2001年09月~11月


◆ 石油販売業の共同高度化に新規23億円要求
    
(11月6日更新)


   経済産業省資源エネルギー庁は平成14年度の予算概算要求額をまとめた。石油流通関係では新たに石油販売業者が共同で経営高度化に取り組む事業を支援する制度(既報)に23億円を要求したほか、給油所周辺の土壌汚染問題などへの対応策を探る新規事業(既報)でも調査費として5千万円を計上した。また、12年度から事業がスタートし、好評を博してきた地域事業多角化共同モデル事業は、共同マーケティング関連のモデル事業を経営高度化事業に移管するが、地域防犯ネットワーク事業などの社会貢献事業については「地域事業環境整備支援事業」として分離し、14億円を要求した。これらの石油販売業の構造改善を支援するための予算は総計208億円、石油販売業関連全体ではおよそ250億円となる。
 新設する「石油販売業者経営高度化調査・実現化事業」は石油販売業者が新たなサービスや販売方法の開発のために共同で行うマーケティング調査や経営戦略立案などの調査・研究、さらに、これらの調査に基づいて実施する実験的な事業を、現在の共同モデル事業と同じように提案公募型の事業として実施するもの。事業の実施主体は組合だけでなく、複数の事業者が共同で出資設立した会社や複数の販売業者グループでも可能で、事業者グループによる意欲的な取り組みが対象となる。従来の共同モデル事業として行ってきた共同マーケティング関連部門を分離独立させる。




◆ 全石連の14年度税制改正要望決まる
  (11月6日更新)

   全石連はアルコール系燃料へのガソリン税課税、軽油脱税防止対策の強化などを掲げた平成14年度の税制改正要望案を取りまとめた。
 来年度の税制改正要望の中で、同部会が実現に向けて最も力を入れるのは、アルコール系燃料に対するガソリン税の課税、軽油引取税の脱税対策の強化、農林漁業用重油の免税措置と国産A重油の石油税還付制度の延長の3点。
 アルコール系燃料は、現在は成分中に占める炭化水素分の違いから軽油引取税しか課せられていない。また、各自治体では軽油引取税の納税申告指導をしているが、ガソリン代替燃料として輸入され、ガソリン車に使用されていることから、税負担の公平性を著しく損なうとして、早急にガソリン税を課税し、課税の適正化を求める。
 軽油引取税の脱税防止対策の強化は、地方税法の改正によって輸入軽油にかかわる脱税事案は急速に減少しているとされるが、灯油やA重油を混和する脱税事案の急増が予想されるとして、行政指導である識別剤の添加を路上検査制度とともに地方税法に規定するよう要望。脱税行為に対する罰則の強化、脱税軽油として承知して購入した者に対する罰則規定の設定、経済産業省と総務省との連携体制の構築も求める。
 農林漁業者の負担軽減を通じて農林漁業の振興に寄与している農林漁業用重油の免税措置と国産A重油の石油税還付制度については、今年度末で制度の期限が切れることから、延長措置(2年間)を要望する。

平成14年度税制改正要望

1.アルコール系自動車燃料に対するガソリン課税の適用

2.軽油引取税における脱税防止対策の強化

3.農林漁業用無税重油制度、国産A重油石油税還付制度の延長

4.ガソリン税・軽油引取税の本則税率の適用

5.ガソリン税と消費税との二重課税の排除

6.ガソリン税相当額の貸倒れ還付制度の創設

7.販売店を対象とする軽油引取税貸倒れ救済制度の確立

8.石油に偏重した「環境税(炭素税)」の創設反対

9.中小企業関係税制




◆ アジア唯一の原油先物市場が誕生
  (11月6日更新)

   東京工業品取引所(中澤信義理事長)に9月10日、国内初の原油先物市場が誕生した。アジアにおける不特定多数が参加する原油市場はかつてシンガポールにあったが、現時点では東工取の原油先物市場がアジア唯一のものとなる。
 中澤理事長は「東工取にとって原油の上場は永年の懸案であった」と語ったあと、原油について「あらゆる面で、最大かつ重要な商品であり、この原油上場を契機に、”市場整備元年”と本年を位置付けて、世界的な価格指標の形成の役割をめざしたい」と「国際水準の先物市場」への第一歩とした。
 原油上場は、「欧米型のクリアリングハウス=清算機構=の創設」を巡って、認可当局から「国際的な影響力と確実な契約の履行」を求められ、5月の当初の上場予定から遅れた経緯がある。
 原油取引の仕組みは、納会日に現物決済を伴わない差金決済による「現金決済先物取引」で、中東原油などの国内およびアジア指標であるドバイ原油とオマーン原油の加重平均。これをTTM(東京三菱銀行が毎営業日に発表する円と外国通貨の売り相場=TTS=と買い相場=TTB=の中値)で換算して円/キロリットル表示として取引を行う。納会価格に採用される指標は、ブルームバーグ、テレレート、ICIS-LOR、ペトロリアム・アーガス、ロイター、リムインテリジェンスの6社指標。




