2007年06月


◆ ガソリン地下タンク30年超が過半数
    
(6月27日付)


   全石連が首都圏地区の組合員給油所を対象に実施した地下タンク実態調査の最終報告によると、一重殻タンクの占める割合は全体の76%に達し、その平均経過年数は29年であることがわかった。タンク漏洩による土壌汚染対策やバイオ燃料の流通に備えて給油所の地下タンク対策が求められる中、全石連は土壌汚染未然防止のための支援策を国に要請していく方針で、「ガソリンスタンドを考える議員の会(GS議連)」の環境保全対策プロジェクトチームも2007年3月、「官民を上げて取り組むべき課題」と位置づけ中小石油販売業者のニーズを踏まえたうえで設備投資に係る支援を講じていくことが必要と提言していた。
 実態調査は関東の1都4県(東京、群馬、千葉、埼玉、神奈川)の組合員給油所を対象にアンケート調査を実施したもので、2,007給油所から7,944基の各油種別タンクデータが寄せられた。
 タイプ別基数では一重殻タンクが76%に対し、ピット式タンクが14%、二重殻タンクは10%だった。タンク埋設後の平均経過年数では一重殻が29年、ピット式が21年で、二重殻は7年。タイプや平均経過年数とも油種別にみても大きな差異はなかった。
 1989年以降に入れ替えを行ったタンクは7,944基中753基、そのうちの52%が二重殻で、27%がピット式への入れ替え、再び一重殻タンクに入れ替えたものも22%にのぼった。
 埋設後30年前後の一重殻ガソリンタンクが全体の4分の3に達することが浮き彫りになった(グラフ参照)ことで、今後タンク入れ替えのニーズも増大すると見られる。全石連はこうしたデータをもとにGS議連の支援を得て、国に対し支援措置の必要性を訴えていく方針だ。





◆ 石油協会が地下タンクFRP補助スタート
  (6月25日付)

   全国石油協会は7月2日から土壌汚染環境保全対策事業の一環として、中小石油販売業者限定で「地下埋設物内面ライニング施工」工事に係る補助事業をスタートする。既設一重殻タンクの内面に、プラスチック繊維のFRPをライニング施工することで補強し油漏洩を防止する。既設タンクを掘り返す必要がないため、低コストで施工でき、タンクを複数所有する場合は工事中も営業ができるため、中小石油販売業者の関心が高い。
 事業の補助率は対象経費の2分の1(上限なし)。対象となるのは申請者が「申請給油所の運営者でかつ所有者」で「中小企業」であること。加えて申請対象給油所が①品確法の登録給油所で使用中の一重殻地下タンク(廃油も含む)を所有、さらに②全危協が示した施工工事業者認定制度に関する規定に定める書類を提出できることなどとしている。
 第1次申請の受付期間は7月2日から11月末まで。その後、第2次申請は12月初めから再開し2008年3月末までとなる。




◆ 横浜市が給油所での歩行者の安全確保要請
  (6月18日付)

   横浜市安全管理局はこのほど神奈川県石油組合に対し給油所における安全対策の徹底に向けた協力要請を行った。
 市によると、日ごろ市民から市政全般に関するさまざまな意見や要望などが集まっており、その中には給油所における安全確保についての意見や要望などが寄せられているという。2007年5月には「夜間、自転車で歩道を走行中、前方から来た歩行者を避けようとハンドルを切ったら給油所の側溝(集水溝)に車輪が落ち転倒、側頭部を打撲し、救急車で病院に運ばれる」という事故が発生しているほか、「駅前の給油所にタンクローリーが来るたび、歩道をふさぐかたちで荷卸しが行われ通行上危険である」といった意見があったという。
 市ではこれ以外にも給油所の安全対策に関するさまざまな意見・要望が寄せられていることから、同県石油組合の組合員(横浜市内の給油所)にこれらの事案を周知し、安全対策への取り組み強化を要請した。
 同県石油組合では、市から示された事案がいずれも法令違反には当たらないものの、歩行者などの安全を脅かし、企業としての社会的責任を問われることにもなり兼ねないため横浜市内の組合員給油所に注意喚起のチラシを配布し、安全管理の徹底を促していくことにしている。




