2005年12月


◆ 関全石連会長が石油分科会で問題提起
    
(12月14日更新)


   総合資源エネルギー調査会石油分科会が10月27日開催され、「安定供給と効率性」の観点から石油戦略を見直す議論がスタートした。流通業界代表として出席した関正夫全石連会長は、政策検討の多くが石油開発・精製部門で占められていることについて、「石油製品の65%はわれわれ販売業者が消費者に直接、販売しているが、その販売業界に対する関心が低い。過当競争が厳しい中、防災に対する協力を行うなど、販売業界は地元に密着した経営を行っている。給油所をもっと有効活用してもらいたいし、給油所の存在に対して高い評価とご支援をお願いしたい」と問題提起し、流通部門の検討を求めた。
 また、石油流通に関しては、消費者代表の飛田恵理子東京都地域婦人団連盟生活環境部副部長も「給油所減少が続いているが、バランスを崩し独占的な系列支配になってしまうと業界が荒廃し、“負”の問題にもなる」と指摘した。




◆ 三重が「防災・防犯110番」PRビデオ作成
  (12月14日更新)

   三重県石油組合地域事業環境整備支援事業委員会は、社会貢献事業活動の一環で実施する小学校訪問講習会の実施内容について検討するとともに、訪問時に上映する周知用ビデオ「防災・防犯110番」の試写を行った。(写真)
 同講習会は前田敬太郎委員長ほか組合役員が、11月8日の伊勢地区を皮切りに、県内の小学校10校を直接訪問し、ガイドブックを配布するとともに周知用ビデオを上映、事業の趣旨説明を行うほか、パネルを用いて注意点などに関するクイズを行うなど、より児童の印象に残る工夫を凝らしたものにした。
 ビデオは、実写やアニメーションを使い、給油所の取り組む活動や給油所が危険な目に遭ったときに駆け込める安全な場所であることを説明するとともに、被害に遭わないための7つのポイントを解説、学年による周知内容の違いや、説明時間に合わせ、低学年用、高学年用、低・高学年用(ロングバージョン)の3タイプを作成した。
 前田委員長は「この社会貢献活動は、父兄、学校からも、期待されている事業。各エリアの組合員は事業趣旨を理解したうえで、積極的に参画してほしい」と、事業の意義を強調、活発な議論を促した。





◆ 札幌を皮切りにリスクマネジメント研修会
  (12月14日更新)

   全石連は、2005年度最初の「SS(給油所)リスクマネジメント研修会」を札幌市で開催した。研修では、東京海上日動火災保険本店営業第2部営業第2課課長代理の新地挙雄氏が、給油所での高級車盗難に焦点を絞った「転ばぬ先の…〈サービスステーションの事故処理マニュアル〉」と、「見えない『財産』を守るために〈サービスステーションの個人情報保護マニュアル〉」について説明した。講演要旨は次の通り。
 ドイツでは1993年にイモビライザーが本格的に装着されるようになってから、車両盗難事故の発生件数は大きく減少している。日本でも高級車やニューモデルにはこれが標準装備になっており、「キーなし盗難」は減少しているものの、キーを差したままでの盗難が増えている。
 給油所で車両盗難事故が発生した場合にその給油所が負う責任には、道義的な責任と法律上の責任がある。前者は賠償責任の有無にかかわらず、事故が発生した事実に真摯に接するものであり、後者では、預かっていた給油所に落ち度があったと認められれば、損害を主として金銭的な面で保障するという民事的な責任である。
 もし、給油所で車両の盗難事故が発生したならば、①作業依頼を受けてから事故に至るまでの正確な状況を把握する②事故後も含め、相手との会話内容を把握する③相手の素性(見た目、常連客かどうか)を確認する④できる限り多くの関係者から情報を得る、それと重要なポイントは⑤把握・確認した内容は必ずメモに残す⑥図面で位置関係を確認しておく、という6点を必ず実行したうえで被害者との交渉、保険会社への報告、弁護士への相談をしてほしい。
 次に考えなくてはならないのは賠償が本当に必要かどうかであり、冷静な判断が必要だ。給油所での給油や洗車は「請負契約」であり、車両を保管する契約は成立していないとされる。作業後、いつまでも客が戻ってこないで、その間に盗まれた場合には、客にも責任が発生する。
 仮に給油所側に賠償責任が発生した場合でも、賠償金額はいくらが妥当かを検討しなくてはならない。対物賠償は時価額が基本であり、まずは盗難車両の時価の確認をする。不正請求者はバウチャー(売買契約書、領収書など)を捏造することもあり、安易に鵜呑みにせずにインターネットなどで妥当な時価額を確認してほしい。また、先に述べたように洗車などを終えた後、客がなかなか戻らず、その間に盗まれた場合などは、客にも一定の責任を負うべきケースもあるので、過失割合の検討も必要になる。
 示談が難航すれば、弁護士への相談になるが、弁護士の力は「絶対」ではないということを強調しておきたい。裁判のための資料を提供するのは給油所であり、頼んでしまえば万全というのではない。弁護士と一緒に戦っていくという気構えが大切だろう。
 高級車両の盗難は給油所の経営を揺るがしかねない大きな事故であり、まずは絶対にこれを発生させないという意識をスタッフに徹底してほしい。

