2003年11月


◆ 大阪で不当廉売申告相次ぐ
    
(11月14日更新)


   大阪府では仕切価格からは考えられないような極端な販売価格を設定する給油所に対し公正取引委員会へ不当廉売で申告し、その判断で市場正常化に望みを託す販売業者が増えている。すでに堺市内の地場業者は極端な安売りを続ける元売子会社給油所やCA(コミッション・エージェント)方式の給油所など数件について公取委に調査を依頼、安定供給の使命を果たそうと努力する業者が死活問題に陥っていることを訴えている。
 堺市の業者の場合、2003年9月、元売子会社の給油所が新規会員に対し最大22円引きの販売価格を設定するなど、自助努力では補いきれない不公正な競争を強いられている実態を訴えている。この元売子会社は02年8月にも不当廉売で公取委から注意を受けた経緯があり、その販売姿勢については地元業者から強い批判の声が上がっていた。事情に詳しい地元業者は相次ぐ公取委への申告について「我々がどのような状況に置かれているか、商売をする上でどれほど不合理なことがあるのかを訴えていくことが重要」と話しており、今後も公取委へ申告する業者が増える可能性を示唆している。




◆ 公取委が独禁法改正案を公表
  (11月14日更新)

   公正取引委員会は10月28日、独占禁止法改正案を公表した。同改正案は2002年10月から「独占禁止法研究会」のもとで検討されていたもの。独禁法は1977年に大幅改定されたが、その後、経済・社会構造が変化し、実態に見合わない規制なども出始めていることから、大幅な見直しをすることになった。
 独禁法の措置体系の執行力・抑止力を強化するために罰則規定を見直すことも掲げており、特に「不公正な取引方法のうち、消費者(中小企業)保護の観点から、違反行為による被害が著しく、競争秩序を侵害する程度の大きいものなどについて、刑事罰の対象とすることが適当」としている。
 しかし、この刑事罰の対象とするものとして公取委は、優越的地位の濫用と不当表示を想定しているものの、不当廉売や差別対価は含まれていないとしている。中小企業にとって経営自体に大きな影響が及ぶ不当廉売、差別対価について考慮されていないといえる。このため、全石連は引き続き同法改正を要望していく方針だ。




◆ 法務大臣へ軽油引取税脱税への罰則強化を要請
  (11月14日更新)

   全石連の関正夫会長と油政連の小澤二郎会長は10月27日、野沢太三法務大臣を訪ね、石油販売業界が求めている軽油引取税の脱税防止対策に関連し罰則強化などの法的対応を要請した(写真)。



同訪問には河本博隆全石連副会長・専務理事のほか、「ガソリンスタンドを考える若手議員の会」の森元恒雄参議院議員が同行し、脱税の実態や環境問題への波及について説明。関会長は「社会正義実現の観点から、現行の地方税法に係る罰則体系を抜本的に見直していただきたい」と強く求めた。
 野沢法務大臣は「業界にはご苦労をいただき、税収の面で貢献していただいている。こうした経済事犯は厳罰に処すなど明確にした方がいい」と述べ、今後、総務省と相談していく考えを表明した。




◆ 群馬県に大型スーパーがセルフ建設
  (11月14日更新)

   異業種参入が相次ぐ北関東市場だが、群馬県では大手流通業のイオングループ、ホームセンター大手のジョイフル本田のセルフオープン前に、大型スーパー「アピタ」がセルフをオープンすることが確実になった。10月23日現在、上武国道沿いのアピタ伊勢崎東店の駐車場内でセルフ建設が進んでおり、地元筋では11月末ごろのオープンと見ている。
 セルフの運営について地元の販売業者は「運営は丸紅が行うと聞いているが、どのようなマークを上げるのかサインポールに注目している」と話している。また、当初11月末のオープンと見られていた太田市のメガペトロは、本体のイオン太田ショッピングセンターの工事が遅れている関係で12月のオープンとなる見込みだ。メガペトロとほぼ同時期に新田町にオープンするジョイフル本田のセルフを中心に、国道50号線の販売競争激化が予想される。




◆ 総務大臣に軽油引取税脱税防止対策の強化を要望
  (11月14日更新)

