2006年08月


◆ 灯油在庫が異例の高水準
    
(8月25日付)


   灯油在庫が順調に増えており、このペースで積み増しされると8月末在庫は前年比で60万キロリットル増の430万キロリットル前後となる模様だ。3年ぶりの高在庫が確定的で、1998年以来、8年ぶりの高在庫となる可能性もあり、国内需給は大幅な緩和状況にある。相場的に見てもアジア高・国内安が顕著になっている。国内相場はアジア市況比で入着ベースで9円/リットル前後も割安な水準となっているもので、シーズン前とはいえ、国内灯油の独歩安が目立っている。
 石連週報などから推計した8月末在庫は430万キロリットル前後となる模様で、前年比で16%増、前々年比では35%増となり、03年の428万キロリットルをも上回る水準で在庫が積み上がっている。21世紀で最多となり、月末の需要動向しだいでは8年ぶりの高水準となる可能性もある。
 国内需給の大幅な緩和によって、アジア市況との乖離が拡大している。近況では製品輸入コストが72円/リットル台であるのに対して、京浜海上相場は63円前後に低迷し、国内独歩安となっている。国内灯油の卸相場はガソリン(ガソリン税別)に対しては6円安、軽油(軽油引取税別)に対しても1円安と低迷しており、シーズン直前価格としては、異例の低空飛行が続いている。
 灯油価格の低迷は、需給とともに原油相場がやや沈静化していることも影響しており、商社筋も「原油動向を見極めながら、手控えている状況」という。
 業転相場の低迷は、小売価格市場でホームセンター系などに有利になる危険性をはらんでいるもので、「採算性の高い製品輸出カードを切る」など、実需が動き始める9月末までの1ヵ月間での元売による需給調整が不可欠な状況といえる。





◆ 燃料転換 石油劣勢に
  (8月23日付)

   大口の都市ガス需要家の4割が、過去5年以内に他のエネルギーから切り替えた実績があることがわかった。切り替える前のエネルギーは電力が18%、A重油が17%、灯油8%、LPG6%で、石油系燃料からの天然ガスシフトが確実に進んでいることを裏付けた。大口需要家を対象にしたガスの小売自由化が契機となった模様だが、現在の原油高騰が今後、この天然ガスシフトをさらに加速させる可能性がある。  経済産業省はわが国のガス市場の競争状況を把握するために各種調査を実施。その一環として今年3月、すでに規制が緩和された年間契約ガス使用料50万立方メートル以上の大口都市ガス需要家を対象にアンケート調査を実施した。有効回答数は336。
 1995年3月以降、ガスの小売市場は段階的に自由化範囲を拡大してきたが、都市ガス会社以外の新規参入業者が実質的に市場シェアを伸ばし始めたのは2001年度以降。昨年末時点では8%に達している。この新規参入に刺激される形で、従来の都市ガス需要家の流動化だけでなく、ほかのエネルギーの大口需要家の切り替えも活発化した。
 アンケート調査では、ほかのエネルギーから都市ガスに切り替えた実績のある4割の需要家にその利用用途を聞いたところ、ボイラー燃料を重油から切り替えたのが52%、炉などの加熱用設備が26%、電力購入を都市ガスによる自家発電に切り替えたのが同じく26%だった。  また、切り替えた経験のある都市ガス需要家の3割が、ほかのエネルギーとの価格を参考にして判断したとしている。
 各種エネルギー需要家に将来の切り替え可能性について聞いたところ、C重油需要家の50%が「可能性あり」としており、次いでA重油需要家の29%、灯油需要家の21%の順。エネルギーの切り替えは石油系から都市ガスへ、石油系から電力へのルートが主軸になりつつあることがわかった。





◆ 京都の「無料職業紹介」が大反響
  (8月18日付)

