2006年05月


◆ 不正軽油「供給者」にも罰則
    
(5月31日付)


   不正軽油の原材料となる重油や灯油をはじめ硫酸などの薬品、資金、土地、建物、車両、機械などを提供・運搬した者に対する「供給者罰則」を新たに盛り込んだ改正地方税法が6月1日から施行される。
 これまでは不正軽油の原材料を供給しても規制されず、密造工場を提供しても共犯と認められない限り罪に問われなかったが、今後は不正軽油の製造に使われることを知りながら原材料や施設を提供した者も不正に加担した罪を負い、不正軽油に関わるすべての者が罰則の対象となる。供給者罰則では3年以下の懲役、300万円以下の罰金、法人重課で2億円以下の罰金が科される。また、元売、特約業者、仮特約業者が供給者罰則の適用を受けた場合、指定要件を取り消すことができるようになるほか、タンクローリー車に積載された石油類への採油権限も明確化された。
 これにより不正軽油の準備、製造、保管、運搬、販売・購入へとつながる一連の違法行為に対する包囲網が一層整備される。税務当局は連携を図りつつ不正軽油の根絶を目指す方針だ。







◆ 大盛況!「SSビジネス見本市」
  (5月29日付)

   5月26日、2006年度全石連・広島総会と同時開催した第3回『SSビジネス見本市』が予想を超える盛況となった。過去最多となる44社・団体が出展し、来場者も当初想定を大きく上回る反響ぶりで、給油所業界に経営情報を発信する「イベント」として大きな成果を上げた。
 全石連がこうした見本市を企画するのは3年目。05年度の札幌総会からは地元の石油組合とタイアップすることで飛躍的な成果を上げたが、今回はさらにその盛況ぶりを増した。地元・中国支部の動員力に加え、全石連総会と連動した『SSビジネス見本市』に対する出席者の認知度が高まったことが要因とみられる。
 全石連の『SSビジネス見本市』はさまざまな系列を超え、多くの出展企業・団体が集まることが特徴。今回は特に「実感として05年度の2.5倍の来場があった感じ。年に1回のイベントとして、さらに充実させてほしい」(計量機メーカー)をはじめ、「質問が多く、手応えがあった」など、出展企業・団体側からも高い評価を受けた。




◆ 長野県の価格表示認定制度に異論続出
  (5月29日付)

   長野県石油組合は理事会を開いたが、県が燃料油の価格表示促進を図ることを目的に認定制度の創設を決めたことに対して、同会に出席した役員の間からは、価格表示の必要性や重要性には一定の理解を示しながらも、「価格表示は本来、経営者個々の判断で行うものであり、行政が認定制度まで設けて促進すべき事項ではない」と、県の方針に異論を示す意見が相次いだ。
 県が認定制度の指定物品としたのは、ガソリン(ハイオク・レギュラー)、軽油、灯油の3油種4製品。給油所に入る道路から燃料油の価格が確認できる場所に、表示内容の文字や金額がはっきり確認できることとしており、地方事務所の職員が表示を確認し、価格が適切に表示されている事業者には認定証を交付するというもの。今後は県所有車両や県関係施設に係る入札について、価格表示が必須条件となり、秋以降の県入札参加事業者では、運営するすべての給油所で3油種の価格表示が求められることになる。
 県では県民はだけでなく、本県を訪れる多くの観光客にとって関心事であるガソリンなど石油製品を、価格表示が必要と認められる物品に指定することで、生活必需品とサービスに関する価格表示促進を図っていくのが狙い。
 今回の価格表示認定制度について、販売業者の間からは、「現金価格、会員価格、カード価格、掛売価格などと、価格自体が多段階にわたるため、実際のどの価格を表示すればいいのか、判断が難しい。逆に表示することによって、一般のユーザーや需要家の混乱を招くことに成りかねない」と指摘している。また、「道路から見えるように表示しなければならないとなると、歩行者や通行車両の妨げになる可能性もあり、周辺住民から批判を受けることになるのではないか」と危惧する声もある。




◆ 白熱する「道路財源見直し」議論
  (5月22日付)

   道路特定財源の見直しに関する議論が自民党内で活発化している。5月18日に行われた税制調査会の正副会長会議では初めて道路特定財源問題を取り上げ、その後の税調小委員会でも議論を戦わせた。一方、道路特定財源の見直しに関するプロジェクトチームも同日、地方の経済団体を呼んで一般財源化について意見を聞いた。これらの会合に出席した議員のほとんどが一般財源化に反対の立場から発言したものの、暫定税率の扱いや余剰分の使途でさまざまな意見が続出。結果的に、方向性を固めるには至らなかった。
 税調の正副会長会議ではまず、野田毅副会長が石油や自動車業界が実施した署名運動で827万人の署名を集めていることを取り上げ、「これほどの国民の声は無視できないのではないか」と主張。他の幹部からも「道路整備のために上乗せしている暫定税率を最初から維持すると結論付けるのはおかしい」などの意見が出た。
 午後の税調小委員会でも、冒頭、松島みどり同党経済産業部会長が「一般財源化するなら暫定税率を外すべきだ」「地方では自動車に依存せざるを得ず、自動車やガソリンに多くを支出している。地方で取った税金を福祉などに使うのは筋が通らない」と発言。続く出席議員のほとんどが一般財源化に反対するものの、余剰分を環境税に転用すべきなどという意見も飛び出し、方向性を示すに至らなかった。
 道路財源見直しのプロジェクトチームでは、佐藤勝三福島商工会議所連合会会長が「道路のために取っている税金をほかに回すと言うが、地方では道路が不足している」と述べ、東京区部と福島市を例に挙げて「福島の1世帯当たりの道路財源負担率は東京の4.5倍に達している」と矛盾を訴え、その発言に出席議員のほとんどが支持を表明した。




