2003年12月


◆ ホームセンターでの灯油購入シェアが増加
    
(12月3日更新)


   消費者がホームセンター(HC)から購入する灯油のシェアが着実に増加していることが、石油情報センター灯油消費実態調査でわかった(グラフ)。この調査は同センターが2年に1回の割合で実施しているもので、「ホームセンター」は1998年度の調査で初めて灯油購入先の区分に登場した。その段階では全体の3.4%にすぎなかったが、この4年間で約3倍の10.7%に急増した。「生協・農協・漁協」よりも「HC」から購入する消費者が増えたことになる。他のルートの変化では、「給油所」や薪炭業者などの「燃料小売店」からの購入比率はあまり変わらないものの、「生協・農協・漁協」や「米穀・雑貨・酒店」などの比率が大幅に減少している。生協や米穀店などの需要をHCが吸収しているといえそうだ。
 2002年度の灯油の1世帯当たり全国平均年間使用量は718.8リットルで月平均は59.9リットル、2000年度調査の年間733.8リットル(月平均61.1リットル)と比較すると減少している。ただ、気温などの関係もあるため増減の傾向は一定していない。
 消費者の灯油の購入ルートについては、依然「給油所」からの購入が52.8%で最も多く、次が「燃料小売店」の17.5%となっている。3番目が新興勢力ともいえる「HC」などの量販店で、ついに1割を超え10.7%に達した。「生協・農協・漁協」の10・1%、「米穀・雑貨・酒店」の4.8%を追い越したことになる。8年前には生協などから購入する消費者が19%、米穀店なども8.2%あったが、ともに半減した。





◆ IEAが日本の石油産業について評価
  (12月3日更新)

   OECDの下部機構で石油消費国24ヵ国で構成するIEA(国際エネルギー機関)は11月18日、日本の石油産業について「依然、構造改革の途上にあり、精油設備の設備利用率は非常に低く、ガソリンスタンドの数は多い」と評価した。IEAは加盟各国のエネルギー政策の評価を実施しているが、日本の審査報告書を発表するため来日した同機関のクロード・マンデル事務局長が同日の記者会見で述べたもの。
 わが国のエネルギー政策全般については、「エネルギーセキュリティー、環境問題に向けて強力な取り組みがなされているが、経済効率の改善、特にエネルギー市場および政策の費用対効果の効率向上において一層の取り組みが必要である」と指摘し、わが国のエネルギー政策はより経済効率に焦点を当てるよう求めた。
  特に日本は、地理的環境や乏しい国内資源を背景にエネルギーセキュリティーの課題は重要であることを認めたうえで、90日の石油備蓄義務を大きく上回っていることを評価しながらも、中東地域からの石油輸入依存度が増大しつつあることは依然、懸念材料であると指摘した。
 最も強く指摘した経済効率については、日本のエネルギー価格はいくらか下落しているものの、依然として加盟国中、最も高い部類に入るとしながらも、全面自由化された石油部門が「最も進んでいる」と評価した。




◆ 全石連が不公正取引の取り締まり強化を公取委に直接要望
  (12月3日更新)

   全石連の関正夫会長、小浦務政策・環境部会長、大森一人経営部会長、河本博隆専務理事らは11月19日、公正取引委員会の竹島一彦委員長と上杉秋則事務総長に会い、不公正な取引方法に係る取り締まりを強化するよう強く要望した。公取委が先月発表した独占禁止法改正案でカルテルなどの罰則強化は盛り込まれているものの、石油販売業界が強く求めてきた不当廉売や差別対価など、不公正な取引に関する規制が曖昧なままであることから、あらためて改正案に盛り込むよう求めたもの。
 関会長らは「中小石油販売業者の公正な競争基盤が破壊されている」と訴えるとともに、今回の独禁法改正案に不公正な取引方法について依然、明確な取り締まり強化の方針が示されていないことから「中小企業政策の視点が全く抜け落ちていると言わざるを得ない。あらためて改正案の中に盛り込んでいただきたい」と求めた。
  竹島委員長は「罰則強化に関しては法的な問題も多く困難な面もあるが、不公正取引に関し法律上の措置として強くやることは可能」と述べ、さらに具体的には「販売業者の側から勇気をもって事実に基づく申告をしていただきたい」と求めた。また、上杉事務総長は「不当廉売や差別対価に関してガイドラインをもっとうまく使っていただきたい。調査に際して具体的な資料があるのとないのでは大きく違う。公取委として十分対応する用意はある」と述べた。





◆ 北海道に初の元売直営セルフ
  (12月3日更新)

   実質的に元売が直営するセルフ給油所が11月14日、滝川市内に同日オープンした大型ショッピングセンター(SC)の駐車場内で正式営業を開始した。元売直営形態のセルフは北海道では初めての開業になる。
 コスモのサインポールを掲げる新設セルフ、「セルフピュア滝川」は、滝川市郊外の国道12号バイパスの旭川方向沿いに建設された大型SCに併設。8日から仮営業していたが、ユニクロなど他店舗がオープンした14日に合わせてオープニングセールを開始した。
 同給油所は、コスモ石油が100%出資するコスモ石油サービス(本社・東京)が、親会社から委託されて運営する。ただし、小売価格の決定権はコスモ本社にある。また、コスモ石油サービスの社員は常駐せず、日常の管理はコスモ石油札幌支店がサポートすることになっており、CA(コミッション・エージェント)の形を取りながらも実質的にはコスモ直営のセルフ給油所といえる。
 立地条件としては、近くに既存セルフ給油所、ダイエー滝川店のDMガス給油所があり、セルフピュア滝川はこれらとの間で集客を競うことになる。実質的な元売直営セルフが、このような環境の中でどのような販売戦略を採るか、全道の業界関係者からの注目を集めそうだ。なお、同給油所のオープンで、北海道内のセルフ給油所数は120ヵ所に達した。




