2005年03月


◆ 中環審・地球環境部会で「環境税導入」発言相次ぐ
    
(3月24日更新)


   中央環境審議会・地球環境部会は2月23日に開いた第27回会合で、現行の地球温暖化対策推進大綱を見直して策定する京都議定書目標達成計画に、「環境税の導入」を促す第1次答申案を提示した。
  構成メンバーでは少数派の産業界委員は、既存税財源の有効活用が先決などと主張したが、多数派の学識者らから環境税の導入を前提にした早急な検討を求める発言が相次いだ。
 同部会は、2010年度の温室効果ガス排出量が現状対策のままだと6%増加すると報告。1990年比6%削減の約束を守るには12%の削減が必要となるが、02年度のエネルギー起源CO2排出実態は家庭部門、業務その他部門、運輸部門が大幅に上回っていることから、産業部門の7%削減目標を8.6%まで深掘りするなどして温室効果ガス排出量を0.5%減らし、吸収源対策と京都メカニズムの活用を組み合わせることで削減約束の達成を目指す方針を明らかにした。
 具体的な削減対策には、トップランナー基準の強化や対象拡大による自動車燃費の改善、クリーンエネルギー自動車の普及促進、バイオマス燃料の利用促進、燃料電池・天然ガスコージェネレーションの導入促進などが示されており、石油需要にも影響するものと見られる。
  その後、環境省は3月8日の第28回会合で、目標達成計画に盛り込まれることが想定される具体的な対策とその省エネ効果量・CO2削減量を数値として積み上げ、「安定的な税財源確保が必要」として環境税の導入に向けた早急な検討を提言する第2次答申案を示した。





◆ ガソリンボーイついに撤退
  (3月24日更新)

   特石法廃止直後に、全国初の異業種参入として大いに注目され、話題になった給油所が閉鎖した。北海道の大手ディスカウント業者、カウボーイ(本社・札幌市)が1996年4月26日、札幌市厚別区の厚別店の隣接地にオープンした給油所だが、2004年12月31日を最後に営業を止め、05年1月末日付で正式に廃止された。
 異業種参入第1号給油所は、カウボーイ苫小牧店敷地内の給油所と同時に開所した。いずれも丸紅エネルギーの関連会社「ガソリンボーイ」が運営し、サインポールには本体のカウボーイと同様に、テンガロンハットと水牛の角を合わせたマークを掲示。その独自のスタイルは消費者の目を引き付けた。その後、運営会社は替わり、丸紅エネルギーが100%出資する北海道マルセキがノーマークで運営していた。
 オープン当初はマスコミにも大きく取りあげられ、集客力もあったものの、翌年には200メートル足らずの至近距離に茂田石油が給油所を出店。この安値量販給油所には全く太刀打ちできず、採算が取れなかったことが撤退の最大の理由になったようだ。
 関係者によると、同給油所の跡地については、裏手にある丸紅エネルギーの灯油センターを含め、今後の利用方法を模索しているという。
 カウボーイは子会社を使ってアルコール系自動車燃料を一時販売していたが、現在はその会社の給油所で一般の石油製品を扱っている。このため、丸紅エネルギーとの関係にもかなりの距離ができていると見られている。北海道マルセキは現在、苫小牧店を含めてカウボーイ併設給油所を3ヵ所運営しているが、今後は採算を考慮したうえで各給油所の進退を図っていくようだ。




◆ 関東支部で元売販社の姿勢を問題視
  (3月24日更新)

   全石連関東支部は2月10日、理事長・経営委員長合同会議を石油会館で開き、ガソリン流通市場における不公正取引問題について協議した。この中で特に問題視されたのは、最近の元売子会社や出資会社の販売政策で、複数価格表示、カード割引を含む掲示価格と実売価格の格差など、各地における子会社・出資会社の姿勢が依然として量販指向である実態の指摘が相次いだ。
 同会に出席した関正夫全石連会長は2004年、石油連盟の渡文明会長とともに提唱した“量から質への転換”に触れ、「この言葉の理念はさまざまな意味における給油所経営の質の向上を図っていこうというものだが、それを理解せず、一部の元売販社が依然として、新規オープンを理由とした廉売など、旧態依然とした量販指向を続けているなら、問題と言わざるを得ない。この理念の意味を再度、元売各社に問い、末端の現場レベルまで浸透させるよう求めていく必要がある」と指摘し、“量から質への転換”を実効性あるものとして、現場に根付かせていく必要性を強調した。
  また、系列下給油所に募金箱を設置し地域の福祉関係への募金活動を計画している元売の活動を紹介し、社会貢献活動における“縦糸”の取り組みへの期待も明らかにし、「業界全体の質の向上こそが、地域の消費者から求められている精販共通の課題である」と訴えた。




◆ BDF混合軽油の議論始まる
  (3月24日更新)