札幌市で開催された05年度最初の「リスクマネジメント研修会」には
給油所所長ら現場スタッフが大勢参加した




◆ 新潟が付加価値向上セミナー
(12月14日更新)

   新潟県石油組合付加価値向上委員会は、新潟地区と長岡地区の県内2ヵ所で、オイル販売を中心とした付加価値向上セミナーを開催した。講師には日本オイルサービス企画営業部部長の宗村武典氏を招き、「こうすればオイルは売れる」をテーマに、給油所のメンテナンス収益を上げるオイル販売の方法について講演した。この中で宗村氏は他業種に比べ、特に来店頻度が高い給油所の優位性を強調し、収益を上げるために「売る行為を押し出すのではなく、お客様の車を心配する気持ちで勧めていくことが今後の収益につながる」と訴えた。講演要旨は次の通り。
 カーショップではオイル交換がそのお店の売上げのバロメーターになっている。オイル交換が多いところほど儲かっているし、流行っている店。少ないところは儲かっていない、つぶれていく店といわれるほど、オイルが重要な商品になっている。
 カーショップは最近売上げが落ちてきているといわれており、一方で給油所は販売量が落ちてきているというところは少なく、極端に落ちているところはすでに閉鎖してしまっている。販売量が落ちないというのは、他業界から見ると大変うらやましく思われる。
 また、給油所は来店頻度が高く、燃料を入れに来てくれるというのは非常に大きな強みがある。
 ただ、油外を売るには、「そろそろ交換時期ですが」というように、予防販売をしていかない限り難しい。そろそろバッテリーが悪くなったので買いに来たというお客様は少ない。
 給油所業界ではカーショップに行く方が極端に少ない。在庫が豊富な月初めの5日間にぜひ見に行ってほしい。マーケティング・マーチャンダイジングは徹底しており、給油所でも売れる商品や、きれいなPOPを見ることで、売る方法や売れている商品を見つけることができるはずだ。
 API(米国石油協会)最新のSM規格が登場したことで、省燃費、排ガス装置を傷めない、酸化安定性が高く、長持ちするという、従来のオイルとは全く違う品質規格が出てきている。さらに、省燃費性能を高めた0W-20や5W-30を指定する新車も増えてきており、オイルのタイプ別、車種別、お客様の乗り方別に勧めていくことが重要になっている。
 なんでもいいからと販売していたら、安いお客様だけが残っていく。車に合った車にとって一番いいオイルを販売していくことが重要だ。
 5,000キロだったら「もうそろそろ交換時期ですね」、3,000キロだったら「あと2~3ヵ月は持ちますね」というように、お客様とのコミュニケーションを図りながら、売る行為を全面に押し出すのではなく、お客様の車が心配なんだという気持ちでお勧めしていくことが今後の収益につながっていく。

給油所におけるオイルの優位性を説明した宗村氏




◆ 「2004年度ガソリンルート別販売比率」で元売直営が30%もの
  伸び

  (12月14日更新)

