2004年10月


◆ 災害対応型給油所の新たな機能探る
    
(10月29日更新)


   全石連は9月15日の理事会での承認を経て、「地震等大規模災害対応型給油所検討委員会」を設置した。9月21日現在、災害対応型給油所は全国で16ヵ所あるが、2004年度から経済産業局に代わって全石連が災害対応型給油所に対する補助申請の窓口になったことを踏まえ、石油販売業界が展開している社会貢献活動とリンクし、地域社会における防災対策と安全確保対策を融合した新しい災害対応型給油所のイメージを具体化させるための検討を行う。
 委員長には消防研究所の室崎益輝理事長が、副委員長に全石連の河本博隆副会長・専務理事が就任した。
 災害対応型給油所は、 1995年に発生した阪神・淡路大震災の際に給油所の堅牢性が証明されたことを受け、その翌年度から、災害時でも給油所機能を維持するための自家発電設備や貯水設備を補助対象設備として普及を図ってきた。検討委員会では近年、定置型燃料電池の開発やコージェネレーションシステムの改良が進んでいることから、災害時の緊急車に対する燃料提供のほか、地域住民に対するライフラインの提供とともに安全確保の拠点としての可能性を探ることになる。
 2004年度は、地域住民の立場から災害対応型給油所に求められる機能と、それに応えるための設備と運営ソフト、地域住民との連携のあり方を検討し、次年度以降の検討課題として、緊急時の対応マニュアル、地域連携システムの作成などを予定している。
  正副委員長以外のメンバーとして、阪神・淡路大震災を体験した兵庫県、地震発生の確率が極めて高いとされる宮城県、さらに、大規模な東海地震の発生が予測される静岡県の販売業者が参加するほか、消防庁、石油連盟、元売、損保会社なども加わった。




◆ 三愛石油がキグナス石油を完全子会社化
  (10月29日更新)

   三愛石油、東燃ゼネラル石油、ニチモウの3社は2004年9月17日、東燃ゼネ石とニチモウが折半出資で保有するキグナス石油の株を売却し、全株式を新たに三愛石油が取得することで合意したと発表した。株式譲渡は年内中に完了する。三愛石油は国内最大級の石油販売会社で、キグナスとも特約契約を結んでいるが、今回の全株取得で元売のキグナス石油を完全子会社化することになる。注目されていた製品供給については、東燃ゼネ石が日量7万バレルを引き続き長期継続する。
 記者会見で、三愛石油の和田武彦社長は買収利点について、(1)長期的な安定供給体制の整備、(2)給油所網(三愛石油=820給油所、キグナス=650給油所)の強化、(3)元売ブランドの取得、(4)3油槽所(名古屋、金沢、兵庫県高砂)の確保による物流機能強化をあげたほか、キグナスとの合併については「銀行など他業界の動きを見ても将来的にあり得ないとは言えないが、当面ドラスティックなことはせず、互いに良いよう、給油所一つひとつの内容強化などを図る」などと語った。
 一方、東燃ゼネ石のG・W・プルーシング社長は、(1)複雑化したブランドの整理、(2)資本効率化などを売却要因としてあげ、「売却益はローサル関連への投資などに充てる」とした。




◆ 灯・軽油の海外製品が急騰
  (10月29日更新)

   石油製品市場で国内の在庫薄に対して、海外の製品高基調が鮮明になってきた。灯油在庫は2004年8月末時点では第2次石油危機以降で初めて300万キロリットル割れとなり、ガソリン在庫も在庫日数では過去最低レベルにある。一方、アジア製品市場では、従来から高値水準であった灯油、軽油が9月第2週末に急騰を演じ、製品輸出の魅力が上昇、輸入手当てが一層困難な状況となっている。
 灯油在庫は9月に入って300万キロリットルに達したが、例年比で100万キロリットル少ない水準で、シーズン前の目安である「9月末400万キロリットル」は達成されなかった。さらに、アジア指標であるシンガポール・スポットが37円/リットル前後まで急騰し、「製品輸出の魅力が高まっても、輸入は採算に合わない」状況が生じている。
 海外軽油市場も硫黄分500ppmで36円前後に乗り、「インタンク軽油よりも採算がよい」状況にある。
 ガソリンは国内高が続いているが、在庫量が一向に増えない状況にある。一方で販売増があるため、在庫日数は過去最低水準にある。
 国内製油所では今後も定期修理が5製油所で行われる予定で、一部では小事故が生じている。稼働率の上昇が期待できにくい中で、給油所関連油種の在庫が積み上がる見込みは薄くなっている。





◆ 「若手議員の会」が公取委に不公正取引の防止策を申し入れ
  (10月29日更新)

   「ガソリンスタンドを考える若手議員の会」の幹部が2004年9月9日、公正取引委員会の竹島一彦委員長を訪ね、石油流通業界で行われている不公正取引について防止策を講じるよう申し入れをした。
 竹島委員長は、「公取委としても不当廉売や優越的地位の濫用について課徴金や罰則を課していきたいが、構成要件が多様すぎてそれを法律に書くのは困難」としたものの、「問題の本質は業転の取り扱いに対する取引上の制限ではないか」と述べ、法改正などの対応よりも運用強化によって公正な取引市場の構築に向けて実効性のある対応が可能との見方を示した。「若手議員の会」からは西川公也副会長、渡辺博道事務局長、砂田圭佑常任幹事、今村雅弘常任幹事が出席。全石連の関正夫会長、河本博隆副会長・専務理事と油政連の小澤二郎会長が同席した。




◆ 大阪商品取引所が「瀬戸内石油先物」構想
  (10月29日更新)

   大阪商品取引所が、「瀬戸内石油先物市場構築についての提言」を発表した。同提言は、石油関係専門家で構成する同取引所石油先物市場専門委員会が、瀬戸内地域の石油先物市場構築の可能性と市場構築にあたっての市場設計について検討し、大阪湾と大西(大阪湾以西)を一体とした瀬戸内石油先物市場の構築についてまとめたもので、関西における石油先物市場の可能性を示すとともに、アジア地域までをにらんだ市場の将来性を示唆している。同取引所はこの提言に沿ってさらに検討を加え、試験上場に向けた作業を進めることを明らかにしている。
 元売、商社、ディーラーなど15社で構成する石油先物市場専門委員会は、2004年5月から8月に瀬戸内石油先物市場構築の可能性や市場構築にあたっての市場設計について検討したが、その結果、関東圏に匹敵する供給量を有し、全国の36%を占める市場を形成することや、関東圏とは異なる需給バランスと価格形成が行われていることなどを理由に、瀬戸内市場構築が望ましいと結論付けている。
 上場商品としてもガソリン、灯油、さらにA重油も視野に入れ、瀬戸内指定バージ受渡しで単位を500キロリットル、取引単位を50キロリットルにすることまでを提言。
 既存市場とは異なる機能を持ち、市場間裁定取引での相乗効果が期待できるほか、地域性を考慮すれば、アジアとの需給バランスから韓国をはじめ東南アジアなどからの参加も期待できる。
 同取引所は本提言を踏まえ、関係機関などに主旨説明を行うとともに、さらに検討を加え試験上場に向け作業を進めることにしている。