   京都府石油組合が2006年度から新たに取り組んでいる『無料職業紹介事業』の就職支援説明会の告知が8月12、13日の2日間、折り込みチラシと新聞広告で行われ、反響を呼んでいる。京都市内で行われる同説明会南部会場分は応募に対し、参加希望者がほぼ即日定員数に達し同事業への関心の高さを示す結果となった。 同事業は組合員企業の人材問題解決と府内の雇用促進を目指し8月にスタート。今回の就職支援説明会の開催告知は、同事業の根幹となる求職者との接点を作るうえで重要なものであった。
 同府石油組合は就職支援説明会開催告知とともに今後、危険物乙種4類試験の準備講習会、業界知識研修会など独自に行うことを盛り込んだB4版チラシ約80万枚を12日に府内全域で配布、さらに13日には京都、朝日、毎日、読売の4大新聞紙に同様の内容を告知広告として掲載した。
 これに対する反響は大きく、8月27日に行われる同説明会の南部会場(京都市内)分についてほぼ即日定員数の50人に達し、同府石油組合は先着50人を超える申し込み者に同日行われる北部会場(舞鶴市内)での受講を勧めている。




◆ 土壌対策支援拡充へ
  (8月16日付)

   二重殻化など給油所の地下タンク補強対策に対する社会的な関心が高まる中、資源エネルギー庁は2007年度予算の概算要求で石油業界に対する支援強化項目として給油所の「土壌汚染対策」のさらなる拡充を盛り込む。土壌汚染対策は06年5月にまとめた石油政策小委員会の「報告」でも石油流通業の政策課題として、一番手に指摘されており、07年度の石油関連予算全体が特会改革の影響で削減される中、土壌汚染対策を重点化項目として改めて概算要求に反映させ、支援強化する考えだ。
 地下タンクについては、従来から石油販売事業者の中小零細性などから、地下タンクの「入れ換え」と「撤去」に補助制度を設ける予算支援を実施しているが、06年度に入り、バイオエタノール燃料のETBE方式での導入が検討され、地下タンクの二重殻対策の必要性などが議論されていることを受け、補助制度の利用実績が急増している。
 06年度4~7月実績(石油協会集計)でもすでに「撤去」が183件、「入れ換え」が71件となり、補助の合計交付決定数が254件に達している。前年度同期が撤去136件、入れ換え65件の計201件と比較すると26%も増加している。さらに04年度同期の合計交付決定数116件と比べると約2倍に利用実績が跳ね上がっている。
 07年度予算は石油特会と電源特会が統合される特会改革などに伴い、従来以上に予算の縮減が避けられないため、必要性の高い予算を優先することになるが、資源エネルギー庁では石油流通予算としては二重殻化など地下タンクの補強対策につながる給油所の土壌汚染対策に対する支援強化の拡充を図る考えだ。




◆ 千葉で「代金踏み倒し」被害
  (8月11日付)

   8月6日午前11時30分ごろ、千葉市内給油所で代金の踏み倒し被害が発生した。手口は以下のようなものだった。
 給油所を訪れた男性客が車を乗りつけ、携帯電話で通話しながら下車。「ハイオクね」と一言だけ言ったあと、従業員が「満タンですか」と確認しても首を縦に振るだけ。もう一度確認しても首を縦に振るだけだった。
 男性客は10分近くトイレに入ったあと、会計にいった従業員にハイオク80リットル分の金額を告げられると、「だれの車と勘違いしてるの?」とうそぶき、「だれが満タンだと言った!電話相手に首を振っただけだ」と言い出した。従業員が「確認をしましたが」と話しても、「俺が声を出して言ったのか」と詰め寄り、「お前が間違えたのだから1,000円分しか払わない」と言い放った。さらに、従業員が「1,000円分とは一言も聞いていません」と告げても、「お前は俺の口から満タンと聞いたのか」と大声で繰り返すだけ。「燃料を抜かせてください」と話しても、「時間がない」と答えたり、「車に傷を付けたら弁償しろ」と凄むなど、最終的には経営者の判断でやむなく1,000円だけ預かった。
 原油価格の高騰によるガソリン価格の上昇も背景にあるとみられ、千葉県石油組合では、過去にも同様のケースが発生していることから、「来店客が電話中の場合は給油をせず、電話終了後に本人の口からリッター数の確認をする」などの被害防止策の徹底のほかに、誤って給油をした場合でも「同様の手口に遭遇したら速やかに警察に連絡してほしい」と呼びかけている。