2007年12月


◆ 民主党税制大綱で「一般化」と「暫定廃止」
    
(12月28日付)


   民主党は12月26日、国と地方を合わせた道路特定財源をすべて一般財源とし、さらにはガソリン税、軽油引取税などの暫定税率を廃止する内容を盛り込んだ税制改革大綱を発表した。政府・与党の方針との間に大きな隔たりがあることから国会審議での迷走が予想される。今後の議論次第では短期間に暫定税率の引下げと元の価格への引き上げが行われるなど、消費者、石油業界にさまざまな影響が及ぶ可能性が出てきた。




◆ 石油協会が「セーフティネット資金制度」創設
  (12月21日付)

   全石連、油政連が原油高騰に伴い資金繰りに難のある石油販売業者の支援のために要望していた全国石油協会の信用保証基金の積み増しが決定したことを受け、石油協会は新たな保証制度の「セーフティネット資金制度」を創設し、申請受付を12月20日から開始した。既存の制度に比べ、保証条件の緩和、保証料率の引き下げなどの措置により、販売業者にとって年末年始の資金調達を円滑にするものとなった。




◆ 大阪の「石油製品斡旋事業」1月7日スタート
  (12月19日付)

   大阪府石油組合は12月18日付で全組合員へ『大阪府石油協同組合の石油製品斡旋事業がスタートします』と題する文書を発信、来年1月7日から正式に同事業を稼動させることを案内した。
 斡旋する石油製品はガソリン、軽油、灯油、A重油、潤滑油の5品。納入形態はローリー配送による給油所渡しを基本とし、最小オーダー数は同一油種または複数油種の合計が10キロリットル以上。ただし、同一地域内などの共同購入などで数量がまとまった場合など、小口配送にも相談に応じる。
 当面、斡旋価格は組合員からの問い合わせに応える形をとる。また、最終的な価格交渉は供給業者と組合員の間で決めることを前提としている。
 案内では「斡旋に関する基本的スタンス」として、事業利用は組合員自らの意思とすることや、事業利用を第三者に公表しないことなどをしている。




◆ エネ庁・災害対応給油所の補助率アップ
  (12月19日付)

   災害時などにおける給油所のインフラ機能を重視し、資源エネルギー庁は2008年度から石油販売業者を対象にした「災害対応型給油所普及事業」について一定条件のもと、補助率アップに踏み切る。
 1996年からスタートした同事業は、地震など災害時において給油所の給油機能や避難者サポートを支援するため、給油所内に自家発電機や貯水槽の設置した時、現行「2分の1」の補助を適用しているが、08年度からは給油所が所在する石油組合が地方自治体と「災害協定」などを結ぶなど、前向きな取り組みを組織活動として行っている場合、補助率を「3分の2」に引き上げる。補助率引き上げは4年ぶり。
 また、給油所の社会的インフラ機能を踏まえ、給油所内にAED(自動体外式除細動器=心臓に電気ショックを与え正常なリズムに戻す医療機器)を新たに設置した場合も、自家発電機や貯水槽と同等の補助を開始する。
 なお11月末現在、38都道府県において地方自治体と石油組合が、なんらかの災害協定を締結している。




◆ 政府「原油高騰」対策固まる
  (12月12日付)

   政府・与党は12月11日開催の「原油高騰・下請中小企業に関する緊急対策閣僚会議」で、原油高対策に関する基本方針を明らかにした。大きな柱として6つの対策強化(①中小企業などへの業種横断対策②石油販売業、漁業、農業など業種別対策③離島、寒冷地など地方の生活関連対策④省エネ、新エネなど構造転換対策⑤国際原油市場の安定化に向けた働きかけ⑥石油製品の価格監視の強化)を打ち出したが、その中で、原油高による仕入高騰に苦しむ石油販売業を対象に資金繰りの安定化を図るため、信用保証基金の積み増しなどを検討することを正式表明した。また、閣僚会議後の記者会見で、経済産業省の甘利明大臣は「閣僚会議で福田総理から速やかに検討実施するよう指示を受けた」とし、石油販売業への信用保証の積み増しについても「早急に具体化を図る」という考えを示した。




◆ 公取委・鵜瀞取引部長が講演
  (12月7日付)