◆ 不公正取引問題で申告者保護を要請
  (6月18日付)

   自民党の独禁法調査会が14日に開いた独禁法見直しに関するヒアリングに、全国消費者団体連絡会や日本労働組合総連合会、日本弁護士連合会が出席し、不公正な取引方法に対し課徴金を課すことについてそれぞれ意見を述べた。
 消費者団体連絡会は「不公正な取引方法がやり得にならないよう課徴金の対象にすべき」と要望。労働組合総連合会は「課徴金導入に異論は唱えないが、それよりも申告したことに対する相手方からの報復措置ができないような仕組みを導入すべき」と求めた。
 これに対し調査会に出席した吉田六左エ門議員(「ガソリンスタンドを考える議員の会」副会長)は「石油業界における元売と給油所の関係がまさにそのような状態。申告したことに対する相手方からの報復措置への対策が必要」と述べた。
 一方、日弁連は「導入するのであれば対象となる行為類型を特定し、法律により違反行為を具体的に規定する必要がある」として不公正な取引方法に対して課徴金を課すためには法改正が必要との見方を示した。




◆ 2007年度「地域貢献」スタート
  (6月13日付)

   全石連の地域事業環境整備支援事業選定委員会は6月12日、2007年度の初会合を開き、地域の防犯・防災、安全走行、社会貢献に協力する拠点活動を展開するため22石油組合から提出された07年度の事業計画案を承認した。「かけこみ110番」「普通救命講習会」「災害協定」「車両点検」「不正改造車対策」「飲酒運転撲滅」「交通安全」「献血運動」などを行う組合員給油所をサポートする。
 スタートする22組合56事業の特徴は、学校・地域住民への直接訪問や職場内研修の実施、AED講習の導入、給油所店頭での積極的な安全走行PRなどを一層きめ細かく充実・強化する計画が目立つ。また、06年度に初めて着手し全国共通支援事業としてスタートした「飲酒運転根絶運動」を07年度も秋の交通安全週間ごろからを目途に継続実施、セルフ給油所などでの身体障害者に対する給油サポートを並行実施する方針を固めた。





◆ 自民党・選挙公約に不当廉売への対処盛り込む
  (6月8日付)

   自民党はこのほど7月に行われる参院選に向けた党としての選挙公約に不当廉売や優越的地位の濫用などに対し厳正に対処する方針を盛り込んだ。
 この内容は、公約作成に向けた同党政調会でのヒアリングで全石連が強く求めていたほか、石油流通業界の不公正取引問題を審議した石油等資源・エネルギー調査会や独禁法調査会の会合でも出席議員から「不当廉売や優越的地位の濫用などへの対応が不可欠」などの発言が相次ぎ公約への明記を後押ししたもの。
 また、国内石油産業の競争力や経営基盤の強化に取り組む方針も明記した。同党の公約で石油産業に関しここまで具体的に言及したのは初めてとなる。
◆競争政策の充実◆
 カルテル・入札談合事件への対応のほか不当廉売、優越的地位の濫用等による買いたたきや、下請け代金の不当な減額等の下請法違反行為、消費者を誤認させる不当表示など、様々な事案へ厳正に対処するため、公正取引委員会の体制の強化充実を図る。
 また、改正独占禁止法の見直し規定に従い審判制度のあり方等について抜本的な見直しを行う。
◆暮らしの安全を支えるエネルギー等の戦略的確保◆
 資源外交や経済協力の戦略的展開により、資源国との総合的な関係強化を図るとともに国内における安定供給の担い手である石油産業の競争力・経営基盤の強化に取り組む。




