2006年10月


◆ 関東支部がエネ庁へ「緊急要望書」
    
(10月30日付)


   広範囲に著しい市況陥没が続く栃木県市場の問題を重視した全石連関東支部は26日、資源エネルギー庁の岩井良行資源・燃料部長を訪問し、市場正常化に向けた「緊急要望書」を手渡した。「要望書」では、栃木県に端を発した市場混乱が関東各県に拡大しつつある現状を説明するとともに、市場混乱の背景にある元売による「大量の業転玉放出」が地域における大手給油所と中小給油所の競争格差の問題を助長していると訴え、業転流通に関して元売各社に対する緊急ヒアリング調査を行うなど流通正常化に向けた対応策の実施を求めている。
 今回、岩井部長と面談したのは森洋支部長、宇田川雅明副支部長、河本博隆全石連副会長・専務理事、栃木県石油組合の山口博久理事長で、元売による大量の業転玉放出が仕切格差の急激な拡大を招く根本的な要因と指摘。中小特約店などに対して高値の系列仕切りを強いる一方、こうした差別対価と受け取れる格差を放置することは、地元給油所の経営を疲弊させるだけでなく、エネ庁が流通政策として取り組む「均一」「安全」「安心」な石油製品を全国の消費者に届けるという現在の供給体制そのものを破綻させるとの危機感を示し、行政当局による流通正常化に向けた具体的な取り組みの必要性を要望した。
 さらに、山口理事長は「高齢者住宅などへの灯油配達は地元給油所が担っている。いまガソリンの安売競争をしている大手給油所はコスト負担からこうしたサービスを実施しない。現状が放置され、地元給油所のネットワークが崩壊したら、地域への安定供給に不安が生じることになる」と指摘した。
 これに対して、岩井部長は「給油所が地方などにおいて公共的なインフラとして機能していることは理解している。競争は必然で、価格は需給で決まるものだが、今回の問題がそうした範囲を逸脱した重大な状況であることは十分に認識した。どのように調査を行うかなど対応策について検討する」と述べた。

「元売による大量の業転放出が市場での著しい価格格差を発生させている」と
岩井資源・燃料部長(中央)に指摘する関東支部の森支部長(右から3人目)ら




◆ 山梨に偽税務署職員出没
  (10月25日付)

   税務署を装った「振り込め詐欺」が多発していることについて、山梨県石油組合は組合員に対して注意を喚起している。
 税務署職員を装い、税金を還付するためなどと称して「現住所、電話番号、還付金振込先金融機関名、口座番号など」を電話で照会するという事例のほか、現金自動預払機(ATM)を操作させ振り込みを行わせる「振り込め詐欺」など。国税局・税務署では「還付金受取のために金融機関などのATMの操作を求めることはない」「 国税の納税のために金融機関の口座を指定して振込みを求めることはない」「フリーダイヤルへの連絡を求めることはない」として、これらを求める不審な電話があった場合には、最寄りの税務署まで問い合わせるよう呼びかけている。




◆ 栃木が渡辺経産副大臣に「嘆願書」
  (10月23日付)

   栃木県石油組合の山口博久理事長、村上芳弘副理事長・経営委員長、同県油政連の福田泰造会長、全石連関東支部の宇田川雅明副支部長・経営委員長らは10月20日、経済産業省の渡辺博道副大臣を訪れ、栃木県内の著しい市場混乱の要因には元売各社による優越的地位の濫用などの不公正取引があると指摘し、早急に是正措置を図るよう求める「嘆願書」を提出した。
 山口理事長らは、渡辺副大臣に系列平均仕入価格と業転平均価格の格差が「3円」以内に縮小させることによって正常な市場機能の回復を求めたほか、具体的な行政支援として①資源エネルギー庁による元売ヒアリング調査の再実施②公正取引委員会に元売による中小特約店、販売店に対する不公正取引の実態調査の最優先化を経産省として求めてほしいと要請した。
 渡辺副大臣は「製品余剰が発生し、通常の系列取引だけでは捌き切れない状態にあることが混乱要因と考えられる。石油販売業界にとって不当廉売、差別対価、優越的地位の濫用は根幹の問題であり、公取委への働きかけなどを実施する」とし、厳しい市場実態に理解を示した。

渡辺副大臣(中央)に栃木県業界の惨状を報告し、経産省としての対応を
要請する山口理事長(副大臣の左隣)ら




◆ 「GS議連」プロジェクトチームの議論始まる
  (10月20日付)

   「ガソリンスタンドを考える議員の会」(GS議連)が石油販売業界が直面しているさまざまな課題に対処するため設置した3つのプロジェクトチーム(「独禁法改正」「流通構造改革」「環境保全対策」)のうち、流通構造改革PTの初会合が10月19日、石油会館で開かれた。同日の会合では、規制緩和後の販売業者の市場撤退と元売子会社の流通市場への進出状況などを確認したうえで、車社会と地域社会にとって必要不可欠なインフラとしての給油所を維持する対処策について意見交換した。次回はアメリカの分離法に準ずる各州の条例の実態、片務的な性格が強いとされる特約販売契約などをテーマに議論を深めていくことを確認した。
 3つのPTは先のGS議連幹事会で設置を決めたもので、そのトップを切って、規制緩和を契機に猛烈な勢いで販売業者の市場撤退が見られる流通市場にメスを入れる流通構造改革PTの議論がスタートした。
 初会合では、特約店・販売店と元売販売子会社の給油所数の推移、過去5年間でほぼ2倍も増大した元売直売シェア、精製と流通のマージンシェアの格差拡大などのデータをもとに意見交換した。
 オブザーバーとして参加した販売業者からの「“淘汰”の背景として、販売業者にとって圧倒的に不利な特約販売契約、商標権を使った元売の恣意的な対応などがある」などの指摘を受けて、元売販売子会社の給油所運営に一定の制約を設けることの必要性、元売の恣意的な対応の抑制策、地域社会に対する石油製品の安定供給確保の視点からの検証、流通適正化を担保するジャッジメントとしての資源エネルギー庁の役割など、幅広く意見交換した。