◆ 群馬で大型スーパー併設セルフがオープン
  (12月3日更新)

   総合小売業のチェーンストア「アピタ」は11月13日、上武国道沿いのアピタ伊勢崎東店(佐波郡東村東小保方)駐車場内にセルフ給油所をオープンした。注目されたオープン価格は店頭表示価格でレギュラー91円、灯油720円/18リットル(40円/リットル)を打ち出したが、11月24日までのオープニングキャンペーンとして1万円のプリペイドカードを購入すると、レギュラー86.9円、ハイオク96.7円、軽油66.4円、灯油38.1円としており、周辺給油所に衝撃を与えている。
 運営者は丸紅エネルギーで、マルチ計量機2基(同時給油4台)とセルフ灯油1基を備えている。営業時間は午前9時30分から午後8時30分まで。アピタの駐車場内から入り、国道側の出口に抜けるレイアウトとなっている。前売りのプリペイドカードには、値引き相当金額があらかじめ加算されている。オープン当日、アピタ店頭で「オドロキの価格」「爆安」など安値を訴えるチラシを配布しており、アピタ来店客にセルフオープンをPRしていた。地元筋によると、イオン太田ショッピングセンターのセルフは12月5日、ジョイフル本田新田店併設のセルフは12月20日のオープンとなる見込みだ。




◆ 原油高に追い付く卸価格
  (12月3日更新)

   需給の緊迫感を背景に、市中相場高に支えられて一定の効果を発揮してきた卸価格の引き上げが峠に差しかかる様相を見せてきた。各種卸指標と原油指標を比較してみても、原油高に卸価格が追い付きつつあるもので、すでに先物、業転現物の各指標は今週に入って下げ局面に入っている。市場にも徐々に売り圧力が高まりつつある。
 元売各社は11月の月決め仕切りを200円/キロリットル前後値上げする方針を伝えている。10月は大勢が据え置きであったことから、元売のガソリン希望仕切価格の実勢は11月までの1年間の累計で900円上昇させることを狙っている。これに対して原油価格の同時期比較ではCIF月間平均、出光などの20日締め、新日石などの25日締めの3パターンともに2,000円前後の値下がりを示しており、この1年間で3円/リットル近い改善効果を得ている勘定となる。11月仕切りの起点としている6月比で見ても、先物と業転はすでに大きく元売の入超、仕切り実勢でも満額近い回収を果たすこととなり、原油コストベースでは、これ以上の上昇は見込めない客観情勢にある。
 一部には依然として出光の需給環境の激変を上昇材料視しているが、すでに先物、業転の各指標は下落傾向にあり、市場関係者にも弱気ムードが台頭している。ただし原油価格は相変わらず高値高原状態が続いており、元売側にはコスト下落要因は見当たらない状況にある(表参照)。

原油およびガソリン卸価格指標の前月比推移 (円/kl)

前月原油価格 ガソリン卸価格

CIF 20日締め 25日締め 実勢 東工取 京浜海上
2002年11月 1,690  1,220  860  700  ▲1,820  ▲500 
2002年12月 ▲30  ▲2,730  ▲2,990  ▲400  620  ▲1,490 
2003年1月 ▲1,520  870  1,530  200  2,150  1,910 
2003年2月 1,080  1,480  1,400  900  1,880  2,060 
2003年3月 1,710  1,600  1,670  1,900  3,650  2,820 
2003年4月 1,270  ▲410  ▲1.300  0  ▲5,140  ▲3,760 
2003年5月 ▲980  ▲3,830  ▲3,130  ▲1.500  ▲2,110  ▲2,630 
2003年6月 ▲2,770  ▲270  ▲360  ▲1.300  330  430 
2003年7月 ▲400  990  1,140  400  2,150  2,780 
2003年8月 480  990  1,050  500  180  70 
2003年9月
760  750  750  0  ▲2,070  ▲1,830 
2003年10月
年間累計
260 
1,550 
▲1,320
▲660 
▲1,730 
▲1,110 
0
1,400 
▲470 
▲290 
▲360 
▲500 
2003年11月 ー  ▲520  20  200  1,080  1,770 
6月比
年間累計
*(1,100) 
*(▲140) 
890 
▲2,400 
1,230 
▲1,950 
1,100 
900 
1,230 
2,610 
2,430 
1,770 
*2003年11月のCIFは6月比は5ヶ月間、年間累計は11ヶ月の暫定値。




◆ 石油協会の「土壌汚染状況調査」が選択性に
  (12月3日更新)

   石油協会は11月4日、2003年度からスタートさせた土壌汚染未然防止対策事業で補助の必須条件としていた土壌汚染状況調査を選択性に改めることを明らかにした。調査方法が煩雑であること、高額な費用で補助金のメリットが低減されること、さらに、調査の結果、基準値以上の鉛やベンゼンが検出された場合、知事からの指導や命令がどのようなものになるのか予測できないことなどから、補助制度の利用が低水準で推移していることを踏まえて、選択性を導入することにしたもの。
 これまで、タンク周辺の土壌が露出する地下タンクの入れ換えや撤去する際に汚染の有無を調べることを補助要件としていたが、利用希望者の声などを参考に、調査をする場合はその経費を補助するが、調査をしなくても撤去や入れ換え費用の補助を行うという選択性に変更することにしたもの。ただ、協会では「調査が選択制になっても、万一油漏れが明らかになった場合、消防署に届け出を行い、消防署の指示に従って必要な措置を講じるなど、これまでの補助制度と同レベルでの適切な対処をしてほしい」と求めている。