◆ 自民党石油等資源・エネ調査会が3回目の集中議論
  (6月4日付)

   自民党の石油等資源・エネルギー調査会は1日、3回目の集中議論を行った。精販両業界ヒアリングを元に、資源エネルギー庁は卸価格情報の調査拡大と調査結果を公正取引委員会に提供する考え方を提示。公取委は元売による仕切価格の一方的な決定は優越的地位の濫用になる恐れがあることや、全量購入の義務付けや仕入制限などについても独禁法上問題になるとの考え方を明らかにした。深谷隆司会長は「協力し合い前進しなければ国民のためにならない」と述べ、エネ庁と公取委の連携によって対応策の実効性を高めるよう指示し調査会として定期的にチェックする方針を明らかにした。調査会には約50人の「ガソリンスタンドを考える議員の会」メンバーらが出席した。
 エネ庁・公取委からの報告に対し党の独禁調査会の佐藤剛男事務局長は「今後、独禁調査会でも公にして独禁法を各条文まで徹底的に検討していく。不公正取引に対する中小企業の駆け込み寺がない」と述べ、安井潤一郎議員も「中小業者の受け皿がないことが問題」と強調した。
吉田六左エ門議員は「元売が圧倒的に優越的な地位にあることが明示され、対応策が示されたことを評価する」と述べ、「この考え方を業界に正確に説明、アピールし、しっかり機能するようにしてもらいたい」と要請。竹本直一議員も「行政の取り組みが不公正取引に対して強力なプレッシャーになってくるはず」と対応策を評価した。このほか出席議員からも徹底した流通実態の解明を求める声が相次いだ。
 一方でこの対策の実効性確保に関し議員の発言もあり、岩永峯一議員は「元売がどう実行していくかが大問題。エネ庁はどういう方法で完全実施を求めるのか」。上川陽子議員は「公取委は成果を上げるためにも9月以降の具体的なプログラムを出すべき」と求めた。小野晋也議員は「これが実行されているのかどうか1年後にこの調査会でレビューさせるべきだ」と提言。全石連に対して「実行したことで逆につらくなっては意味がない。販売業界への教育・指導も行っていくべき」と述べた。野田毅議員は「年に2、3回フォローアップする必要がある」と提言した。
 これらの議員の要請に対しエネ庁は「意味のある調査にしていく」と確約。石油連盟の山浦紘一専務理事は「この方針、考え方を理事会で説明し協力体制を取っていく」と述べた。全石連の関正夫会長は「実効性がどう担保されるかが最大のポイント。エネ庁には石油業界をきちんとした姿にする力を持ってほしい」と強力な政策を求めた。

およそ50人の議員が出席し、公取委、エネ庁の報告を聞いた第3回調査会




◆ 不当廉売「注意」が石油小売で倍増
  (6月1日付)

   公正取引委員会が5月30日に発表した2006年度の「独占禁止法違反事件処理状況」によると、石油製品の不当廉売における「注意」件数が前年度比で約2倍、前々年度比では実に8.6倍の259件に達したことが明らかになった。「注意」総件数は過去5年間で最多となったが、「石油」は「酒類」に次いで第2位で、「家電」とともに件数増加を牽引する不名誉な業況となった。
 06年度の処理状況によると、入札談合6、不公正な取引方法4、価格カルテル3の計13件(前年度19件)、73人(前年度492人)の事業者に対して法的措置が取られ、件数、事業者数ともに大幅に減少した。課徴金は158事業者に92.6億円の納付命令が確定した。また「課徴金減免に係る報告等」も79件に達した。
 不当廉売では、排除措置命令・警告は「石油製品」で和歌山の1件のみ、注意は1,031件と過去5年間で最多となった。小売業態別では「酒類」が件数でトップを独走しているが、「石油製品」も大幅増で259件を記録した。その他の中では「家電」が158件と大幅増となっている。