   公正取引委員会の鵜瀞(うのとろ)恵子取引部長は5日の全石連正副会長・支部長・部会長合同会議に出席し、6月に自民党の石油等資源・エネルギー調査会が発表したガソリン流通についての考え方に基づいて実施した指導と元売の対処状況を説明した。
 公取委は元売各社に対し、仕切価格の一方的な決定や自社からの全量購入を義務付ける特約契約の改定を指導しているが、鵜瀞部長は「1社を除きすべての元売が契約書の改定をすると文書で返事している」「その1社も否定しているのではなく時間がかかるというのが理由」と説明。
 その一方で同部長は「この件について元売の支店などから『そんな改定はしない』など否定的な返事があれば、ぜひ知らせていただきたい。否定するということは嘘を言っているということになる」と述べ、契約書の適正化に向けて、引き続き強力に指導していく方針を示した。
 不当廉売などの申告に対し迅速処理を求めていることに関連して「多くの申告をどう効率的に処理するか検討している。当方としては意味のある事件処理をしていきたいと考えている」と述べ、「例えば全石連から重点的事案を出していただき、優先的に調査するなど考え方があれば言ってほしい」と要請。これに対し全石連側は「迅速処理のスキームについては経営部会で協議して提案する」と応えた。
 一方、全石連が求めている調査権限の所管省庁への依頼については、同部長は調査権限そのものの付与については問題があるとの見方を示したが、「経産省から併任という形で人を出していただいているが現在は形骸化している。これを実体化して、公取委の職員として手伝ってもらえるならありがたい」と述べた。

特約店契約の元売対応状況などを説明した鵜瀞部長




◆ 大阪が石油製品斡旋へ
  (12月3日付)

   大阪府石油組合は11月27日、大阪市内で開いた理事・支部長合同会議で、石油製品斡旋事業を新たに事業化することを決めた。これにより全国を代表する市場で組織による新たな供給体制が構築されることになった。石油製品斡旋事業を公式に行う石油組合は兵庫、奈良に次ぎ3例目。
 現在明らかにになっている事業化案では、全組合員を対象にガソリン、中間3品、潤滑油までを含む石油製品を斡旋するが、組織の役割は組合員と供給業者の仲介を主体としたものになる。また、組合員の問い合わせなどについては守秘義務を徹底し、取引の詳細は当事者間ですべてを行うことを条件としている。供給者は配送時のタンクローリーに組合名を明記する予定。
 具体的な実施開始時期は2008年1月を予定し、12月中に全組合員へ事業内容を周知、事業開始後も専門委員会での検証を続け、より効果的に円滑な事業運営を目指す。




◆ 財務省・経産省へ資金繰り支援を要請
  (12月3日付)

   原油急騰に伴う石油販売業者の経営危機の回避に向け、「ガソリンスタンドを考える議員の会」(GS議連)と全石連、油政連は11月29日、額賀福士郎財務大臣、甘利明経済産業大臣らに対し、緊急融資のための信用保証基金の積み増しを強く要請した。
 財務省では関会長がコストアップ、転嫁不足、売上げ減少の三重苦を説明し「資金繰りが深刻化し経営の維持が困難に陥っている。この状況をご理解いただきたい」と訴えた。杉本和行主計局長は「厳しい財政状況であり、優先順位を付けていくことが重要。十分検討する」と発言。その後に行われた額賀大臣への直接要請でも、同大臣が「原油高は生活に直結する問題。きめ細かく対応していきたい」と述べた。
 甘利経産大臣には田中和德GS議連幹事長が「財務省でも強く要望してきたところ。所管の経産省としても早急に財務省と詰めてほしい」と要請。岩永峯一同副会長も「石油販売業界の現状や先行きを見て銀行の貸し渋りが起きている。深刻な事態」と早急な対策の必要性を強調した。
 甘利大臣は「基金の積み増しはしたい。なんらかの対策を財務省と交渉していく」と応じる一方、「元売もこういう時に率先して価格を付けて、精販が適正利潤を得るようにすべき。海外では原油上昇分をしっかり価格に乗せている」と促した。

業界実情を聞く額賀財務大臣(上)と甘利経産大臣(下)(それぞれ写真中央)