2008年02月


◆ 自民党幹部団が給油所の実情を視察
    
(2月29日付)


   自民党の石油価格高騰に関する中小・零細企業視察団は2月27日、東京都荒川区の東和興産プレステージ三ノ輪給油所を訪れ、伊吹文明幹事長、谷垣禎一政調会長、吉田六左エ門、松島みどり、後藤茂之各衆議院議員、中川雅治参議院議員が価格転嫁状況や経営課題などをヒアリング、給油所業界側は林彰社長のほか全石連の河本博隆副会長・専務理事、東京都石油組合の飯田金廣理事長と酒井英彦副理事長が応対し、価格転嫁が困難な実態や厳しい経営環境を説明するとともに、暫定税率問題に伴う混乱回避を強く要望した。
 懇談の中で伊吹幹事長は「暫定税率の期限切れが起こらないように関連法案を必ず通す必要がある」と伝える一方、過当競争下での転嫁状況や元売・消費者との取引環境に強い関心を示し、これを質した。また、谷垣政調会長も予算の成立に全力をあげる考えを強調するとともに「給油所の転嫁対策、独禁法改正などがポイント」と強調した。
 これに対して河本副会長・専務理事は、仕入れコスト上昇や転嫁不足、需要の減退、元売直売の増勢と中小給油所の劣勢などの厳しい経営実態を説明したうえで、「販売業者が元気をなくしている。地下タンクの二重殻化なども大きな課題であり、再投資のできる事業環境の実現に向けた支援が必要」と訴えた。飯田理事長は「都内給油所は6割が消えた。仕入価格差の問題などで地場中小業者は太刀打ちできないのが実情。このままでは地域貢献や灯油配達といった社会的責務に支障を来たしかねなくなる」と訴えた。
 また、酒井副理事長は「元売は、特約契約で縛りつけている中小業者から値取りし、その原資を大手の安売りに回している」などと説明、松島議員と中川議員も元売直営給油所や発券店カードを例に取引条件などの問題点を指摘。伊吹幹事長は独禁法改正で対応する考えを示し、吉田議員は「不公正取引の課徴金をもっと厳しくするよう議論したい」と強調した。さらに、林社長が暫定税率問題に絡んでタックスオンタックスにも言及、伊吹幹事長は「消費税率が上がる時に併課調整はしないといけないと思う」と応じた。

伊吹幹事長、谷垣政調会長(右手前から3人目、4人目)らが
セールスルームの一角で販売業界(左側)と意見交換した




◆ 「暫定税率期限切れ」を国会で初質疑
  (2月25日付)

   道路特定財源に関する集中審議が行われた2月21日の衆議院予算委員会で、暫定税率が仮に3月31日で期限切れとなった場合の市場混乱の可能性を巡って初めて質疑が行われた。期限切れ問題について石油業界は、税額の大きな乱高下は市場に混乱を招くと訴えている。しかし、国会ではこれまでまともな議論もされていない。自民党の道路調査会長でもある山本有二議員(高知3区)は給油所の営業利益率を示したグラフを示しながら、「ガソリンスタンドの経営が苦しくなる」などと実情を説明し、さらに市場の混乱が巻き起こす国民への深刻な影響について訴えた。
 山本議員は「暫定税率廃止の場合、給油所のタンクにある在庫分も税転嫁しなければならないのに、税額が下がったと宣伝され、商売が成り立たなくなる危険性がある」「資金力のあるところが税金分を値引きした場合、まじめに(在庫分を)転嫁しようとする小さい店や売上げの少ない過疎地の業者は営業を続けられなくなるのではないか」と指摘。こうした現象は、「国民にも大変な不利益をもたらす」などと懸念を示した。
 政府側で答弁に立った甘利明経済産業大臣は、「暫定税率廃止後、在庫分に『これは税金がかかっている商品ですから』といって価格転嫁するのは難しい」、また「3月分の代金を、安く売らなければならない4月分の売上げから支払うことになり、資金不足を起こす可能性がある」として、石油販売業の経営に深刻な影響が及ぶ可能性を懸念した。




◆ 民主党と公明党が独禁法改正問題で全石連にヒアリング
  (2月18日付)

   民主党の「独禁法・競争政策プロジェクトチーム」は2月14日、日本弁護士連合会と全石連を呼び独禁法改正問題についてヒアリングを行った。翌15日には公明党の「独禁法調査検討委員会」も全石連、日弁連に加え日本経済団体連合会に対しヒアリングを行った。両党は、このほど公正取引委員会が独禁法改正案を取りまとめたことから、今後の国会審議に向けて関連団体を対象に直接意見を聞いたもの。
 民主党ヒアリングでは、公取委が改正案で示した不公正な取引方法に対する課徴金導入について「われわれも課徴金導入を訴えてきたが、改正案のように2回目からの課徴金でいいのか。1回目からでなければ効果がないのではないか」などの疑問が示された。
 公明党ヒアリングでは、中小給油所業者の実情について質問が相次ぎ、課徴金制度の抑止効果についても意見が交わされた。




◆ 自民党独禁調に公取委が独禁法改正案示す
  (2月15日付)

