2005年10月


◆ 生協灯油新価格打ち出す
    
(10月17日更新)


   2005年冬の灯油価格の動向が注目されているが、一部生協がこれまでの仕入れコストの上昇を受け、新価格を打ち出し始めた。青森県の「コープあおもり」が8月中旬に明らかにした価格(1リットル・消費税込み)は、ホームタンクが75円、ポリ缶が77円。また、長野県の「コープながの」もほぼ同時期に、8円値上げしてホームタンクを73円、ポリ缶を76円、提携給油所での店頭を66円にそれぞれ改定した。4月18日以降、価格を据え置いていた「コープながの」は「情勢の変化があれば見直す」としている。




◆ 違法行為に断固たる姿勢
  (10月17日更新)

   京都市南区のセルフ給油所に8月26日夜半、一人の男が給油に訪れ醤油用ペットボトルにガソリンを入れようとし、給油所にいた従業員がその行為をとどめた。この男はそのことに腹を立て、警察まで呼び出すというトラブルが発生。ところが警察の対応の不十分さから、一歩間違えば大きな事件となりかねない事態があいまいになってしまった。事態を重く見た京都府石油組合は、対応に当たった向日町署に厳重な抗議を行い、消防法規定に基づいて管理を徹底する石油販売業界の姿勢を説明した。
 給油所でペットボトルにガソリンを入れようとした男に対し、従業員はその行為を制止するため給油許可を出さず、「専用缶を貸すからこれに給油してください」と言うと同時に男の住所、名前を聞こうとした。
 すると男は怒り出し給油ノズルを従業員に向け「ライターで火をつけて燃やしてやる」と言い出したという。
 この事態に従業員は断固給油拒否の姿勢を貫いたが、男は「ガソリンスタンドが給油してくれない」と警察を呼び、警察官8人が現場に急行。
 この警察官を交え3者での話し合いでも和解せず、ついには所長まで呼び出され、所長より従業員の行動の正当性が説明されたが、それでも男は納得しなかった。
 警察官も「給油所の対応には落ち度はない」としながらも消防法規定によりペットボトルに給油する行為の違法性を認知している様子はなかった。
 この事態に給油所責任者は「従業員のとった対応処理は間違いない。警察官がペットボトルにガソリンを給油することについて全く知識、認識がないことが残念。ガソリンがどんな怖い危険物であるかをもっと勉強してほしい」と話している。
 事態の報告を受けた京都府石油組合も「制止せず売ってしまった場合、後で事件になると必ず売った者の責任が厳しく問われる。それを未然に食い止めたにもかかわらず消防法を知らない警察官のために事態をあいまいにした」として現場での警察対応に不快感を示すとともに、同石油組合の鳥山正未専務理事が向日町署に対し、厳重な抗議を申し入れた。




◆ 続発する給油所強盗被害
  (10月17日更新)

   8月の給油所における強盗事件が28日までに6件表面化した。これまでに給油所で発生したカード犯罪、消火器点検・交換の不当な高額請求事件、給油所荒らしなどでも、犯罪が一定期間に集中して被害が拡大する傾向が見られたことから、改めて注意を喚起したい。
 8月5日、東京・足立区の給油所でナイフを凶器とする強盗傷害事件、また同日、大阪・箕面市のセルフ給油所では入れ逃げから強盗傷害事件につながり、20日には東京・江戸川区の給油所で刃物を突きつけて3万円を奪う強盗事件、26日には東京・町田市内のセルフ給油所で刃物を突きつけて240万円を奪う強盗事件が、さらに28日には神奈川・平塚市の給油所でアルバイト所員が2人組の男に棒のようなもので手足を殴られ、縛られたうえに350万円が奪われ、東京・江戸川区の給油所で閉店後に男が押し入り、女性所員と男性所員に刃物を突きつけて130万円を奪い逃走する事件が相次いで発生している。いずれの事件にも共通するのは、深夜か早朝に発生していること。スタッフ数が手薄になり、人通りも少ない時間帯だ。
 警察庁の統計によると、2005年1~6月に強盗事件は全国で約3,000件発生しており、うち給油所は19件と相対的な発生比率は高くはないが、最悪の場合は人命にも関わるので、防犯対策に万全を期す必要がある。
 給油所業と営業形態が似ている部分が多いコンビニ業界では、給油所業界の20倍にものぼる370件の強盗事件が上半期だけで起きている。コンビニは「狙われやすい職場」であることを踏まえ、警察庁は1999年の通達で規定した深夜スーパーマーケットの防犯基準に基づき防犯指導などを行い、03年9月には新たな防犯基準を定めて各地方機関の長と各都道府県警察の長あてに防犯指導の強化を要請、さらに04年8月には関係機関・団体に対して自主防犯体制の強化指導を依頼している。コンビニ・スーパー業界向けの通達が相次いでいるのは強盗事件が続いていることを裏返すもので、「深夜時間帯は複数勤務とすること」「被害者に占めるアルバイト店員の割合が高くなっていることから、採用時の現場での指導や定期的な防犯指導を強化すること」などを指導している。
 給油所業界はコンビニ業界に比べて24時間営業は少なく、来店客数も少ない。一方、防犯カメラの普及率はかなり低い。元気の良さ・力強さ・フットワークなどには自信を持っているスタッフも多い。これらが仇(あだ)とならないように気をつけたい。勇気ある行動は、反撃として返ってくることも考えられる。
 突発的、無計画な襲撃は避けようがないが、まずは防犯意識をスタッフ全体で共有し、犯罪者が近づきにくい職場環境を整えておくことが重要だ。




