2005年04月


◆ 湾岸戦争以来の大幅仕切り値上げ
    
(4月19日更新)


   元売の2005年4月仕切価格は、単月の値上げ幅としては1990年10月の湾岸戦争絡みでの8円/リットル値上げ以来の記録的な値上がりとなる。原油国内指標では3月20日ケースで前月比3.4円、25日締めでは4円の原油コスト増となる計算だが、各社の仕切り値上げ幅は、この水準を大きく上回った。各社は、国内元売の依存度が高いアジア向けの軽質原油と南方原油の値上がり幅が大きくなったこと、灯油などの輸入コストが上昇したことが要因と説明しており、コスモは環境対応コスト分が含まれているためとしている。
 各社の値上げ幅は新日本石油が5.1円/リットル、出光興産と昭和シェル石油、ジャパンエナジーの3社は4.8円、コスモ石油は15日までの前半適用で自動車燃料の硫黄分10ppm以下のサルファーフリー化コスト込みで4.9円の値上げとなる。1月比では8.4円前後の値上がりとなる。エクソンモービルも給油所ガソリンと軽油を4月2日から4.8円値上げする。
 湾岸戦争以来の大幅値上げとなる4月仕切りは、原油相場の現状では5月仕切りにも1~2円の値上げ要因を持ち越す展開となっており、為替も円建てコストを押し上げる円安が進んでいることから、「4月仕切り値上げは大幅であっても通過ポイントに過ぎない」と解説されており、完全転嫁が給油所経営の健全性確保には欠かせない状況となっている。
 京浜海上業転市場でも3月第5週に入ってガソリンと軽油が急伸している。値上がり幅は前週比で4円前後となっており、98円目前となったガソリンは、製油所の定期修理が本格化するために、さらに値上がりする可能性が高くなっている。95円に達していない陸上ガソリンも急上昇する展開となるのは確実な情勢と見られている。




◆ 東京が「不公正取引110番」
  (4月19日更新)

   東京都石油組合は3月29日に開いた定例理事会で、元売などとの企業間取引に関する連絡・相談窓口「不公正取引110番」の設置を正式承認し、報告様式となる「独占禁止法における企業間取引問題等連絡書」を作成した。連絡書は支部長経由で組合員全給油所に配布する。また、組合役員の仕切価格アンケートを理事会で毎回行うことを決めた。
 連絡書では、業転の取り扱いに対する差別的な対応、不合理な卸価格差の設定、給油所賃貸料での差別、業転出荷の選り分け、卸価格算出方法の説明不足などを10項目に分類。また、カード問題などを含め、自ら記入する情報報告欄も設けている。匿名でも受け付けるが、系列名については明記を促している。連絡内容は報告者のプライバシーを厳守したうえで、公正取引委員会、元売、理事会などに報告する。
 一方、仕切価格はハイオク・レギュラー・軽油・灯油の4油種と系列名を聞くとともに、業転購入の有無と購入比率も調査する。理事会の開催案内に調査票を添付し、理事会に持参してもらい会議時間内に集計して報告する考えだ。
 同石油組合は、公正取引委員会が2004年9月に公表した「ガソリンの流通実態に関する調査報告書」の趣旨を踏まえ、公正な競争秩序の確立を目指している。




◆ 緊急用可搬式ポンプの実地試験
  (4月19日更新)

   2005年度の災害対応型給油所普及事業予算に緊急追加された「小型手回し給油機」(緊急用可搬式ポンプ)の実地試験が3月25日、都内給油所の協力を得て、全石連、資源エネルギー庁の立ち会いのもと行われた。同ポンプは新潟県中越地震の際、電力が途絶した被災地給油所が、直接計量機を手で回し、給油所に殺到した消費者に供給せざるを得なかった教訓に学び、災害時における給油所負担を軽減する目的から新規追加を決めたもので、大規模な地震が続く中、早急な普及が期待されている。
 当日は関係者が見守る中、同ポンプを取り扱うタツノ・メカトロニクスが給油所構内に搬入、地下タンクから燃料(軽油)を実際に汲み出しながら、手順や機能などについて説明した。タツノ・メカトロニクスは、「同ポンプは阪神大震災時に緊急用として製作したもので、今回はそれに給油メーターを設置するなどし、本格的に実用化した」としている。  同ポンプは小型で持ち運び可能なため、石油販売業者だけでなく、石油組合などが保管し、必要に応じて被災地の対象給油所に運ぶ使用形態での導入も見込まれる。組合、支部などが給油所と連携し、防災拠点の1つとなる動機づけにつながるという期待もある。