◆ EM仕切り決定方式を変更
  (11月6日更新)

   エクソンモービルマーケティングは9月15日から全国的に基準仕切価格の決定方式を地域の小売市況と連動するゾーンプライス制を強めた形に変更した。同社はこれまでコスト変動などを勘案する形の基準仕切価格を91円と打ち出しながらも、市況陥没地域には6円程度のマージンが確保できる形で特別仕切価格を出していたが、今回の変更はこの特別仕切価格の決定方式に正式なルールを導入したもの。
 代理店・特約店筋によると、「15日以降の基準となる小売価格は93.5円。ここから一定マージンが確保できる仕切価格をボトム価格として設定する。ボトム価格からは数量インセンティブを値引きするが、仕切特価は認めない。また、93.5円より市況が値上がりした場合は仕切価格を1円値上げし、その利益は50銭づつ元売と代理店・特約店が分け合う方式」としている。




◆ 保証限度額引き下げへ、石油協会の信用保証
  (11月6日更新)

   全国石油協会の関正夫会長は9月14日、全国の石油組合理事長にあてて、保証先企業の事故が増大し、このままの状態では債務超過に陥る可能性が高い信用保証制度の現状を報告するとともに、新規保証に対する新しい審査基準の改定作業を進めていることを明らかにし、理解を求める文書を送付した。
 関会長は文書の中で、信用保証制度が規制緩和以降の厳しい競争と長引く不況によって不良債権が急増、平成12年度末までに基金の5分の1以上がすでに取り崩されているとし、「事業破綻の一歩手前にきている状況」であることを明らかにした。こうした事態を受け、これまで全石連の各支部や支部長・部会長合同会議での検討の結果、事業の存続を最優先するため、健全化に向けた対応を講じることで意見が集約されたことを報告。しかし、今年度も取崩額が増え続けており、債務超過になる可能性が極めて高いとの認識を示したうえで、「中小企業者に対する金融機関の融資姿勢が厳しくなる状況下にあって、本事業の創設目的と相反するもの」としながらも、保証中のものについては特別経過措置を採用する一方、「新規保証については、3億円から1億円に保証限度額を引き下げることなどを骨子とした新たな審査基準の設定がやむを得ないと考える」と述べ、理解を求めた。




◆ 東京都が廃止SSの土壌調査を義務化
  (11月6日更新)

   東京都が昨年12月に制定した「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(環境確保条例)のうち、土壌汚染対策に関する条項が10月1日から施行され、来月から都内で給油所を廃止したり、建物を除却する場合には「敷地内の土壌汚染調査を行う」ことなどが義務付けられる。
 汚染土壌の処理基準は国の環境基準と同様の24項目で、給油所の場合はベンゼンや鉛などが一般的な調査項目になると見られる。調査方法としてはまず表層調査を行い、汚染が検出されればボーリングして詳細を調査する。
 給油所跡地の土壌実態の把握が国内でも求められ始めたのに対して、エクソンモービルや昭和シェルなどの外資系元売では欧米での経験を踏まえて、社有給油所の土壌調査を実施している。また、日石三菱では8月末に取りまとめた土壌調査実施要領で、社有給油所のうち30年以上を経過した地下タンクを有する設備のほか、廃止や売却対象物件について年間100ヵ所を検査することを決めているなど、民族系元売も問題意識を高めている。
 一方、金融機関も土地の資産価値を評価する観点から汚染確認に強い関心を寄せているとされ、国も土壌環境保全対策の制度化を急ぐなど、土地利用の履歴がより重要視されており、土壌問題の対応は避けて通れない情勢が迫りつつある。




◆ 全石連が新たに受託自動車保険あっ旋
  (9月15日更新)

   全石連は9月から「SS総合共済」の加入給油所を対象に商品化された「受託自動車保険」の申し込みの斡旋をスタートさせた。顧客の車を預かることの多い給油所からの要望に応えた新しい補償制度。給油、洗車、点検など、給油所内の業務に限定した?型(年間保険料1万8千360円)と、陸運局や整備工場への持ち込みなどをする車検代行業務を加えた?型(同4万4千40円)の二タイプがある。補償金額はいずれの場合も同じで、対人賠償が1億円、対物賠償が500万円(免責5万円)、自損事故が1千500万円。