◆ 和歌山の業者に石油業界初の「排除措置命令」
  (5月19日付)

   公正取引委員会は5月18日、和歌山県内の販売業者が同県田辺地区で運営する2給油所が、仕入価格または仕入価格に人件費などの販売経費を加えた価格を下回る価格でガソリンを販売し、周辺事業者の事業活動を困難にさせたとして、独占禁止法の第19条(不公正な取引方法第6項「不当廉売」)に基づき、石油業界としては初めての排除措置命令を行ったと発表した。命令主文では、この業者に対し当該行為を取りやめた旨を周辺事業者および消費者に30日間周知するとともに、「今後、ほかの事業者の活動を困難にさせるおそれがある行為をしてはならない」と命令した。命令確定後、再び不当廉売を行った場合は罰則などが適用されることになる。
 命令を受けたのは濵口石油で、対象給油所は「セルフ南紀田辺給油所」と「セルフ南紀白浜空港線給油所」の2ヵ所。同社は、両給油所の販売価格が田辺地区の給油所の中で最安値になるよう現金販売価格を設定し、その看板を店頭に掲示。南紀田辺給油所では2005年8月から06年1月までの間に、運送費を含む仕入価格に同店の人件費などを加えた価格を下回る価格で106日間(そのうち仕入価格自体を下回ったのは80日間)販売。白浜空港線給油所でも同様の価格で販売した。
 公取委は、この行為は「田辺地区における販売量が多いほかの有力な事業者を排除する意図で行われていること」、さらには同社がこうした不当廉売によって生じた損失を、田辺地区以外の給油所(12ヵ所)で得た利益で補填し「同地区のほかの効率的な経営を行っている事業であっても同社の廉売に対抗することができず、販売価格の引き下げを余儀なくされた上、違反とされた期間内の販売量が前年比減少している」と指摘し、「ほかの事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある事実が認められた」と判断した。
 濱口石油に「排除措置命令」が行われたことに、地元業界では「評価する」「これで少しでも市場環境が良くなれば」との声が多い。しかし、実際に申告した業者は「もう一方の石橋石油になぜなんの措置も下されないのか。仕入れを下回っていないとしてもコストを考えれば明らかに不当廉売」と納得できない表情だ。05年夏、同県田辺、白浜の2地域で濱口石油と石橋石油が激しい価格競争を行い続けたことを起因としたのが今回の不当廉売事案。
 複数の県内業者は「商行為としては、むしろ石橋石油側による長年の安値拡販が地元業界を疲弊させた」「せめて石橋石油の行為にも、注意か勧告が行われても良かったはず」とし、公取委に異議申し立てを行う意向も示唆している。




◆ 「災害対応型給油所」の募集開始
  (5月10日付)

   全石連は5月9日から、2006年度の災害対応型給油所の募集を開始した。災害対応型給油所は災害時でも給油機能を維持できる自家発電装置、地域住民に生活用水を供給する貯水設備などを備えた給油所で、現在、全国に59ヵ所ある。全石連では災害時に石油製品の安定供給と地域住民へのサポートができる給油所として、普及に努めている。
 災害対応型給油所普及事業として、発電装置などのほか、緊急用可搬式ポンプなども対象とする補助金(5億円)の交付制度がある。補助金を受けた給油所は消防などの緊急車両に対する優先供給などを義務付けている。
 詳しい内容は「組合員向けのページ」の災害対応型給油所の募集コーナーで紹介している。問い合わせは全石連業務部(電話=03-3593-5831)まで。





◆ 埼玉が「無料職業紹介」の事業化を検討
  (5月10日付)

   埼玉県石油組合は理事会で、定款の一部を改正し、組合員への無料職業紹介事業を新たに加えることを承認した。正式には5月17日に開催する平成18年度通常総代会で決定する。今後、組合員からの要望が高まっている職業紹介事業の調査・検討を進めていくことにしている。
 中小企業が大勢を占める石油販売業界では、人手不足が深刻化しつつあり、将来も永続的に給油所運営を図っていく上で貴重な戦力となり得る人材の不足が販売業界共通の問題・課題となっている。
 また石油組合内でも、異業種からの新規参入や価格破壊が起こり、給油所の集約化・淘汰が相次ぎ、組合員数の減少傾向が続いていることから、同県石油組合では組合のスケールメリットを活用し、組合員へのサポート機能を強化するための新たな組織活動として、無料職業紹介事業の事業化に向けた検討を進めていた。
 同県石油組合では人材紹介事業として、2003年から埼玉県の外郭団体・いきいき埼玉(埼玉県シルバー人材センター連合)が実施するガソリンスタンドスタッフ講習と就職合同面接会に協力し、60歳代前半層のシニアに石油販売業界への就職支援を行い、県内の組合加入給油所にシニア人材を紹介してきた実績がある。
 今年度も積極的に同事業をサポートしていくことにしており、無料職業紹介事業の事業化に向けた検討を合わせて、人材紹介事業を組合事業の大きな柱にしていく考えだ。