   公正取引委員会は2月14日の自民党・独禁法調査会に今国会に提出予定の独占禁止法改正案を提出した。今回示した改正案では、これまで告示で示していた「不当廉売」「差別対価」「共同の取引拒絶」「再販売価格の拘束」などの違反要件を正式に法定化するとともに、これらの行為を繰り返した場合、2回目以降を課徴金の対象にすることにした。「排除型私的独占」と「不当廉売などの不公正な取引方法が繰り返し行われた場合」には、違反行為者の対象商品などの売上額に対し、小売業の場合2%、卸売業の場合1%の課徴金が課されることになる。また、不公正な取引方法に係る差止請求訴訟において、違反行為者に対し帳簿などの文書を証拠として提出させることができるようになった。さらに、不公正取引事案を迅速に解決するために公取委と他省庁が連携して調査する体制も整備する方針とした。全石連、油政連は公正な市場競争の実現に向け強力な要望運動を行ってきたが、その多くが改正案に盛り込まれる見通しとなった。





◆ 埼玉・組合脱退理由の8割が「廃業」
  (2月13日付)

   自由化以降長引く市場混乱による経営悪化を背景に、給油所を廃業、組合を脱退する動きが埼玉県内で増加している。埼玉県石油組合が先ごろまとめた組合員異動状況によると、1月末現在で脱退者数は35人にのぼり、昨年度の48人に迫る勢いで推移していることが明らかになった。県内ではセルフ給油所の急増、元売子会社のシェアアップ、異業種給油所による安値拡販政策などによって採算を度外視した乱売競争が拡大。地場の中小販売業者が淘汰・廃業に追い込まれるケースが増えており、不透明・不公正な取引慣行の是正による市場安定化を求める声が一層高まっていきそうだ。
 脱退理由の内訳を見ると約8割が廃業で、地場の中小販売業者が大勢を占めている。
 給油所廃業を決め組合に脱退届けを提出したある販売業者は、「元売子会社やフリートの安値攻勢で顧客を奪われ経営を維持していくのが困難になった。後継者もなく、このまま商売を続けていても赤字を増やすだけでなんのメリットもない。廃業を決断した」と、廃業を決断した苦しい胸の内を明かす。
 また、別の販売業者は「長年商売を続けてきた給油所には非常に未練もあるが、現在の環境下で我々のような中小零細業者ではとても経営を維持していくことはできない。資本力のある元売子会社、フリート、異業種だけしか生き残れないような業界でいいのか疑問に思う」と、大手を中心とした末端市場の寡占化に疑問を呈する。




◆ 関東支部・再び元売へ子会社への経営指導強化求める
  (2月8日付)

   全石連関東支部は2月6日、先月末の元売3社への訪問に続き、コスモ石油、昭和シェル石油、ジャパンエナジーの3社に加え伊藤忠エネクスを訪問した。元売3社には前回の元売訪問と同様に、ガソリンの需要環境に応じた需給調整の強化や元売子会社給油所による市場正常化に向けた率先垂範を強く求めた。また、伊藤忠には系列販売店に対する再投資可能な適正マージンの確保に向けた経営指導の強化や経営支援を要請した。
 森支部長は元売各社に対し、「末端市場に大量に溢れている安値業転玉が関東1都10県の市場混乱の元凶である」と、需給調整の強化を訴えた。また、「過当競争の結果、末端ではどんどんマージンが薄くなっている。右肩上がりに需要が伸びていた時代のマインドをリセットし、適正マージンの確保というマインドに変えていかなければ、精販ともに生き残れない」と意識改革の必要性を強調した。
 これに対して、各社とも現在の末端市場混乱に販売業界と共通の認識を持っていることを指摘、子会社への経営指導の徹底を約束するとともに、適正マージンの確保による市場正常化の重要性を訴えた。

適正マージンの確保に向けた各社の販売政策の強化を訴えた関東支部
(写真は昭和シェル)




◆ シンエネが首都圏へ出店攻勢
  (2月4日付)

   関東を中心に大型量販給油所を展開するエクソンモービル系のシンエネ・グループが新たに5給油所の出店を予定している。群馬県大田で3月末にオープン予定としているほか、茨城県水戸と真鍋(土浦市)、神奈川県鵜野森(相模原市)、東京都昭島のオープンを見込むなど、出店計画が目立つ。市場影響力の大きい量販業者の動きに地場業者は注目している。
 ホームページによると、グループ会社はシンエネ、シンエネコーポレーション、サシマ石油など。茨城11、栃木6、千葉3、東京1、関西でも京都4、大阪と奈良に各1の合計27給油所を運営している。

東京・昭島では6月着工、9月完了予定の建築計画が掲出された




◆ 5年ぶりにガソリン販売6,000万キロリットル割れ
  (2月1日付)

   資源エネルギー庁が1月31日発表した2007年の石油統計速報によると、ガソリン販売量は前年比112万キロリットル減の5,982万キロリットルとなった。減販は2年連続で、減少率は前年の1.1%から07年は1.7%に拡大、5年ぶりに6,000万キロリットルの大台を割った。省エネ車の普及拡大などに加え、大幅な原油高を受け、節約傾向が高まり、需要減退が生じたとみられる。
 灯油はさらに深刻で、12.4%減の2,306万キロリットルに大幅減少した。10%を超える減少率は2年連続で、この2年間で計650万キロリットルの需要減退が生じている。都市ガスやオール電化など、競合エネルギーへのシフトが進んでいるもので、石油業界として抜本的な対策が必要な、非常に厳しい局面を迎えつつある。軽油も2.3%減の3,595万キロリットルとなり、給油所関連油種はいずれも販売減を記録した。