、改めて販売業界の窮状に理解を示した。同席した公正取引員会は「25.1円の現行暫定税率のままで、仕入価格が下がらないにも関わらず、シェア拡大を目的に『率先』して値下げした場合は、不当廉売にあたる疑いがある」、差別対価についても「給油所は自分がどこのタンクから配送されるのか決める立場になく、格差をつける場合は、(元売などは)理解を求める必要がある」という認識を示した。
 一方、GS議連は「差別的な行為をすべきでない」とし、「不公正取引が起こらないように強いメッセージを発信する必要性があるのではないか」と指摘した。  また、暫定税率が期限切れとなった場合、手持ち品減税や資金繰り対策の実施を要望。また買い控えによる資金繰りショートの回避や地方、中小の格差など、想定される影響が想像以上に大きいことを強調した。




◆ 全石連が「手持ち品減税」を要請
  (3月26日付)

   全石連は3月24日に緊急正副会長・支部長会議を開催し、ガソリンと軽油の暫定税率の期限切れ問題を集中議論し、3月31日に期限切れを迎えた場合、「手持ち課税済み在庫に対する税率引き下げ分の還付措置の実施」の一点に絞って、政治、行政に強力に求めることで一致した。期限切れを迎えた場合、「現状の課税ルールに従って、在庫を回避する動きが生じれば、緊急車両などへの安定供給さえ担保できない恐れが生じる」ことを重視、「安心して手持ち在庫を確保できる唯一の方策」として、暫定税率が課税された流通・給油所在庫に対して税率引き下げ分の還付措置を講じるように求める。




◆ 暫定問題で元売が系列へのサポート告知が本格化
  (3月21日付)

   暫定税率の期限切れ問題に伴う元売各社の系列サポート告知が本格化している。「石油業界の責務である安定供給の確保を目的に、想定される課題への対応や事前準備を施す」、「必要以上の混乱を避けるため、事前に準備可能なものに対しては対処する」ことが目的で、ガソリンと軽油に対するオーダーの集中に対する予防策、給油所店頭における留意点などを列記している。
 オーダーに関するものは「3月中旬以降に買い控えが顕在化し、4月1日には大量の需要が発生する」ことを前提にしており、「現状の生産、在庫、物流能力では対応しきれない」との主旨というもの。また、POSに関しては、「税額設定に関して、給油所個別に単価設定できるようにプログラム変更を実施する」、「税額変更ツールを3月最終週に配信する」、「間もなく対応を案内する」などとしている。
 また、各社ともに「課税済み在庫への税還付・戻入控除について、財政当局が対応するか否かは不透明だが、日々の在庫管理は確実に実施」するように求めるとともに、行政支援を含めた全業界PRを前提に「新税率適用の小売販売には時間を要すること」、「旧税在庫を新税価格で売ることで発生する経営リスク」に言及するケースもある。




◆ 暫定問題で石連へガソリン税支払猶予要請
  (3月19日付)

   現在、国会において議論されているガソリン税の暫定税率期限切れ問題に関して全石連は3月19日、石油連盟に対し、万が一期限切れとなった場合、同連盟傘下の元売各社が、系列特約店の3月分のガソリン仕入代金の内、ガソリン税相当分の支払期限を2ヵ月間猶予する措置を講じるよう文書で要請した。全石連はこの要請に伴い、与党に対し揮発油税法で決められている揮発油税の納付期限を、2ヵ月間延長するよう、法的対応を要望する方針だ。
 多くの給油所事業者は通常、元売からの仕入代金を翌月の末日に支払っている。しかし仮にガソリン税の暫定税率が期限切れとなり、4月1日から25円/リットル下がった場合、売り上げ収入の減少により資金不足となり、3月に仕入れた暫定税率込みの代金の支払いが困難になることは確実だ。このため給油所事業者の資金繰り対策として、3月分の仕入代金の中のガソリン税相当分に限って、支払期限を2ヵ月間猶予するよう要請したもの。
 一方で、元売各社がこうした系列特約店の資金繰り対策を講じた場合、元売側にも資金負担が生じることになる。そのため全石連は与党に対しても、揮発油税法で1ヵ月とされている元売の法定納付期限を2ヵ月延長し、「3ヵ月」とするよう、議員立法などで実現されるよう要望する。





◆ 暫定問題で甘利経産大臣に流通混乱回避を要請
  (3月14日付)

   全国石油政治連盟の森洋会長と全石連の河本博隆副会長・専務理事は3月12日、甘利明経済産業大臣に会い、ガソリン税と軽油引取税の暫定税率が期限切れした場合の石油流通市場の混乱回避を要請した。甘利大臣は期限切れとなった場合の国民生活の混乱については十分理解しているとしたうえで、「期限切れが起きないよう政府として最大限努力している」と述べ、石油販売業界と密接に連携していく方針を示した。
 甘利大臣には関正夫全石連会長、森油政連会長の連名による要望書を手渡すとともに、万一、暫定税率が期限切れとなった場合に想定される石油流通市場の混乱について説明した。一方で、給油所事業者は3月の仕入代金を4月の税額が25円安い販売代金から支払うため、資金不足の懸念もあり、中小石油販売業者の経営が危機に陥る事態も想定されることから、そうした場合は資金繰り支援のための政策的対応が必要と強調した。
 森会長と河本副会長は甘利大臣にこうした状況を説明したうえで、「この混乱で消費者の安全、安心が脅かされることになる。こうした事態はぜひとも回避していただきたい」と強く訴えた。

