2004年07月


◆ 環境税導入「総論」から「各論」へ
    
(7月6日更新)


   温暖化対策税(環境税)の導入を検討している中央環境審議会・施策総合企画小委員会は6月18日に開いた第7回会合で、環境省が税導入時の制度イメージとして強く関心を示している英および独の温暖化防止税制と関連施策を議論した。中環審では地球環境部会がこれと並行して地球温暖化対策推進大綱の評価・見直し作業を進めているが、環境省は、 「追加対策が必要とされた場合、最短では、年末の2005年度税制改正大綱に向けるとなると04年8月の税制改正要望として提出しなければならないので、相応の中間まとめが必要」との作業スケジュールになることを説明した。
 森嶌委員長は「総論から各論に入る時期に来た」とし、今後の検討課題について、「①業務、運輸、家庭部門などで削減目標を大幅に超過している実態、②産業界が指摘する国際競争力や経済への影響の度合いや、影響を受ける産業分野の具体的状況、③温室効果ガスを減らすための政策融合のあり方をきちんと議論し、環境省に素材を提供するのがわれわれの役目だ」などと整理し、各産業分野に議論への参加を改めて求めた。
  その一方、「最終的には他省庁との話し合いが不可欠。環境省のスケジュールにできるだけ合わせるが、年金問題のように結論ありきで駆け込むのではなく、あくまでも議論重視で臨み、審議会として意見する。税制改正については我々の判断外であり、税を国民に課す以上、政策提案する環境省の責任で対応すべきこと」とのスタンスに立ち、7~8月にかけて精力的に議論を深める考えを示した。
 これに対して石油業界は、環境税の導入効果を疑問視して反対姿勢を鮮明にしているが、今後、省庁間での議論も激しさを増すものと見られる。




◆ セルフの増加スピード減速
  (7月6日更新)

   石油情報センターは6月18日、2004年3月末現在のわが国のセルフ給油所数が3,423ヵ所に達したと発表した。03年度は901ヵ所増加したことになるが、セルフ数が急増し始めた01年度、さらに、爆発的に増加した02年度に比べると増加幅は減少に転じており、セルフブームはピークを過ぎたと見ることができそうだ。この調査は同センターが各種情報に基づいて集計し、四半期ごとに発表している。
 また、セルフ給油所数は増加のスピードが減速に転じるとともに、セルフからの撤退による減少数も目立ってきている。01年度にはゼロだったが、02年度には6ヵ所が撤退。03年度はその約3倍の17ヵ所が撤退した。セルフ給油所間での競争が激化していることが背景にある模様で、今後、この傾向はますます顕著になると見られる。
 都道府県別では千葉県が249ヵ所と最も多いが、愛知も248ヵ所と肉薄している。神奈川、埼玉も200ヵ所以上になった。




◆ 独禁法改正で公取委に「意見」提出
  (7月6日更新)

   全石連は6月16日に開いた理事会で、差別対価など「不公正な取引方法」を独占禁止法に条文化することなどを公正取引委員会に求める「意見」を取りまとめた。独禁法の改正は石油業界の透明性を高め、公正な取引環境を実現するため、かねてから主張していたものであり、同会ではこれまでの議論を、①不公正な取引方法の独禁法本法での条文化、②不当廉売、差別対価、優越的地位の濫用に対する制裁措置の導入、③差止請求制度の活性化のための文書提出命令の特則規定と団体訴権の導入、④「不公正取引規制法」(仮称)の検討―の4点に集約し、「意見」として提出する。
 本法への条文化は、独禁法の柱とされている「私的独占」と「不当な取引制限」には罰則規定や課徴金規定が設けられているのに、「不公正な取引方法」には制裁規定がないことを指摘し、現在の指定制度(告示制度)を廃止し、独禁法そのものに取り込むことによって、課徴金などの制裁措置を可能とすべきだとするもの。
 制裁措置の導入は、「不公正な取引」は中小企業に経済的な実害を及ぼすものであり、悪質性が高いとして、制裁措置の導入によって違反行為の未然防止効果を狙ったもの。
  文書提出命令の特則規定の導入は、被害者側に不当廉売などの事実の立証を求めることで、差止請求制度を事実上、機能させない状態にさせていると指摘し、被告が文書の提出を拒む場合、正当な理由の主張を立証させることを求める規定が必要だとするもの。
 また、「不公正取引規制法」(仮称)の検討は、本法への条文化などの議論と並行して、現在の独禁法から切り離し、景品表示法などのような防止法を制定することの検討も求めたもの




◆ 組合員給油所数の減少テンポが鈍化
  (7月6日更新)

   47都道府県石油組合の組合員数がこの5年間で13.6%減少し、組合員給油所数も14.6%減であったことが全石連の集計でわかった。2000年3月末と04年3月末を比較したもので、組合員数は約3,700社、組合員給油所数は約6,500ヵ所減少したことになる。ただ、組合員数はこの5年間、毎年3%台の減少率が続いているが、組合員給油所数は過去4年間の4%前後の減少率から03年度は3%に低下しており、組合員と組合員給油所がともに急減していた従来の傾向に変化が生まれつつあるとも捉えられる。
 組合員数は00~01年度の2年間1,000社近くの減少となり、02年度は700社台の減にとどまったが、03年度は再び1,000社近くの減少となった。一方、組合員給油所はこれまで1,600~1,800ヵ所台の減少が続いていたが、03年度は1,152ヵ所に減少規模が縮小していたことがわかった。減少組合員企業1社当たりの組合員給油所減少数が従来の1.7~2.2ヵ所から03年度は1.2ヵ所に圧縮されており、規模の大きな組合員企業の減少が少なくなったと推定される。
  民間調査機関によると03年度の石油販売業者の倒産(負債総額1,000万円以上)は03年度の88件から64件に減り、負債総額も225億円から106億円へほぼ半減しており、販売業界の経営危機が一つの峠を越したとも考えられる。





◆ 原油高騰でエネ庁が監視体制を強化
  (7月6日更新)

   最近の原油価格高騰による国内の石油製品価格への影響を精査するため、資源エネルギー庁は6月4日、当面の間、石油情報センターに委託して実施している週ごとの石油製品モニター調査を大幅に強化・拡充することを決めた。現在、経済産業局別に発表している平均価格を都道府県別に公表するほか、調査給油所数を現在の倍以上に拡充することとし、7月中旬の公表分から実施する旨を中川昭一経済産業大臣が同日の記者会見で明らかにした。
 原油高騰に伴い、元売各社は卸価格の大幅な値上げに踏み切り、6月1日以降、末端製品市況も上昇し始めた。マスコミなどもこの動きを大きく報道し、消費者の関心も高まっている。このため、中川大臣は、「コストがかかるものを価格に転嫁するのは当然」としながらも、「末端価格の上昇について、きちんとウォッチする」と発言。エネ庁はこの原油高騰によるガソリンなどの末端価格への転嫁が適正に行われているかを確認するため、調査体制を強化することにした。
 1990年8月の湾岸戦争を契機に始まった「石油製品週動向調査」は現在、全国600ヵ所の協力給油所を対象に、毎週月曜日に電話で価格を確認。その週の水曜日に全国8地区の経済産業局単位で平均値を公表してきた。調査体制の強化では調査対象給油所を現行の倍以上の1,300ヵ所に拡大し、公表も都道府県別に発表することとした。実施期間は原油価格の影響が懸念される間を想定しており、平静な状態に戻った段階で、この強化体制を解除する予定。