◆ 大阪で入れ逃げが凶悪化
  (10月17日更新)

   大阪府内のガソリン入れ逃げ事案が収まらない。大阪府石油組合の調べでは04年以降、8月までに81件の入れ逃げ事案が確認され、その勢いは増長する傾向にある。8月に箕面市のセルフ給油所では入れ逃げした車が、止めに入った従業員を約20キロメートル、20分間にわたりボンネットに乗せたまま逃走する事件が発生するなど、入れ逃げは凶悪化する傾向もあり、単なる寸借詐欺では済まされない事態に発展する様相を示している。
 府内の組合員から入れ逃げ事案についての情報が大阪府石油組合に多く寄せられるようなったのは2004年から。当初は給油後、「財布を忘れた」「お金がない」などと言い、後日支払いを約束しながらその後音信不通となる詐欺的な要素が強い入れ逃げ事案が多かった。
 しかし、夏場過ぎからは給油後、給油キャップを置いたまま急発進し入れ逃げするケースや、一方通行を逆走して逃げたものなど、事故につながる危険を冒してまで逃げるものも現れ、組合員からは「単なる入れ逃げでは済まされない」と危機感が強まっていた。
 逃走する犯人も20歳代の男性から40歳を超える男性、さらには20歳代の女性まで確認され、その特徴は拡大するばかり。従業員の間で入れ逃げへの警戒感が強まっている。
 象徴的な入れ逃げ事例としてはナンバープレートの末尾部分に紙を張ったベンツが、いきなり給油後逃走したものや、1万円の両替を申し出て、従業員が「できない」と言うといきなり急発進したセドリックなどがあり、これに財布忘れなどの詐欺的な入れ逃げを併せて繰り返し狙われる給油所も数件確認されている。
 こうした事態に同府石油組合でも「ガソリン入れ逃げ情報」をまとめ、組合員へ注意を促すとともに、関係機関と具体的方策について検討を始めている。
 また、給油所でもこれまで以上に防犯カメラの台数を増やし、監視体制を強めたセルフ給油所や、ナンバープレートによるチェック体制を従業員に徹底する給油所、逃走車のマーキングのためにカラーボールを設置した給油所などもある。
 関係者からは「少しでも怪しければ、と警察は言うが、いま、どの車が入れ逃げするのかがわからない。とにかく、こうした犯人に犯罪として割に合わないことをわからせていくためにも、警察には確実に取り締まる体制を作ってもらうしかない」と話している。

大阪府では入れ逃げ対策に防犯カメラをつける給油所が増えている




◆ 1給油所の徴税額9,500万円に迫る
  (10月17日更新)

