2006年12月


◆ 灯油12年ぶり多量在庫
    
(12月29日付)


   灯油の12月末在庫が大幅に積み上がっている。冬本番を迎えて実需が低迷しているもので、1月値上げを控えて予想される仮需の発生量も少なくなっている。大寒波による在庫急減、現物・先物相場の異常な急騰に見舞われた前シーズンとは対照的な需給環境と天候状況になっているが、低迷するガソリンとは異なって、灯油の卸・小売価格への影響は軽微にとどまっている不思議な症状が出ている。
 2005年末は1円/リットル強の元売仕切り値上げ方針が明らかにされ、06年末もほぼ同水準の仕切り値上げが出揃っているが、全く異なるのが、在庫水準と天候である。
 近年最多に膨らんでいた灯油在庫は、生産調整によって、11月末在庫は「やや多い水準」まで調整されていた。ところが最盛期となる12月の実需が暖冬で失速したことで、12月第4週末で463万キロリットルとなっていた石連週報から推計される12月末在庫は、仮需要因などを考慮しても、434万キロリットルを記録した1994年以来、12年ぶりの多量在庫を抱える見通しにある。物流手配が追いつかない事態まで生じた05年のシーズンとは完全に異なる展開で、需給と天候から判断される商戦見通しは、完全に赤信号が点滅する事態となっている。
 ところが原油見合いでの精製元売粗利、卸価格情報見合いでの給油所店頭粗利のいずれも、ほど良い水準を保っており、全般的に採算性の悪化が現れていない。元売は「最高値原油で生産した灯油」、商社や大手燃料商は「その製品を海外タンクを含めて多量にストックしている」ことで、「損失を少なくするために、むやみに安値放出ができにくくなっている」との解説がされている。
 年末年始は「市況保持のダムが維持される可能性が強いが、1月中ごろには多量の手仕舞い売りが出る可能性がある」との声も聞かれ、軟着陸のためには「寒波の到来に期待するしかない」状況にある。





◆ 怪しい請求書にご用心
  (12月25日付)

   東京、神奈川両石油組合の組合員給油所に対する「架空請求」事案が起きていることがこのほどわかった。12月5日付の請求書が送付されてきて、「広告宣伝費」として消費税抜き3万7,000円を12月25日までにインターネット銀行と見られる指定口座に振り込むよう指示している。発信者は都内に住所を置くカタカナ名の会社で、担当者名や電話番号なども記載してある。
 本事案が先に発覚した神奈川県石油組合では、県内各地で架空請求の疑いがある事案や不審電話などが相次いでいるとして、組合員に注意を促している。また最近、給油所に労働基準監督署の職員を名乗り、社員数や従業員の氏名・既婚の有無などを聞きだそうとする不審電話もかかってきている模様だが、監督署では電話によるアンケート調査、確認などは一切行っていない。
 年末年始の繁忙期に入り、トラブルに巻き込まれる可能性も高まることから、改めて気を引き締めたい。




◆ GS議連総会で「独禁法の課題」了承
  (12月20日付)

   「ガソリンスタンドを考える議員の会」(GS議連)は19日開いた総会で「石油販売業における商標権等の片務契約と独占禁止法上の課題」とする提言を了承。その提言で指摘した改善事項の実現に向けて議連として取り組む方針を決議した。総会後、大野松茂会長をはじめ、取りまとめ作業を担当した西川公也副会長ら幹部は公正取引委員会の竹島一彦委員長に面会し、公取委として改善策の実現に取り組むよう申し入れた。
 GS議連総会では冒頭、大野会長が「苦境に立たされている石油販売業界を支援するために、副会長3氏にそれぞれプロジェクトチーム(PT)を立ち上げていただき、熱心に対応策を検討してほしい」と述べたあと、渡辺博道事務局長が「本日はまず、西川副会長に座長を務めていただいた独禁法改正PTから中間取りまとめが示されたので協議していただきたい」と紹介した。
 独禁法PTの宇野治主査は「業界実情に基づいて検討した。元売と特約店の間で交わされている特約販売契約に、片務条項や商標権の一方的な濫用などが存在することが明らかになった」と述べ、「中間取りまとめ」において「石油業界における公正取引を確保するためには、公取委が独禁法に基づく排除措置命令などを発動して、元売による特約販売契約の片務条項を排除させるとともに、業転玉購入に係る商標権の不適切な行使を是正するよう求めた」と説明。同PTの牧原秀樹議員は「元売に対し給油所は絶対的劣位にある。それを是正するための方策を取りまとめたもの」と補足した。
 総会では全会一致でこの取りまとめを了承。GS議連としての意見が具体的に反映されるよう公取委に申し入れることを決議した。