◆ 公取委9年ぶりに不当廉売で「警告」
  (9月15日更新)

   公正取引委員会が六日、栃木県小山市の石油販売事業者に対し、独占禁止法が禁止している不当廉売に当たる疑いがあるとして「警告」した。公取委が石油販売業者に対し不当廉売で警告したのは平成4年以来9年ぶり。この措置に対し地元周辺業界では、「名前が公表されても実質的なペナルティーがなければ逆効果」など、「警告」の意義を疑問視する声が上がっている。また、「当然、差別対価として調査する有力な端緒にもなる」として、改めて公取委に差別対価での調査を求める声もある




◆ 不透明な商慣習に改善迫る・資源エネルギー庁
  (9月15日更新)

   資源エネルギー庁は7月前半に実施した元売12社を対象にした流通関係ヒアリングの概要を公表した。今回のヒアリングは元売の販売子会社への仕切価格の優遇の実態や、セルフ給油所、コミッションエージェント方式の導入に対する元売の対応などを中心に聞いた。子会社については「一般特約店と同一体系」とし、セルフに対しても特別なインセンティブは設けていないと答えている。エネ庁は「ルールの明確化や公平性は進んでいるようだが、ルールを設定していないか、あっても開示していない元売がある」と指摘、ルールの明確化と特約店に対する十分な開示を求めた。

項 目 ヒアリング概要
経営・物流効率化 バーター、ローリー大型化、元売提携による油槽所ネットワークの一層の拡大に取り組む
IT化 一部元売が消費者向け事業を展開、資材調達にも活用
社有SSの返還 12年度返還は770カ所。内324カ所が他特約店・子会社へ
ガソリン販売量 SS平均月間96kl(前年度88kl)、社有160kl、系列80kl
セルフSS 元売計12年度末307カ所、13年度末は920カ所に
CA(コミッションエージェント)方式 12年度末102カ所、「積極派」「消極的に転換」「否定派」が混在
仕切決定方式 ほとんどが「周辺市況連動型」「コスト積み上げ方式」「コスト変動方式」だが、いずれも市況対応を実施
規模格差 ほとんどが販売量に応じて採用
新設・改造補助 適用は減少傾向だが、依然、一部で実施
セルフ補助 優遇措置は適用しないが、一部で新設・改造の経費を支援する元売も
仕切価格差 縮小傾向。全国で最大8.5円(前年度9.0円)、同一県では7.4円(7.7円)
商社対応 一般特約店とは異なる仕切体系を適用。販売規模を理由に仕切格差は平均2.6円安
販売子会社対応 仕切りは一般特約店と同一体系だが平均0.75円安、系列内最高は2円安
リース料 ほとんどが「明確な算定基準を適用」と回答。返還社有の一部に「ケースバイケース」の設定も



◆ JA(農協系)SS4,883ヵ所・PB化進む
    
(9月15日更新)


   JA全農が取りまとめた平成13年度末の給油所数(固定式)は4千833ヵ所で、うちJAマーク単独の給油所数が4千482ヵ所となり、全体の93%が元売マークを掲げずにJAマークだけを掲出するなど、プライベートブランド(PB)化が急速に進んでいる実態が明らかになった。国内の固定式全給油所5万1千957ヵ所に占めるJA系比率は11%で、PBだけでも9%を占めている。




◆ 灯油販売・一般SSルートのシェアが減少の一途
  (9月15日更新)

   平成12年度に商系の給油所を経由して販売された灯油の割合は30.5%となった。特石法廃止前の7年度には42%が給油所経由で販売されていたことから、この5年で給油所需要の25%がほかのルートに流れたことになる。一方、ホームセンターで販売された灯油は21.4万??で11年度の1.7倍に激増。特にホームセンターが元売から直接仕入れている量が前年度の15倍に急増していることがわかった。




◆ ガソリン、軽油販売でも一般SSが苦戦・エネ庁調査
  (9月15日更新)

   7月に資源エネルギー庁が実施した元売ヒアリングのデータをもとにまとめた平成12年度の石油製品供給ルート別シェアによると、ガソリンでは元売直売や商社系特約店経由の販売シェアが増加し、一般特約店経由の販売シェアは引き続き縮小していることがわかった。軽油もやはり元売直売が増加しているほか、フリート給油所での販売シェアが伸びている。エネ庁が先日、公表した灯油の供給ルートシェアの変化にも表れているように、ガソリンと軽油も給油所離れが進んでいることが明らかになった。