   全石連の関正夫会長をはじめとする執行部役員一同は10月15日、先ごろ発足した第2次小泉改造内閣で総務大臣に就任した麻生太郎大臣を訪問し、軽油引取税脱税防止対策の強化を要望した。
 関会長は総額1,000億円にものぼるとみられる軽油引取税の脱税実態やそれに付随する硫酸ピッチの不法投棄問題などについて説明したうえで、「正常な市場が形成されるためには脱税防止対策の強化は欠かせない」と訴えた。
 これに対し麻生大臣は「脱税の深刻な事情は十分理解した」と述べたうえで総務省として必要な措置を講じる考えを示した。麻生大臣はこれまでも地方交付税の見直し問題などに意欲的に取り組んできただけに、「共通する課題でもあり、提案された内容は十分理解できる」と述べ、対策の強化に意欲を示した。




◆ 9月末在庫量、灯油が5年ぶりに500万キロリットル超す
  (11月14日更新)

   9月末の在庫量はガソリンが9ヵ月ぶりに200万キロリットルを割る一方で、灯油在庫が積み重なり、5年ぶりに500万キロリットルの大台に乗った模様。特に灯油については、4月以降のシーズンオフ期に販売量が軒並み前年比増を記録するなど好調だったこと、8月に新日石系の3ヵ所の製油所が稼働に支障をきたしていたにもかかわらず、在庫が大きく積み上がったことで、原油安以上に9月末に向けて業転、先物相場がともに軟化する局面を迎えていた。
 出光・北海道の被災と事故による停止が伝わっても製品安の潮流に大きな変化は見られなかったが、停止が長期化するとの見通しが伝わったことで、今週に入って業転、先物市場ともに先高の相場観に支配されつつある。
 被災前後と現在の原油価格はほぼ横ばいとなっているが、製品別では10日時点でガソリンが京浜業転でリットル1円、東工取先物期近で1.8円、灯油が業転1.6円、先物2.2円、軽油が業転0.9円、先物1.1円の上昇を見ている。灯油の上昇幅が顕著で、ガソリンも上げ足を強めている。灯油在庫が9月末で前年比100万キロリットルも多くなっていること、出光・北海道の精製能力が国内全体のわずか3%であること、製油所稼働率が80%程度であることなどから、「需給への影響は限定的」と冷静に見る向きもあるが、卸相場はやや加熱し始めるシグナルが出ている。




◆ エネルギー関係団体が環境税に反対表明
  (11月14日更新)

   全石連、全国石油政治連盟と石油連盟などエネルギー関係団体は、10月8日の自民党経済産業部会、商工・中小企業関係団体委員会合同会議に出席し、2004年度税制改正について要望した。
 全石連の税制改正要望については、河本博隆副会長・専務理事が軽油引取税の混和脱税の実態を説明したうえで、「正直者がバカを見ないよう罰則強化などが必要だ」など具体的な防止対策案を提言した。一方、石油連盟は山浦紘一専務理事がエネルギー間の課税の公平性実現を求めて、(1)石油石炭税の課税の公平性確保(2)アルコール燃料やCNGなど新燃料も含めた自動車燃料の課税の公平性確保、を要望した。
 環境税問題については全石連・油政連、石油連盟のほか電気事業連合会、日本LPガス協会などエネルギー関係団体のほとんどが反対を表明した。各団体ともに「地球温暖化対策推進大綱の第1ステップの評価をしたうえで検討するべき。最初から環境税導入を前提とすべきではない」、「温暖化対策の財源はすでに石油石炭税で確保されており、環境税は事業者に二重の負担を強いることになる」などと強調。最近、一部で出ている「森林環境・水源税」創設の動きに対しても、電事連などが「受益者である国民が広く負担する一般財源で賄うべき」と反発した。
 出席議員からは「環境省の案が効果あるのか非常に疑問」「産業界に大きな影響を及ぼすものである」などと述べ、環境税の創設に強い疑問を投げかけた。




◆ 「若手議員の会」が軽油引取税脱税防止対策の実現に
      取り組み

  (11月14日更新)

   石油販売業者の経営安定を支援する自民党の「ガソリンスタンドを考える若手議員の会」は10月3日、東京・永田町の自民党本部で総会を開き、全石連がまとめた軽油引取税脱税防止対策の実現に向けて、全力で取り組む方針を決めた。
 「若手議員の会」総会には、全石連執行部をはじめ油政連の各県連会長ら多数が出席し、給油所経営の厳しい実情を訴えるとともに「軽油引取税脱税防止対策の強化」について説明した。同会の渡辺博道事務局長は、「この提言は石油販売業界に対する消費者の信頼獲得に向けても重要な課題であり、税制の公平性や地方財政の確立のうえでも大事だ。この要望の実現を政治面でバックアップしたい」と述べた。