   総合資源エネルギー調査会石油分科会石油部会は2月8日、第19回燃料政策小委員会を開き、BDF(バイオ・ディーゼル・フューエル)混合軽油の品質規制のあり方について議論をスタートした。BDFは菜種油、天ぷら油の廃食油などを原料に化学処理して製造される燃料で、エネルギー源の多様化や温暖化防止の両面において期待されている。
  また、すでに京都市などの自治体が市バスなどの燃料として実用化しているもので、同小委員会では、一般ディーゼル自動車への使用を想定し、安全、環境の面からBDF混合軽油の性状を検証し、現在の燃料(軽油)規格に新たな規格項目を追加する考え。2005年内を目途に分析方法の開発などを検討し、同年度内に新たな燃料規格の省令化を図る予定。なお、BDF100%燃料は、安全走行の問題などについて現在、国土交通省が検討を行っている。
 BDF混合軽油の品質確保について、同委員会では上流規制だけでは流通段階における品質劣化や他の物質との混合による品質変化が防げないため、現行の軽油販売業者などに適用している品確法のスキームを維持、活用する考え。さらに、原料によって性状が異なってくるため、軽油への混合率を一律に定めるのではなく、性状(不具合を防ぐため注目すべき性状:酸化安定性、メタノール、多不飽和脂肪酸、メチルエステル含有量、トリグリセライド、モノグリセライド、ジグリセライド、グリセリン、固形異物、水分、低温特性、金属分、リンなど)ごとに注目し、規格を設定する方式が提示された。
 また、オブザーバー出席した京都市が「1997年から挑戦しているが、より多くが同燃料を取り扱うには規格化が必要」と発言、さらに、不正混和軽油の流通防止に取り組んできた実績がある石油業界からも新たな燃料が軽油に添加されることになるため、燃料規格の定義とそれに伴うしっかりとした徴税方法の確保を求める意見が出された。




◆ 公取委が差別的取引などの具体事例の提供求める
  (3月24日更新)

   全石連の政策・環境部会と経営部会は2月3日、合同会議を開き不公正取引の是正に向けた小売業界としての対応について協議した。
  同会議には公正取引委員会から山木康孝取引部長、片桐一幸取引調査室長らが、エネ庁からは村松秀浩石油流通課長らが出席し、ガソリン流通実態調査や元売ヒアリングで明らかになった不透明な取引慣行や商標問題について活発に意見交換した。
 全石連側は、仕切格差について合理的な説明がつく範囲にとどめることや、商標権の恣意的、差別的な行使の防止、元売子会社に対する優遇政策の禁止などの要望事項を説明。エネ庁に対しては石油流通取引の適正化および公正競争環境の整備の観点から元売に対し強く指導するよう要望し、公取委に対しては独禁法に基づく不公正取引の防止の観点から、現在、実施しているフォローアップ調査において強く指導するよう求めた。
  特に元売による商標権を盾にした特約店への差別的な取引制限や、業転玉購入への圧力について出席委員からさまざまな具体的事例が示されたが、公取委の山木部長は、「恣意的、差別的な運用は正当な権利の行使とはいえない」と述べ、先の流通実態報告で指摘した内容は、「元売に対し、なにをやっても自由ではありませんよ、と警告したもの」と説明した。
 また、元売子会社への赤字補填など優遇政策については、委員側が、「表面上あからさまな補填はないものの、事後的な調整や仕切以外の項目での優遇が行われている」などの事例を紹介し、さらに、「メーカーのこうした政策が行われている中では、とても公平、公正な競争など実現しない」として行政の抜本的な対策を求めた。山木部長は、「具体的な事実を知りたい」として業界側からのより詳しい情報提供を求めた。
 こうした議論をまとめて荒木部会長は、「いま実施しているフォローアップ調査に期待しているが、元売側だけでなく販売業界からも声を聞いていただきたい」と要望した。




◆ JA滋賀がモデル給油所を閉鎖
  (3月24日更新)

   JAの系統石油事業採算重視の姿勢を示す象徴的な事例が滋賀県で起きている。全農滋賀県本部は、車検・整備と給油所運営からなる車両サービスセンター事業から撤退することを明らかにした。
  2月18日付で撤退が決まった給油所は1971年に県下のモデル給油所として開所したもので、同県における「農協SS」の象徴とも見られてきた。同本部は今回の事業撤退について、「年々取り扱いが減少していることから今後の収益改善が見込めないことや、経済事業改革推進の観点から拠点事業見直しを図る」とコメントしており、不採算部門の撤退を積極的に行う姿勢を明確にしている。
 JA給油所の事業運営に関しては、2004年に全農の大きな方針転換があり、「完全黒字化」と「不採算施設の撤退」を進めていて、近畿各地でもこの方針に従い、JA給油所を民間会社に移行してのセルフ化と量販化を進める一方、不採算給油所に関して閉鎖を加速しているといわれている。