甘利大臣(右)に混乱回避を要望する森油政連会長(中)と河本全石連副会長




◆ 独禁法改正が閣議決定
  (3月12日付)

   公正取引委員会が提出した独占禁止法改正案が11日、閣議決定された。改正独禁法では、不当廉売など不公正な取引方法などに対しても課徴金適用(原則2回以上、繰り返した場合)の範囲を拡大するもので、課徴金適用(2回規定)は過去10年間を遡り実施される。さらに不公正な取引方法に係る差止請求訴訟で、違反行為者に対して帳簿などの文書を証拠提出させることができるようになる。全石連・油政連は公正競争の実現に向け、独禁法改正の必要性を訴え、強力な要望運動を行ってきたが、その多くが改正独禁法に盛り込まれた。
 今回、閣議決定した改正独禁法では、「不当廉売」「差別対価」「共同の取引拒絶」「再販売価格の拘束」などの違反要件を正式に法定化した。また、従来までは、不当廉売や差別対価などの差止請求訴訟を行う場合、原告側が違反行為を立証するために被告側の売上伝票などを提出することが困難だったが、改正独禁法では裁判官が被告に文書を提出するよう命令できる。改正独禁法は、国会の承認を得てから15ヵ月以内に施行される。




◆ 自民党谷垣政調会長に暫定税率問題で危機感訴え
  (3月10日付)

   全石連の関正夫会長らは3月6日、自民党の谷垣禎一政務調査会長に会い、ガソリン税などの暫定税率が期限切れとなった場合の給油所店頭での混乱や経営への影響を具体的に説明、「25円もの値下げはこれまで一度もなく十分な準備もできていない。安定供給が損なわれないよう与党として適正に対応していただきたい」と要望した。谷垣政調会長は「取引の現場で混乱が起きることは我々も懸念している。自民党として全力で取り組む」と応じた。
 「ガソリンスタンドを考える議員の会」からは吉田六左エ門副会長が同席し、「暫定税率が突然に下がることで、中小の石油販売業者が犠牲になることはなんとしても避けなければならない」と強調した。
 西尾恒太副会長は「期限切れの場合、3月仕入分の代金を4月に元売に支払うことになるが、税額の違いで資金ショートするのは確実」と中小給油所の経営深刻化を訴え、さらに「3月末に買い控えた顧客が4月に殺到した場合、在庫切れなどミニパニックに陥る」と懸念した。
 森洋油政連会長は「4月以降の税額が、3月31日ぎりぎりまで決まらないのは非常に困る。早く決着していただくことが必要だ」と訴えた。





◆ バイオ燃料対応で品確法一部改正
  (3月5日付)

   経済産業省が提出していた「揮発油等の品質の確保等に関する法律」(品確法)一部改正案が3月4日、閣議決定された。改正品確法は適正な燃料品質の確保を目的に、E3、BDFといった直接混合型バイオ燃料の混合拠点となる可能性が高い油槽所に対して、従来、品確法の対象外であったことも踏まえ、新たに事前登録や品質確認の義務付けを追加する内容。閣議決定を受け今通常国会に図られ、2008年中に施行する予定。改正品確法の施行に伴い、バイオエタノール分に相当するガソリン税の軽減措置(13年3月末まで)もスタートする方針。
 品確法ではガソリンにエタノール3%、軽油にBDF5%のバイオ燃料を混合することが認められている。また、燃料品質の確保を目的に製油所・輸入基地に対しては品質確認義務、給油所もガソリンに関しては販売登録、品質分析義務の義務付けがある一方、これまでは中間流通の段階である油槽所に対しては、品質面における規制措置がなかった。
 石油製品の流通に限定されていた従来までと異なり、特にE3、BDFといったバイオ燃料は、油槽所において直接混合される可能性が高く、今後、両燃料の利用拡大が見込まれることも踏まえ、法改正に踏み切るもの。改正後は、ガソリン、軽油にバイオ燃料を混合する油槽所については①専用のブレンダー装置などを有していること②違反歴がないこと-の2点を必須要件に事前登録させたうえで、混合ガソリン・軽油の品質確認義務が追加される。





◆ 埼玉・新藤経産副大臣に公正取引実現訴え
  (3月5日付)

   埼玉県石油組合の星野進理事長と同川口支部の岡本清憲支部長は先ごろ、経済産業省を訪れ、新藤義孝副大臣に対し、最近の需給情勢や石油販売業界の現状について説明し、中小企業対策の強化・拡充を要請した。
 埼玉選出の国会議員であり、ガソリンスタンドを考える議員の会のメンバーでもある新藤副大臣に対し、星野理事長と岡本支部長は、自由化を契機とした過当競争の激化で、経営体力の脆弱な地場の中小販売業者が淘汰・廃業に追い込まれているほか、元売子会社給油所の進出によって、市場環境の混乱が拡大している現状を説明し、中小企業支援を訴えた。また、仕切り格差の問題など不透明・不公正な取引慣行が市場混乱の元凶となっていると指摘し、公正取引の実現に向けた支援を要請した。
 これに対して、新藤副大臣は「最近の原油価格の高騰によって、石油の重要性やエネルギーセキュリティーの問題が大きくクローズアップされてきている。石油の重要性をさらにアピールしていくことが必要」とし、エネルギーセキュリティーの問題から石油流通市場のひずみを解消していくことが必要との認識を示した。