   資源エネルギー庁は11月21日、2004年度のガソリン、軽油、灯油の供給ルート別販売実績を明らかにした。注目のガソリンは100%子会社、直売などを含む「元売直売ルート」が前年度比25.6%増で販売シェアを13.6%まで一気に拡大し、逆に同14.1%減と実績を落とした「商社系特約店ルート」を逆転、初めてシェア第2位に躍進した。「一般特約店ルート」も同1.1%増となり、5年ぶりに実績を上げた。元売による“系列優先”の販売政策が色濃く出た結果といえそうだ。軽油についても「元売直売ルート」が同22.4%増と大きく伸びたほか、フリート給油所が同4.8%増と好調を維持。灯油ではホームセンターが「特約店」と「燃料卸商」の2ルートで増販し、全体として同7.3%増と実績を伸ばした。
 ガソリン、軽油、灯油の3商品を用途別でみると、ガソリン、軽油は自動車用、灯油は民生用の実績が伸びたが、非自動車用や産業用の販売実績は大きく落ち込んだ。油種別をみると、ガソリンでは「元売直売ルート」のうち100%子会社を含む「元売直営販売」が前年度比30.8%増と大きく実績を伸ばす一方で、「商社系特約店ルート」の「特約店直営販売(2者)」が同51.3%減と急落。この結果、ルート全体に影響し、「元売直売」と「商社系特約店」の2つのルートの明暗を分けた。
 「一般特約店ルート」は「特約店直営販売(2者)」が同2.4%減、「販売店(3者)」も同0.8%減と実績を落ちたものの、「その他」が同31.4%増と伸び、実績そのものは増加した。ただ、自動車用燃料全体の伸びに追いつかず、販売シェアは69.8%となり依然最大勢力ながら70%台をついに割り込んだ。
 軽油でも、「元売直売ルート」が増加し販売シェアを7.0%とした。「特約店ルート」は同0.6%減の微減となったものの、86.8%と依然圧倒的な販売シェアを維持。ただ、内訳をみると、「フリート給油所」が実績を上げて販売シェアを16.5%に拡大、「トラック向け」も同1.5%増となり、15.7%へ販売シェアを広げた。これに対して、「一般給油所」は同3.2%減となり、35%台の販売シェアを維持できなかった。
 また、灯油は「特約店」「燃料卸商」「元売直売」の3ルートが実績を伸ばした。同2.4%増の「特約店ルート」では、いわゆる薪炭系とされる「燃料小売商等」以外はすべて実績を伸ばし、「一般給油所」が同0.1%増で、販売シェアは23.8%となり、25.1%に販売シェアを落としたトップの「燃料小売商等」(「特約店」と「燃料卸商」の2ルートを合わせたもの)との差を縮めた。関心の高い「ホームセンター」は、最大供給先の「特約店ルート」が同8.3%増、それに次ぐ「燃料卸商ルート」が同2.3倍増と実績を拡大したのに対して、「元売直売ルート」は同43.8%減とほぼ半減した。






◆ 栃木が「危機突破」へ総決起大会
  (12月14日更新)

   「系列仕切りと業転価格との著しい乖離」や「販売店の仕切価格水準で販売する系列大手給油所」に対する中小組合員の不満の高まりを受けて、栃木県石油組合は11月22日、市内の護国神社で350人を動員し、『給油所経営危機突破総決起大会』を開催した。決起大会では元売各社に送付した“嘆願書”に対する各社の回答が「業転放出はしていない」「系列仕切りの値下げには応じられない」などの内容にとどまったことから、『公正・公平な市場の実現に向けた緊急決議』を採択した。また、当日は来賓として「ガソリンスタンドを考える議員の会」(「GS議連」)の西川公也、吉田六左エ門両副会長、全石連の高見澤信義関東支部長、根本一彌東北支部長が駆けつけ、事態改善に向けた全面的な協力姿勢を確約した。
 主催者として、あいさつに立った山口博久栃木県石油組合理事長は「われわれ地元給油所は“かけこみ110番”などを積極的に展開し、地域貢献を行ってきた。また、少子高齢化が進む中、灯油配達などを行い、地域ニーズに応えているが、こうした市場混乱が続き、地元給油所がなくなればどのような結果が発生するのか。石油業界として深刻に受け止めるべき」などとし、改めて「地元給油所の再奮起が必要」と訴えた。
 事態改善に向けた取り組みについて、西川GS議連副会長が「エネ庁、公取委ともに事態の深刻さは十分に認識したはず。公取委の調査もようやく始まった」と報告、次いで高見澤支部長が「受皿のないまま、自由化した行政、元売の責任は重い」としたうえで、11月28日には関東支部として、元売各社を訪問し、『公正・公平な市場の実現』に向けた協力を強く求めると説明した。
 また、元売への“嘆願書”については元売10社中9社が回答してきたものの、1社を除き業転放出を否定。系列子会社などの価格追随についても「不本意ながら追随」「子会社の独自判断」と回答、系列価格の値下げ要求には「未転嫁分が残る中、対応できない」「組合から要望を受けたり、回答する立場にない」との回答に終始し、多くの組合員から不満の声が上がった。

護国神社に集まった350人の組合員は「差別対価をなくせ」
「不当廉売をやめろ」「地元給油所をなくすな」とシュプレヒコール