◆ 環境税推進議連に業界の総意訴え
  (4月19日更新)

   「環境」に名を借りた新税導入を推進する国会議員と石油販売業界代表が3月16日に初めて直接対話した(写真)。自民党の「環境税を推進する若手議員の会」からの「環境税に対する業界の声を聞かせていただきたい」という呼びかけに全石連、油政連のほか全日本トラック協会が応じたもの。
 関会長は、「石油販売業界は環境を守る熱意は人一倍あると自負している」と前置きしたうえで、「1.9円程度なら上乗せできるだろうというのは大間違い。ガソリン税や軽油引取税が増税されるたびに未転嫁分を自分の懐から搾り出して納めてきた」と実情を説明。「中小SS事業者にとって、こんなむごい『酷税』の上乗せを自民党の政策として出すのはおかしい。違う方向で考えてもらいたい」と訴えた。
 根本一彌東北支部長は、「『税を推進する議員の会』というのは納得できない。『環境を良くする議員の会』ではないのか」、「ガソリン税の暫定税率の問題や二重課税の問題など全国のSS事業者が不信感を持っている。環境を守ることにはだれも反対しないが、不公平税制の見直しが先決だ」と訴えた。
 さらに、杉澤達史北海道支部長が、「税金を取るだけが対策ではないはず。温暖化防止のためにはモーダルシフトの促進など、税金をかけなくても効果的に達成できる施策があるはずだ」、「2円程度の負担だから国民は困らないという発想は話にならない」と指摘し、早山康之副会長は、「欧州のガソリン税などは高い、という指摘があったが、その分、閉店法の中で給油所だけは日曜営業が認められるなど大きな配慮がされており、わが国とは比べものにならない」などと述べ、トラ協とともに業界の全出席者が導入構想に強く反対した。





◆ オカモトが東北進出
  (4月19日更新)

   北海道の量販業者であるオカモトが東北地方に進出した。同社の北海道以外での給油所出店は初めてで、地元では、「北海道のように市場混乱要因を抱えかねない」として、警戒心を強めている。
 オカモトの東北進出は、既に宮城県石油組合の高橋脩理事長が3月17日の理事会で明らかにしていた。4月7日に開所した岩手県陸前高田市のほか、同じく一関市と宮城県気仙沼市での建設計画も確実視されている。
 オカモトは北海道内で24ヵ所の給油所(すべてセルフ)を展開、モダグループと熾烈な価格競争を展開している。




◆ 独禁法改正案の不公正取引防止で付帯決議
  (4月19日更新)

   全石連と全国石油政治連盟が強く要望してきた不公正取引への制裁措置強化に向けた動きが大きく前進した。3月11日の衆議院経済産業委員会で公正取引委員会が提出していた独占禁止法改正案の可決に伴い、2年以内を目途に不公正取引に対する課徴金適用などを早急かつ前向きに検討するよう政府に求める内容を盛り込んだ付帯決議が採択された。不公正取引の差止請求において文書提出命令や団体で訴える方法も検討されることになり、同改正法案は15日の衆議院本会議で可決された。
 付帯決議では、「特に中小企業などに不当な不利益を与える不当廉売、優越的地位の濫用などの不公正な取引方法に対する措置に関して、課徴金適用の対象とすることも含めてその方策を早急かつ前向きに検討すること」、「不公正な取引方法の差止請求について、文書提出命令、団体訴権など一層効果的な措置を講ずることができる方策について早急に検討すること」と記載された。
 独禁法改正案はカルテルなどへの課徴金引き上げを柱にしたものだが、全石連はこの改正に際し、複数回にわたって「注意」や「警告」を受ける不当廉売業者への制裁措置導入をはじめ、差別対価や優越的地位の濫用などの不公正取引を立証しやすくするための文書提出命令、団体訴権の導入などを要望していた。y