   2004年度のガソリン、軽油、灯油の販売量、月次価格推移、給油所数などをベースに、機関紙「ぜんせき」が1給油所当たりの平均的な徴税額を試算したところ、9,442万円となっていることがわかった(グラフ参照)。03年度の試算と比べると433万円の大幅な増加となり、01年度から累計すると849万円も増えたことになる。
 油種別では7割以上を占めるガソリン税が前年度比287万円増の6,795万円、軽油引取税は10万円減の1,310万円となった。ガソリンにかかる二重課税分は前年度比15万円増の354万円。
 なお、1給油所当たりの月間平均販売量はガソリン105.2キロリットル(前年度比4.4キロリットル増)、軽油34.0キロリットル(0.3キロリットル減)、灯油17.7キロリットル(0.2キロリットル減)となっている。





◆ エクソンモービルが精製元売初の石油製品輸出
  (10月17日更新)

   米国の超大型ハリケーン被害に伴い、IEA(国際エネルギー機関)が加盟国の石油備蓄放出を決めたことに対する協調行動として、国内精製元売としては初めて、エクソンモービル・ジャパングループが石油製品の輸出を決めたことが注目されている。
 同社では国内の安定供給を大前提にしており、「今回の輸出は国内マーケットが影響を受けることがないよう十分に留意したうえでの決定」としている。
 同グループが輸出するのは、米国に対して10月上旬を目途にガソリン基材アルキレート・2万2,000キロリットルと欧州に対して9月中に軽油・10万キロリットル。




◆ 札幌市が灯油用ホームタンクの新安全基準運用
  (10月17日更新)

   札幌市は、灯油用ホームタンクの新たな“安全基準”を10月1日から運用開始した。新基準では、配管の保護カバーなどの設置を勧めるほか、漏洩防止対策として、感知器や漏洩を最小限にとどめる装置の必要性を求めている。
 各家庭に設置されているホームタンクの安全性を確保するための基準の改正は、04年7月に清田区で発生した21基のホームタンクがひと晩のうちに次々と配管を切断されるなどの被害にあった連続いたずら事件が背景にある。これを契機に同市消防局は「ホームタンク安全基準検討会」を設け、04年11月から改正すべき点を検討してきた。
 10月からの新基準では、地震などの災害発生時に危険性が大きいことから、タンクの設置場所を屋上やバルコニーには原則的に認めないことや、新設のものには、いたずら防止などを目的とした配管の保護カバーの設置を勧めている。
 また、タンクからの漏えいを早期に発見したり、最小限に防ぐための機器の必要性も求めており、同局はこれらのシステムの開発を関係機関に要請している。
 このほか、「ホームタンクチェックシート」(写真)に基づいての点検を実施する。シートでは、「タンクの外面にさびがないか(特に底部)」など、漏洩の発生する可能性の高い箇所などをチェックする。このシートを用いての日常点検の実施はタンクの所有者に求められるが、高齢者のひとり暮らしなど困難な家庭もあるため、その場合には灯油供給業者に代行を要請することもあるという。





◆ 昭シがAOCHDに資本参加
  (10月17日更新)

   昭和シェル石油は9月16日、AOCホールディングス(AOCHD)に資本参加するとともに、AOCHDの子会社である富士石油との間で、石油製品取引を行うことについて基本合意したと発表した。昭和シェルがAOCHDが行う第3者割当増資で発行される新株を引き受けるほか、AOCHDの自己株式を買い取る。これによって、同社の出資比率は6.58%(議決権比率6.84%)になる見通し。資本参加時期は10月7日を予定している。




◆ 三井石油が販売子会社統合
  (10月17日更新)

   三井石油は10月1日付で、100%出資販売子会社の東洋物産、東北ミツイ、東洋石油販売の3社を東洋石油販売(本社・千葉県船橋市浜町、給油所数54ヵ所)を存続会社にして統合した。同じく完全子会社で卸専門の三油エネルギーも同時に吸収し、新社長には蒔田繁幸執行役員販社統括室長(10月1日以降も同社執行役員兼務)が就任した。




◆ 新日石が矢野新商事を完全子会社化
  (10月17日更新)