元売販売子会社の進出状況などを元に意見交換した流通構造改革PT




◆ 迷走スタート今冬灯油
  (10月20日付)

   本格的需要期を前に東日本各地の灯油のシーズンイン価格が迷走している。北海道、東北、信越方面では85円/リットル前後で一般価格がスタートしているが、生協やホームセンターの打ち出し価格がまだ定まっていないことから不安要素が多いまま。市況がじりじりと下がっている中、原油価格が高い段階で手当てした過剰在庫を前に、灯油関係者がにらみ合いを続けているのが実情だ。
 北海道のコープさっぽろは先週までに今冬のスタート価格を、ひとまず75円/リットル(配達価格)で据え置く方針を決めた。市場をにらみながら早期に引下げを狙っている模様だが、市場が動かないため、調達に苦労しているというのが本音。
 背景には「元売の在庫灯油の価格は高く、投げ売りなどしたら元売自身がつぶれてしまう。シーズンを通してなんとしても60円から63円の仕切価格を維持したいと考えているはず」(杉澤達史北石連会長)という見方の通り、在庫はあっても供給側の価格に対するガードが堅いためだ。
 東北各県では、コープあおもりが74円(配達価格)だが、秋田市民生協は85.5円(同)など生協価格自体も現時点でばらつきがある。一般市場が様子見の状態の中で、とりあえず打ち出した価格という感がある。
 信越方面では、新潟総合生協が前月より値下げしたものの86円(同)止まり。一般店頭市況が84円から85円で推移している一方で、ホームセンター価格は80円から82円というところ。コープながのの10月価格も86円(同)から88円(同)の水準で、ホームセンターも80円前後。
 同地区の商系業者筋では「商社系の一部に安値が出始めている」との情報が飛び交い始めていることから今後のホームセンター価格に神経を尖らせている。
北陸地区では荷動きも少なく今後の小売価格についても「全く方向が見えない」という声が多い。
今冬の灯油商戦。市場は霞がかかったように不透明なスタートを迎えている。




◆ 「不正軽油」全国で包囲網
  (10月13日付)

   10月の「全国不正軽油撲滅強化月間」の一環として、11日に47都道府県一斉(一部の県は12日実施)に路上軽油抜取調査が行われた。11日集計分では、41都道府県の147箇所の実施場所で税務関係職員ら約1,300人が参加、約500人の警察官が協力して、4,701本を採取。各行政機関の緊密な連携によって、全国各地で調査が実施されるなど、今回で5回目となる全国一斉路上抜取調査は不正軽油撲滅強化の流れを加速させた。
 今回の一斉調査には県や市の環境関係職員によるディーゼル車規制の取り締まりや、国土交通省運輸支局職員による整備不良車の取り締まりで、軽油中の硫黄分の検査を実施するケースも見られるなど、不正軽油の流通阻止に向けた行政機関一体となった連携強化の姿勢を強く示し、脱税や環境破壊、整備不良などの温床となっている不正軽油の根絶に力を注いだ。
 このうち、東京都では11箇所で都職員約90人が参加し、全国で最も多い合計389本を抜き取った。また、国土交通省関東運輸局東京陸運支局も参加し、整備不良の観点から硫黄分濃度をチェックしたほか、停車中に整備不良ヵ所もチェックし、ドライバーに口頭注意を行う場面も見られた。
 さらに、調査では都主税局・環境局(ディーゼル車規制)と国土交通省との連係プレーで、まず陸運支局職員が10ccを抜き、次に主税局職員が50ccを採油、その間に陸運支局は硫黄分濃度と整備不良のチェックを行うなど、各行政機関同士の緊密な調査体制を強く印象付けた。




◆ 新内閣・道路財源の行方
  (10月4日付)

   安倍新内閣は大きな課題である道路特定財源問題にどのように対応するのか、関係閣僚からさまざまな考え方が示されている。827万人の自動車ユーザーの声を背景に石油業界、自動車関係業界が訴えてきた同財源の一般財源化阻止運動は年末の税制改正に向けて再び活発化するが、安倍晋三総理をはじめとする今後の関係閣僚の動向が注目される。
 冬柴鐵三国土交通大臣は9月26日夜の就任会見で「一般財源化して何にでも使っていいというようなことは納税者の真意ではないと思う」と述べる一方で、私見として「(税率を)元に戻せとか、暫定税率をやめにするということではなく、納得していただけるような施策をとっていきたい」と発言。余剰財源を道路関係の環境対策に充てるならば納税者に理解される、との考え方を示した。
 一方、尾身幸次財務大臣は、これまで自民党の経済活性化税制議連会長として道路特定財源問題に関し独自の主張をしてきただけに、今のところ一般財源化に対しては慎重な発言に終始している。ただ、7月の“骨太方針”の解釈について、「使途拡大ではなく、なんにでも使えるのが一般財源化だ」と述べる一方で、「納税者の理解を得ながら具体案を決めていく」にも力を込めている。
 「財源をもらえばなにも環境税でなくてもいい」と注目の発言をした若林正俊環境大臣は、道路特定財源に関し「暫定税率は道路に充てるという理由で賦課してきたが、余っているなら下げて当たり前というロジックだけの世界で結論を出してはいけない」と述べ、余剰財源の転用に強い意欲を見せた。
 安倍総理の所信表明演説では、道路特定財源についてこれまでの政府方針を踏襲した形だが、その議論の速度や方向性については未だ不透明な部分が多いままだ。