総会には代理出席も含め80人の議員が出席。
全会一致で中間取りまとめを承認した




◆ 自民党幹事長・政調会長に業界への協力支援を要望
  (12月15日付)

   森洋油政連会長と河本博隆全石連副会長・専務理事は15日、自民党の中川秀直幹事長、中川昭一政調会長をそれぞれ訪問し、石油販売業界の深刻な経営事情などについて説明し、強力な政治支援を要望した。
 「原油高騰や業転玉増加による市場混乱で、石油販売事業者の経営はますます疲弊している」「高齢化が進む地方では、身近な給油所が潰れ灯油配達にも支障をきたしていることから深刻な問題を惹き起こしつつある」こうした森会長、河本副会長の説明に対し、中川幹事長は「いい立地のところでも閉鎖した給油所が目立つ。元売だけでなく給油所もそれなりに利益を得られるようなるべき」と述べ、強力にバックアップする考えを示した。
 一方、中川政調会長は「阪神大震災で証明されたように給油所は安心安全の拠点。厳しい経営の中でのみなさんの努力は高く評価しなければならないと考えている」と述べ、給油所の環境対策などについては「今後の検討課題である」とした。

中川幹事長(右)に業界実情を訴える森油政連会長(中央)、河本全石連副会長




◆ 共同事業キャンペで給油伝票が全国目標クリア
  (12月15日付)

   全石連共同事業部会は12日、9~11月に給油伝票と洗車タオルの2種目を対象に実施した共同事業増強キャンペーンで、給油伝票は47都道府県のすべてで目標を達成したことを明らかにした。全国目標は2億4,833万セットだったが、同目標を25%上回る3億945万セットを獲得した。伝票需要の掘り起しが成果につながった。また、洗車タオルは全国目標(115万枚)に対して14%届かなかったが、福島、東京など19組合が個別目標を達成した。
 根本一彌部会長は「組合員の減少が続き、組合財政が厳しくなっている。組合が財政問題で崩壊するようなことがあっては、組合員に申し訳ない。共同事業の活発化によって財政基盤を強くしてほしい」と要請し、部会メンバーに活発な事業展開に取り組むよう訴えた。




◆ GHSラベルの表示義務付けに
  (12月6日付)

   12月1日から労働安全衛生法が改正され、特約店、販売店を問わず石油製品を工場などの事業者(一般消費者は除く)に小分け販売した場合、GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)ラベルを表示することが義務付けられたことに伴い、全石連は同日付で、全国の石油組合に周知徹底を図る文書を送付した。
 同法の改正は化学物質の有害性や危険性の情報が伝達されていなかったため発生する労働災害を防止することが目的。改正後は①政令で定める危険物・有害物を容器や包装して販売する場合、その製品情報をGHSラベルに表示し、相手に知らせる②危険物・有害物をローリーで販売する場合、GHSラベルを交付する③GHSラベルの中に「危険」「警告」などの注意喚起の文言などを表示する-が義務となる。
 対象製品は①自動車ガソリン②工業用ガソリン③灯油④軽油⑤A重油などで、ドラム缶やローリーで配送する場合、GHSラベルを交付する必要がある。
全石連では元売から仕入れた製品を「ドラムなどの容器に小分けして工場などに販売する場合」や「小型ローリーなどで工場などに販売する場合」などでGHSラベルの交付が必要になることを周知している。




◆ 大阪で中商取セミナー
  (12月1日付)

   大阪府石油組合は11月28日に、大阪市内で「石油市場先物取引セミナー」を開いた。中部商品取引所の竹内嗣部長が石油先物市場における受け渡しとリスクヘッジ機能などについて講演した。中商取は現在、全国各石油組合に同セミナーの開催を呼びかけているが、同石油組合のセミナーは全国で初めて。
 竹内氏は講演で2007年6月限から石油製品の引取・受渡単位がそれまでの20キロリットルから10キロリットルとなり、同日から市場が始まったことを報告し、「中部石油市場がさらに石油販売業者に身近になった」と強調した。
 また、石油先物市場における当業者の利点やリスクヘッジ機能について解説するとともに、「中部商品取引所は当業者が使い勝手の良い市場にしようと利用しやすいシステム作りを心がけている」と述べ、組合員の積極的な参加を呼びかけた。

全国に先駆けて開かれた中商取の石油市場先物取引セミナー