   新日本石油は9月20日、大手特約店の矢野新商事(本社・東京都足立区、横山太郎社長)を完全子会社化し、社名を「高輪エネルギー」(本社・東京都港区)に変更することを明らかにした。社長には牧俊夫氏(前新日石北海道支店長)が就任する予定。
 矢野新商事は1920年に創業、同時に旧日石特約店となった老舗で、関東を中心に7都県で直営102ヵ所(宮城11、栃木31、千葉9、埼玉10、東京19、神奈川14、岡山8)、販売店171ヵ所の給油所ネットワークを展開する独立資本の大手。年間75万キロリットル(うちガソリン33万キロリットル)の燃料油販売のほか、グループで不動産、カーディーラー、コンビニエンスストア、カーショップなど多角化を図っていた。矢野新の給油所経営資源は、人材面や油外収益部門でも定評があり、「驚きと寂寥感が漂う出来事」(関東地区の販売店)と受け止められている。
 新日石は「給油所運営は低マージン化を余儀なくされており、先方から株式要請を受けていた。この規模の特約店の完全子会社化は初めてと思う」としている。牧氏のほか、常務として平川洋一氏(前新日石ガス経理部長)、非常勤取締役として神野康夫氏(新日石執行役員)が就任する予定。




◆ 元売4社が米国向けにガソリン2.5万キロリットル輸出
  (10月17日更新)

   新日本石油、出光興産、コスモ石油、ジャパンエナジーの4社は9月20日、仙台港から米国向けにガソリンを輸出した。
 ハリケーン「カトリーナ」の被害による米国の原油や石油製品の不足による石油市場への悪影響を未然に防止するためにIEA(国際エネルギー機関)は石油備蓄放出を決定。これを受け、新日石1万キロリットル、出光、コスモ、ジャパンエナジー各社が各5,000キロリットル、計2.5万キロリットルのレギュラーガソリンの輸出に踏み切ったもの。4社分のほか、三重県の四日市港で積み込んだ昭和シェルの2.6万キロリットルを合わせ、合計5.1万キロリットルを積み込んだ「マリタイム バネッサ」号が新日石精仙台製油所から米国に向かった。
 出航に先立ち行われた記者会見で西尾進路新日石社長は「国内市場の安定供給を確保したうえで、米国のために役に立ちたい」と述べた。また、記者会見には資源エネルギー庁の近藤賢二資源・燃料部長も同席した。

米国に向けて出向するタンカーをバックにした関係者




◆ 昭和シェルが東亜石油を子会社
  (10月17日更新)

   昭和シェル石油は9月27日、東亜石油が実施する第3者割当増資によって発行される新株の引き受けを決めた。石油下流部門のさらなる基盤強化に寄与すると判断した。現在は持分法適用会社で持株比率は37.4%だが、これによって持株比率が50.1%と過半数を占め、特定子会社になる予定だ。株式異動予定日は10月31日。
 石油精製や電力卸供給を主要事業とする東亜石油は3月末現在、資本金49億6,100万円、従業員数は連結ベースで594人。2005年3月期連結決算は売上高324億円、営業利益36億円、経常利益27億円で、総資産は929億円。子会社化に伴う昭和シェル当期連結業績への影響は軽微としている。




◆ 岐阜も「災害時被災者支援」協定締結
  (10月17日更新)

   岐阜県石油組合は9月27日、岐阜県と「災害時における被災者支援に関する協定書」を締結した。山口隆士理事長と古田肇知事との間で協定書を取り交わした。
 山口理事長は新潟県中越地震や阪神大震災で示された給油所の施設としての堅牢さや、燃料供給拠点として果たした役割について説明しながら、「東海地震、東南海地震、内陸部直下型地震など、地震災害の発生が危惧される中、給油所ネットワークというインフラを地域の中でどう生かせるかを考えた。もしもの際に人々の不安感を少しでも取り除き、被害を最小限度に抑えることに役立てるよう、今後はPR活動などを中心に努力していきたい」とあいさつした。これに対して、古田知事は「県では、4月に地震防災対策推進条例を施行、県民、事業者などに防災対策への取り組みを働きかけているが、今回、石油組合の協力を得られたことは大変意義深い。今後とも官民が一体となり、地震防災に努めたい」と、今回の協定を危機管理時代の重要な一つのステップとして評価した。
 なお、同協定は大規模地震発生時や警戒宣言発令時に、交通が途絶し、帰宅困難となった者や、徒歩で帰宅せざるを得ない者に対し、組合加入給油所が一時休憩所として水道水やトイレを提供するとともに、ラジオやテレビなどによるメディア情報、市町村が作成した防災マップなどによる情報提供などの支援を行うもの。同様の協定は今回の岐阜県石油組合を含め12都府県で締結されている。

協定書を取り交わした後、固い握手を交わす山口理事長(左)と古田県知事